2021.09.19

【B1クラブ展望/群馬】名将と大ベテランが新たに加入…“前人未到”の第2章が始まる

圧倒的な強さでB2制覇を果たした群馬[写真]=B.LEAGUE
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 群馬クレインサンダーズの“前人未到”、第2章が始まる。

 昨シーズンはマイケル・パーカートレイ・ジョーンズらB1経験者計8名の大型補強に乗り出し、レギュラーシーズンではホームゲーム負けなしの52勝5敗。リーグ新記録となる33連勝と勝率(.912)も達成し、その勢いのままB2優勝を果たした。

 茨城ロボッツとともに初のB1に挑む2021-22シーズン。チームは就任5年目で待望のB1昇格を果たした平岡富士貴ヘッドコーチに代わり、トーマス・ウィスマン氏が新指揮官に就任。かつては男子日本代表を指揮し、Bリーグ初年度には栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)を初代王者へ導いた名将の手腕、綿密な策により、さらなるチーム力の向上が見込める。

 今シーズンの選手たちの顔ぶれも申し分ない。躍進の原動力となったパーカーとジョーンズを中心に8名が残留し、大ベテランの五十嵐圭、日本代表候補のアキ・チェンバース、走れるビッグマン・野本建吾が加入。現在は一時帰国中だが、インサイドでの活躍が期待されるチェコ代表のオンドレイ・バルヴィンも加わった。

 新たな日本人選手に関しては、B1での実績があり優勝に飢えている選手だと言える。各々が国内のトップでキャリアを積みながらも、いまだBリーグ優勝には届いておらず、きっと「このチームで一泡吹かせたい」と意気込んでいることだろう。

 また、チェンバースと野本の獲得から、より守備面の改善を求めていることが伺える。昨季B2を席巻した攻撃と守備をブラッシュアップし、いかに多くの時間帯で自分たちの理想を表現できるか。それをB1のチーム相手にできれば、昇格初年度でのチャンピオンシップ出場も見えてくる。

■KEY PLAYER/PG #14 菅原暉

[写真]=B.LEAGUE


 豪華なロスターなだけにあまり注目されていないかもしれないが、今季のルーキーも将来有望な選手である。スコアラーの杉本天昇とポイントガードの菅原暉だ。2人はともに土浦日本大学高校出身で、大学でも世代トップの選手として名を馳せた。現在、杉本はケガからの復帰を目指している最中だが、菅原はすでに開幕後も先発を担うことが濃厚な五十嵐のバックアップとして実践でプレーしている。

 今季のポイントガードは、この2人に笠井康平を加えた3選手で回すことになるが、「五十嵐は41歳のベテランなので、何分プレーできるかも計算しなければいけない。テルは学習能力があるし、若さを生かしてしっかりプレーしてもらいたい」とウィスマンHC。菅原がつなぎ役としてではなく、シーズン中に主役に躍り出るような存在になれれば、よりチームが活性化されるはずだ。

文=小沼克年

Bリーグ2021-22開幕特集のバックナンバー

BASKETBALLKING VIDEO