2022.09.29

【インタビュー】河村勇輝「日本代表として世界相手に勝つポイントガードの1人でありたい」

日本代表、Bリーグ、母校などについて語った [写真提供]=ASICS ✕河村勇輝 監督就任イベント
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河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)はBリーグ2021-22シーズンを終えると、7月の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window3で日本代表デビューを飾り、「FIBAアジアカップ2022」などを含めて10試合に出場。多くの経験を積み、いよいよ“プロ1年目”をスタートさせる。「経験を還元するのも日本代表選手の役割」と強い自覚を持つ若き司令塔に話を聞いた。

インタビュー=酒井伸
取材協力=アシックスジャパン株式会社

■「代表活動を経験できたことに対して、たくさんの方に感謝したい」

日本代表活動を経てさらにレベルアップ [写真]=FIBA

ーー6月のディベロップメントキャンプから約3カ月間、日本代表活動に参加しました。
河村 日本代表に入って新しい刺激を受けたというか、ここまで長く日本代表活動に携われると思っていなかったので。まずはこの3カ月間、代表活動を経験できたことに対して、たくさんの方に感謝したいと思います。

ーー手応えはいかがですか?
河村 アジアカップや(FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選)Windowを経験した中、僕のプレースタイルが通用する場面はたくさんあったと思います。もちろん手応えを感じていますけど、その中での課題も多く見えてきたので、すごくいい経験になりました。

ーー現状の課題は?
河村 やはりシュートの部分で、特に3ポイントシュート。トム(ホーバスヘッドコーチ)さんにも「まずはアテンプト(試投)を増やして、もっと狙う積極性が欲しい」と言われています。僕のプレースタイルでもあるペイントアタック、パスといった軸をぶらさずに、3ポイントを狙える場面では積極性を出して狙っていくこと。そして決めきる力が必要だと思っています。

ーー海外でのプレー経験が豊富な渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)選手や馬場雄大選手ともプレーしました。
河村 2人は意識が高いというか。バスケットの中でコミュニケーションを取ること多かったです。リーダーシップがありますしね。コート外でもいろいろなことに気を使って、すごいなと。体のケアは念入りにされていますし、食事の部分でも話を聞きましたけど、僕には到底考えられないようないろいろな努力をしていて、すごいなという気持ちでした。

ーー2023年のワールドカップ、2024年のオリンピックに向けて聞かせてください。
河村 「日本代表として世界相手に勝つポイントガードの1人でありたい」という目標をずっと持ち続けています。ワールドカップは日本で開催されるので、ぜひ僕も参加したいです。そしてそこで結果を残せば、パリオリンピックの出場権が与えられます。パリオリンピック出場という日本代表の目標を達成するために、ワールドカップに出たいという気持ちがすごくあります。

ーーBリーグの新シーズンが始まります。今シーズンの横浜ビー・コルセアーズについてはどのような印象を持っていますか?
河村 まだ練習に合流できていないので、どういう感じかわかりませんけど、話を聞くと新しい外国籍選手が陽気というか、コミュニケーションをよく取っていて、すごくいい雰囲気のようです。昨シーズンと主力メンバーがあまり変わらないので、代表活動で3カ月間チームを離れましたけど、チームに戻ってもアジャストできる自信があります。また、昨シーズン経験したことを一つずつレベルアップできる期間になると思うので、すごく楽しみな1年になると思います。

ーー開幕からチームに在籍するのは初めてのことです。
河村 すごくワクワクしています。でも、難しさもあると思います。日本代表でトレーニングを積んできました。ケガをせず、1年間結果を出し続けることがポイントガードとして僕自身の目標でもあるので、最後の最後までコートに立ち続けて結果を残したいと思います。

ーー日本代表での経験をチームに還元したいという強い気持ちはありますか?
河村 はい、もちろんあります。やはりその経験を自分だけのものにするのではなく、チームに戻ってそういった経験を還元するのも日本代表選手の役割だと思います。Bリーグのレベルアップを図るためにも、僕ができることを最大限に発揮していきたいと思います。

■母校福岡第一へエール「プレッシャーを乗り越えてこそ真の王者になる」

日本代表活動、イベント参加など今夏は大忙しだった [写真提供]=ASICS ✕河村勇輝 監督就任イベント

ーー3月にアシックススポーツ工学研究所で様々なデータを測定したようですね。何か新たな発見はありましたか?
河村 いろいろな部分を計測したので、本当にたくさんありますけど、やはり速さの部分。他のスポーツ選手と比べても遜色ないデータで、僕の強さはスピードだと再確認できました。切り返しではどちらが強いのか、弱いのかなども測定できて、すごく意味のある測定でした。

ーーほかのアスリートとあまり変わらないスピードだったと。
河村 そうですね、サッカー選手など違う競技の選手のスピードにも負けないんだなと。計測結果だけにはなりますけど、自分の中でも自信になりましたね。

ーー『UNPRE ARS LOW』と自分自身のプレースタイルの相性についてはどのように感じましたか?
河村 切り返しは僕にとってすごく大事です。それはディフェンスでも、オフェンスでも大事なので、やはりこのバッシュが自分に合うのかなと思います。

ーー『UNPRE ARS LOW』の一番気に入っている点は?
河村 実際に履いて、フィット感がすごくしっかりしています。また、切り返しの時、アッパーの部分がしっかりと固められているので、流れにくいという点がすごくいいですね。

ーーカラーへのこだわりはありますか?
河村 基本的に白色です。白はどのユニフォームにも合いますので。白ベースのバッシュが好きです。

ーー母校の福岡第一がインターハイで優勝しました。試合はチェックしましたか?
河村 全試合は見られませんでしたけど、チェックできた試合もあります。

ーー8番を継承する轟琉維選手とプレースタイルが似ていると言われていますね。
河村 はい、よく言われます。インターハイで優勝して、素晴らしいポイントガードだと思います。(U18日本代表として)アジアでの大会も経験しましたよね。僕もそうでしたけど、日本以外で経験することでさらにレベルアップできると思います。その経験を活かして、ウインターカップで優勝して、井手口(孝)先生に恩返ししてほしいと思います。

ーー最後に、後輩へのメッセージをお願いします。
河村 プレッシャーがあると思いますけど、それを乗り越えてこそ真の王者になると思います。そのプレッシャーと戦う経験ができるのも1校だけで、インターハイで優勝できたチームしかありません。そんな素晴らしい経験ができることをプラスに感じて、ぜひ頑張ってほしいなと思います。

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