2019.12.07

単なる「試し履き会」じゃない! 川崎ブレイブサンダースのホームにアシックスブースが出現

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 とある日の川崎ブレイブサンダースのホームゲーム。とどろきアリーナの施設内に真っ赤な2トントラックとテントブースが現れた。

 これはスポーツメーカー『アシックス』による「TRY! ASICS!」と題したシューズの試履会イベント。メインターゲットとなる高校生だけでなく、普段あまりバスケットシューズを履く機会が少ないであろう一般の方々にも同ブランドの魅力を伝え、体感してもらう活動だ。2020年東京オリンピックはもちろんのこと、今後のさらなるスポーツの普及へ向けマラソン、サッカー、バレーボールの大会やイベントなどでも実施しているが、バスケットの試合会場で実施するのは今回が初の試みであった。

 開場の1時間前あたりから続々とファンが駆けつけたこの日のとどろきアリーナ。門をくぐり抜けると、真っ先に目が入る赤いテントを見て「何あれ?」と言いながらブースに立ち寄るBリーグファンたち。シューズは23センチから用意されていたこともあり、女性ファンや子どもたちも試履することができた。また、試履ブースのすぐ横には、川崎が普段のホームゲームから設置しているバスケットコート『Touch Hoops』を用意。試履きしたファンはこの場でフリースローチャレンジや軽くジャンプをするなど、そのまま履き心地を確かめられる仕組みにもなっていた。

試履ブースの隣にはフリースローチャレンジができる『Touch Hoops』を設置

 試合観戦前に、同イベントでアシックスのシューズに足を通したファンにそれぞれ話を聞いてみると、このような言葉が返ってきた。

「今履いているバッシュは違うメーカーなのですが、それに比べてすごく軽いです。アシックスはシューズの幅も広いので履きやすい」

「ローカットはケガが心配で今まで履いたことがなかったです。だけど、履いてみるとけっこうフィット感があったので試してみようと思いました」

当日は計3種類が並び、ファンたちは好みのシューズをそれぞれ選んだ

「昔からアシックスのシンプルなデザインとフィット感が好きで愛用しています。今日履いたのはすごく軽くてビックリしました! 今までも川崎のホームゲームに来たことはありましたけど、こういうイベントは初めての体験だったので楽しかったです」

「黒とグリーンのカラーリングが、他のシューズにない組み合わせでカッコいいです。こういうイベントで新作シューズを履けると、あらかじめサイズ感がわかるので通販で買う時に便利だなと思いました」

チームのマスコット「ロウル」も駆けつけた

 開場前にはチームのマスコット「ロウル」が登場し、イベントをより一層盛り上げてくれた。トラックには川崎のキャプテンであり、アシックス契約選手の1人でもある篠山竜青が母校・北陸高校に訪れた際のドキュメント映像、フォトブースも設置。試合開始1時間前になると、日が落ちて空が暗くなり始めたが、とどろきアリーナに駆けつけるファンはピークに。ブースにはスタッフの手が回らなくなるほど多くのファンが押し寄せ、試履イベントは大いに賑わいを見せた。

 川崎ブレイブサンダースは今シーズン、ここまで地区首位を走って勢いに乗る(B1リーグ第9節終了時点)。しかし、10月には台風19号の被害を受けホームアリーナが浸水。懸命な普及作業により仮設コートでの試合が開催されたが、通常であれば場外の“サンダーススクエア”で実施されるステージイベント、ファンが記念撮影をするモニュメントなどの設置は一部中止となった。

 現在はアリーナ、場外設備ともに復旧しているが、台風被害を受けて間もない11月初旬に行われたアシックスによる試履イベントは、きっと川崎としても大いに助けられたことだろう。アシックスとの合同イベントを終え、チームの運営スタッフは「サプライヤー様アクティベーションとして初の試みだったが、子どもから大人まで楽しめる良い取り組みとなりました。『Touch Hoops』とコラボレーションできたことで、より本物に近い形(シューズとスポーツコート)でバスケにTRYしてもらえたことで、企画クオリティも上がったと感じています」と手応えを述べた。

イベントブースは試合直前まで大盛況となった

 この日会場に訪れたファン、普段から川崎のホームゲームに足を運んでいる熱狂的なサンダーズファミリーも、いつもと違う“非日常”を味わえたことでまた新たな刺激を受けたはずだ。

 単なる「試し履き会」じゃない——。

 このイベントをとおして垣間見えた一人ひとりの笑顔からも、そのことは十分に伝わった。

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