Bリーグの幕開けとなる記念すべきカードは、リーグ統一前にそれぞれのリーグで何度も頂点を極めた強豪同士の対戦が組まれた。国内バスケでは稀有なテレビ地上波生中継もされるなど、新時代の到来を告げる一戦だ。
アルバルク東京はジェフ ギブスやマイケル パーカーら主軸が抜けたものの、日本代表の中心選手の1人である竹内譲次とNBA経験のあるディアンテ ギャレットを獲得。既存の松井啓十郎や田中大貴らと併せ、選手層は厚い。
琉球ゴールデンキングスも負けてはいない。波多野和也やモー チャーロを獲得し、安定感のあるガード陣を支える盤石の布陣を敷いた。
サイズも含めた個々の能力ではA東京が優位に立つ。竹内とギャレットのプレースタイルがチームの戦術と噛み合えば、相手に的を絞らせない多彩なオフェンスを展開できる。一方、チームの連係では琉球に一日の長がある。中でも、チーム9年目を迎えるアンソニー マクヘンリーの存在は大きい。攻守ともチームプレーに徹し、状況判断にも優れたマクヘンリーの働きが、琉球の強さの源だ。
カギを握るのはディフェンス。A東京は高さでプレッシャーをかけられるかどうか。また、隙あらば迷わず打ってくる岸本隆一や喜多川修平らの3ポイントへの対応も必要だ。琉球としては、外国人だけでなく波多野や大宮宏正がリバウンドに絡みたい。見どころ十分のオープニングゲームでは、白熱した攻防が繰り広げられるだろう。
文=吉川哲彦