2020.11.05

“優男”デマー・デローザンが古巣の南カリフォルニア大学にした粋な計らいとは?

多くの選手からも信頼されるデマー・デローザンが母校に行った粋な計らいとは [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 デマー・デローザン(サンアントニオ・スパーズ)は、とても仲間想いなプレーヤーとして知られている。物静かな性格ながらバスケットボールと真摯に向き合い、本意ではなかったトロント・ラプターズからの退団も受け入れた。

 古巣との対戦時には、移籍の引き金となった球団社長のマサイ・ウジーリのもとをデローザン自ら訪れ、和解を申し出た。この際、ウジーリは「信じられない対応だった。デマー・デローザンは素晴らしい男だよ」と感謝の意を伝えている。また、カイル・ラウリー(ラプターズ)との深い絆は言うまでもなく、ラプターズ時代の同僚、ルー・ウィリアムズ(ロサンゼルス・クリッパーズ)は、過去に「デローザンは史上最高のチームメートだ。彼より分別があり、優しい男はいない」とコメントしたこともあるほどだ。

 そんなデローザンは、自身の辿ったルーツへの感謝も忘れない。同選手はこの度、NBA入団前に過ごした南カリフォルニア大学(USC)のウェイトルームを全面改修するべく、巨額の資金提供をしたようだ。

 USCが所有するスポーツアリーナ『ガレンセンター』内のフィジカルトレーニング施設には、最新のテクノロジーが導入され、マシンもトップレベルのものへと一新。実は、USCのトレーニング施設は改修前、身長の大きな選手がサイズの関係上、一部のトレーニング機器を使用できないという問題を抱えていた。特に、バスケットボールは高身長のプレーヤーが多く、トロージャンズの選手やコーチ陣たちは長く頭を悩ませていたに違いない。

 しかし、デローザンの好意により、悩みの種は解消。正確な金額は明かされていないものの、『TMZ Sports』によると、今回の寄付はUSCからNBAへ羽ばたいた選手のなかで過去最高額のものであるという。

 USCでコンディショニングコーチを務めるジョシュ・ハイデッガーも、「新たなウェイトルーム、トレーニング機器、フローリング、さらには照明やサウンドシステムにいたるまで、全てが最高レベルのものだと感じています」とコメントし、今後のトレーニングに胸を踊らせている。

 NCAAは、トップレベルの選手が凌ぎを削り、選手たちは日々、NBA入りを目指してトレーニングを積んでいる。オンコートでの技術や判断力を向上する傍ら、激しいコンタクトのあるバスケットボールではフィジカル強化も必須項目。もし、PAC-12でUSCが今以上の存在を示すことになれば、それは“優男”デローザンの貢献が反映された結果であり、きっとデローザン自身もそれを望んでいることだろう。

文=Meiji

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