2019.11.08

渡邉拓馬、現役復帰して気づいたソックスの重要性「こだわりは足元にこそあったほうがいい」

STANCEを愛用している元日本代表の渡邉拓馬 [写真]=加藤誠夫
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

「使い込んでも穴が開くことも全くないし、伸縮性も落ちない」

 バスケットボール日本代表として活躍した渡邉拓馬が現役を退いたのは今から遡ること3年前、2016年のことだ。その後、アルバルク東京でゼネラルマネージャー補佐などの肩書を持ち、多忙な日々を送っていた渡邉に転機が訪れたのは2018年。TACHIKAWA DICE.EXEの一員として3x3PREMIER.EXEに参戦、すなわち現役に復帰することを決意したのだ。新たなモチベーションを胸に再びアスリートとしてバスケットと向き合い、渡邉はチームのリーグ制覇に大きく貢献した。

 その3x3PREMIER.EXE参戦で、渡邉はSTANCEと出会う。正確に言うとSTANCEは「プライベートでは履いていた」のだが、その良さに気づいたのが現役復帰のタイミングだった。

「5人制で現役だった時は、ソックスを2枚履いていたんですよ。その厚みでシューズとの隙間を埋めてフィットさせていたんです。でもSTANCEは厚手なので、1枚でもシューズの中で足がズレるということがなくて、これはいいなと思いました。もともとシューズから少し見えるくらいの長さを履くこだわりがあって、ミドルカットは暑苦しいイメージもあったのでちょっと抵抗があったんですが、復帰という分岐点でスタイルを変えてみようと思って履いてみたら暑苦しさを感じなかった。プレー中にずり落ちることもなく、そういうところもしっかり考えて作られてるんだなと思いましたね」

ソックスもパフォーマンスに影響するという [写真]=加藤誠夫

 シューズやユニフォームなど、アスリートが身に着けるものはそのパフォーマンスに影響を与える。一般的にはあまり認識されにくい部分ではあるが、ソックスもその1つ。日本代表まで上り詰めた渡邉も、ソックスの重要性を強調する。

「2枚履く人は多いですし、中には1枚目は5本指のものを履く人もいます。NBA選手には4枚から5枚履く人もいるくらい。昔はケガの予防という観点もありましたし、足の大きさが左右で違うのをソックスで調整するという人もいる。そういうこだわりは足元にこそあったほうがいいというか、アスリートとして必要なことかなと思います。僕自身、外からシュートを打つよりはドライブするプレースタイルで、シューズの中で足が動いてしまって上に飛べなかったりバランスを崩したりということがあって気を遣うようになりました。勝負どころでそれが気になってしまうと後悔することになるので、一番こだわった部分ですね。そのおかげで、遠征の時は練習用と試合用で8セット持っていったので、洗濯の量がすごかったです(笑)」

「ソックスにストレスを感じない」 [写真]=加藤誠夫

 渡邉が重視する機能性の面にとどまらず、プレーに直接的な影響を及ぼさない部分に関しても、渡邉はSTANCEのソックスに満足感を持っているという。いろんな意味で、STANCEは渡邉に最もフィットしたソックスなのだ。

「3年前にいただいたものを今も履いてるんです。使い込んでも穴が開くことも全くないし、伸縮性も落ちない。足の甲が高いのでシューズ選びは結構大変なんですが、STANCEのソックスはその心配もないです。以前は親指の所が擦れたりして、試合の前にもう履きたくないと思うこともあったんですが(笑)、3x3はもちろん真剣にプレーした上で『絶対に楽しみたい』という想いもあったので、ソックスにストレスを感じないというところはその気持ちとピッタリ合いましたね。1枚で済むのは楽だし、遊び心も入れられる。僕の心の隙間にも入り込んできた感じです(笑)」

 そんな渡邉は、競技用の物をプライベートでも履いているそうだ。その理由はもちろんデザイン。カジュアル用の商品も含め、気分によって履き分けることができる豊富なラインアップが魅力だという。

ソックス選びは「楽しいというか飽きがこない」と満足気 [写真]=加藤誠夫

「着る服と合わせる時に普通に履けますし、いろんなコーディネートに合う。もう41歳ですが、これを履いていれば若い人たちに置いていかれない(笑)。派手な色使いの物もあれば、『あいつがんばりすぎてるな』と思われないくらいの柄もありますし、柄物だけでなく無地もあって、選ぶのが楽しいというか飽きがこない。種類がありすぎて逆に迷うこともあるんですが、今まではソックスでそこまで楽しめることもなかったのでそれも醍醐味の1つ。あとは、3x3を始めてから代々木公園のコートにプレーしに行くようになったんですが、ストリートの選手はおしゃれな人が多いので、STANCEを履いてると溶け込みやすいんですよね。羨ましがられることもありますよ」

「何かのきっかけを与えられるんじゃないかと思った」

 冒頭に書いたように、渡邉は現在3x3で再び選手としての道を歩んでいるが、その傍らでバスケットの普及活動にも力を注いでいる。A東京でもアカデミーやスクール事業を担当していたが、地域に根づいたクラブでは活動範囲が限られてしまうということもあってフリーの身となった。

「子どもたちと触れ合う機会が多くなった中で、バスケを知らない子も多かった。そんな子が僕を見て興奮したり喜んだりしてくれるのを見て、僕も何かのきっかけを与えられるんじゃないかと思ったんです。スクールやアカデミーに通う子は僕が何をしなくてもバスケにのめり込んでくれると思うんですが、大事なのはバスケットを知らない子どもたちにどれだけ普及させていくか。女子では引退後にそういう活動をしている方が多いんですが、男子で代表のキャリアがある選手はそういう人があまりいないんですよ。そこに自分のモチベーションが高まるのを感じました」

3x3をプレーしながらバスケットの普及活動にも取り組んでいる [写真]=加藤誠夫

 渡邉が普及活動で強く感じたのは、部活動の文化が今なお根強いことだ。「礼儀やマナーを教わることなど、いいところもたくさんある」と部活動がもたらす利点も認めた上で、渡邉は選手としての向上はもとより1人の人間としての成長にも目を向け、部活動では得難い体験を子どもたちにさせたいと語る。

「日本はやっぱり『やらされてる』感が強いんです。スポーツはイマジネーションや、自分から発信すること、仕掛けることが大事。NBA選手で言えばルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)やリッキー・ルビオ(フェニックス・サンズ)のような、自分でクリエイトできる選手を作れればいいなと思ってます。それに、いつかバスケットから離れてしまう人もいると思うんですよ。それでも、生きていく術を見つけたり壁にぶつかっても乗り越えていけたり、その方法をバスケットの経験から学んでもらえたらという想いもあります」

 子どもたちを対象にしたクリニック事業などで全国各地を飛び回っていると、子どもたちだけでなく親や指導者も反応が良く、そのことで渡邉はさらにやり甲斐を感じているという。

「子どもたちはワーワー言いながら楽しんでくれてますし、親御さんも『今まであんな顔してバスケしてるのを見たことがない』と言ってくれる。そういう言葉を聞くと、1日だけでもそういう時間を子どもたちに作ってあげないといけないと思いましたね。1回やると『また来てください』と言ってもらうことも多くて、求めてくれる人が多いのも実感します。今は個人的な活動なんですが、これからはBリーガーで引退する人も出てくるので、彼らのセカンドキャリアの受け皿にもなればということも考えてます」

 そしてもう一つ、渡邉が熱意を持って取り組んでいるのがスペシャルオリンピックスに関わる活動だ。ドリームサポーターという地位に就き、今年3月にはアブダビ(アラブ首長国連邦)で開催されたスペシャルオリンピックス世界大会で日本選手団に帯同した。そのきっかけになったのは、A東京時代に都内の特別支援学校に招かれたこと。障がいのある子どもたちとの触れ合いもまた、渡邉の琴線に触れたのだ。

スペシャルオリンピックスのドリームサポーターを務める一面も [写真]=加藤誠夫

「一緒にバスケットをしたりハグをしたり、たまにヒゲを引っ張られたり(笑)というふうに、子どもたちとはいつもどおりに接しただけなんですが、先生方からは『また来てください』って何回も言われて結局4回くらい行ったんです。そこでやっぱり先生方や親御さんの気持ちを感じ取って、誰にでも平等に、壁を作らずにスポーツの良さを伝えていくべきなんだと思いましたね。それで、ドリームサポーターのお話をいただいた時はすぐに引き受けました。アブダビは本当に盛り上がってて、障がいを持つ子の親御さんはたぶんいろんな辛い思いをしてきたと思うんですが、心の底から楽しそうにしてたんです。でも、こんな素晴らしい世界があって、他の国はいろんな競技のレジェンド級の選手も来ていたのに、日本はスポーツ庁の鈴木大地長官とその周辺の方が来ていただけで、メディアは1人もいなかった。それなら僕が少しでも発信して知ってほしいと思ったし、日本にはまだ足りない温かみのある場所を作るきっかけになればと思います」

 これまでもオープンマインドかつクリエイティブな思考を持つアスリートを迎え入れてきたSTANCEは、渡邉の活動にも進んで協力する意向を示している。スポーツの、バスケットの持つ魅力を伝えようと日本中を駆け回る渡邉のライフワークは、これからますます光を放っていくことになりそうだ。

「誰にでも平等に、壁を作らずにスポーツの良さを伝えていくべき」 [写真]=加藤誠夫

文=吉川哲彦
写真=加藤誠夫

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