2017.07.21

女子高生が語るバスケとBリーグ。「一度見れば絶対に好きになる!」

女子高生ボーカルダンスユニット「J☆Dee’Z」。Nono、ami、MOMOKA(左から) [写真]=浦正弘
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Bリーグ2016-17の5会場(富山、北海道、新潟、秋田、栃木)で計8回のハーフタイムライブを行ったJ☆Dee’Z(ジェイディーズ)。この「B Live Tour 2017」をとおして、女子高生ボーカルダンスユニットの目に映ったバスケットボール、そしてBリーグとは? 彼女たちのフレッシュな視点や発想をぜひご覧ください!

インタビュー=村上成
写真=浦正弘、Bリーグ

――まずは「B Live Tour 2017」の実施が決まった時の感想から聞かせてください。
MOMOKA Bリーグでライブをやらせてもらうからには、たくさんの方に見てもらえますし、J☆Dee’Zのことを覚えてもらいたいという気持ちもあったので、私たちの新しい挑戦の場として「やった!」という話になりました。
Nono 私たち、『Answer』という曲でボディーパーカッションダンスというものをやっていて、バスケットボールをついた時に音がするじゃないですか? そういう共通点もあってレベルアップにもつながるかなと思い、今回はバスケットボールを使ったライブパフォーマンスにも挑戦しました。

――ボディーパーカッションダンスとはずいぶん違いがありそうですね。
ami ボディーパーカッションは自分の体で音を鳴らしていましたが、ボールは上手に扱わないと自分の体から離れていくし、球体だから転がっていってしまって……。
MOMOKA どこに行くのかわからないしね。本当に素人なのでドリブルの仕方もわからないし、足の下を通すことも全然できずに3人ともすごく焦っていました。

ボールを使った演技も披露 [写真]=B.LEAGUE

――普段得意としているダンスとは……。
ami 何もかも違いました! 始めはドリブルすらできなかったし。
MOMOKA 「ボールが1個加わるだけでこんなに変わるんだ!?」ってビックリしました。
Nono 自分たちだけではわからない部分があったので、何度かバスケットボールを使ってパフォーマンスをしている先生に教えてもらったりもして。
MOMOKA 先生はボールが体の一部になっていて、それを自分たちのものにするのに必死でしたね。
Nono レッスンの次の日は足がもうパンパンで筋肉痛になっていて……(苦笑)。

Nono


 

――日々バスケットボールを使ったパフォーマンスを上達させ、「B Live Tour 2017」のスタートは富山でしたね。会場はどんな雰囲気でしたか?
MOMOKA 富山を一言で表すと「温かさ」ですね。初めてだったので自分たちもわからないながらだったんですが、ツアーを振り返るとすごく温かかったなって印象がありますね。
ami 最初だったから見るものすべてが新鮮で、富山で一番印象的だったのが「赤」でした。あっちからこっちまで会場すべてが「赤!」みたいな(笑)。
Nono 選手のユニフォームもチームカラーの赤だったから全体に一体感があったよね。

――初回ということでパフォーマンスは緊張したんじゃないですか?
ami もう緊張しまくりで。しかも体育館でしたから。
MOMOKA そう、体育館というのが緊張したよね。私たちがライブするのってほとんどがステージだし、お客さんに360度から見られる環境なんて立ったことなかったですし。

――各会場で試合をご覧になられたと聞きました。富山グラウジーズの中で気になった選手は?
Nono 私は宇都(直樹)選手です。チームプレーがすごいなと思って。仲間を思うというか、仲間にゴールをさせるためのパスをするのが多く見えて、心もすごく格好いいんだなと思いました。
MOMOKA 私は水戸(健史)選手。キャプテンだから責任感が強いというか、ちょっとミスがあっても「俺についてこい!」という雰囲気があって、背中がそう物語っていました。強さを表情に出してはいなかったけど、見ていて感じるところがありましたね。
ami 私は比留木(謙司/現三遠ネオフェニックス)選手です。身長が高いところもありますけど、私、なぜかずっと比留木選手を見ているですよね。ずーっと見ちゃう(笑)。パワーを武器にしている選手に目が行ってしまうのかもしれません。
 

――2会場目は北海道でした。
MOMOKA 私、「レバンガ北海道の『レバンガ』って何だろう?」ってずっと思っていて、会場に行った時に「ガンバレ!レバンガ!」って書いてあったんですよ。後ろから読んだら「ガンバレ」で(笑)。会場に行って初めて気づきました。
ami 特徴的だもんね、地域によって。

――北海道のアリーナの雰囲気はいかがでしたか?
MOMOKA 北海道はチームへの熱がすごいというか。
ami 愛がすごかったよね。
MOMOKA そう、愛がすごいから、会場がバチバチしていたよね。
ami 会場にいる人たちの愛が深くて。応援している人の愛が深いし、プレーしている人もその思いを背負っているから、見ているこっちがハラハラしちゃうというか。
MOMOKA アウェイ側へのブーイングもすごかったしね。スポーツだからそういうのもあるだろうなと思っていましたけど、初めてそれを目の当たりにして、一瞬とまどっちゃいました。
Nono でもライブの時は優しかったよね。拍手してくれたりとか。

――北海道で気になった選手を挙げるとすると?
Nono 私は多嶋(朝飛)選手です。
ami 一緒~!
Nono 本当にシュートをバンバン決めていたよね。その背中が格好いいな思ったのと、キャプテンということもあってみんなをまとめて、決められなかった時の心のメンテナンスもできていたり、そういうところがすごく素敵だなと思って。
MOMOKA 私は牧(全)選手ですね。絶対に勝ってやるって気持ちがプレーから出ていて、いい意味で相手チームへのオラオラ感もすごいし、積極的なプレーが格好いいなと思いました。シュートを外したらすごく悔しがるし、それも含めてプレーに命を懸けているんだなと思いましたね。

MOMOKA


 

――新潟が3会場目でしたね。
MOMOKA 新潟はすごく声が出ていたよね?
Nono 一人ひとりのボリュームが大きかったね。
ami 地域によって、拍手をメインに応援するところとかいろいろとある中で、一番声を重視しているように感じたかな。スクリーンでも強調していたし、体で感じるくらいの熱量があったよね。
MOMOKA 空気が熱い感じだったもんね。
ami 楽しい雰囲気と言うか、お祭りみたいな感じ。全員が全員、楽しくてイキイキしているイメージがあった。

――新潟アルビレックスの中で気になった選手は誰でした?
MOMOKA 五十嵐(圭)選手ですね。やっぱり上手だし、責任感もすごいし、見ていて気持ちよかったです。5月6日の横浜(ビー・コルセアーズ)戦でブザービートを決めたじゃないですか? あれも印象的ですね。
ami 私は佐藤(優樹)選手。私たちが見た試合は負けてしまったんですよ。その時に、キャプテンだし背負っているものがたくさんあるからか悔し涙を流していて。その姿を見て好きにならないわけがない(笑)。2日目は1日目の涙があったからか、動きがすごく変わっていました。
MOMOKA チーム全体の動きも違ったよね?
Nono そうそう。
ami チームの空気を1人で変えてしまう選手だなと思いましたね。
Nono 私はダバンテ(ガードナー)選手。かわいいんですよ(笑)。
MOMOKA 確かにかわいかった(笑)。
Nono 試合中にシュートを決めたんですね。でも、決まったと思って自陣に戻ろうと振り返ったら実は入っていなかったんですよ。そうしたら「オーマイガー!」って。下向いてガーンってなっていて、その姿がすごくかわいくてキュンってきましたね(笑)。

――みなさんのパフォーマンスについては?
MOMOKA 最初から意識していたことなんですけど、特に新潟あたりから気をつけたのが、ライブをするのがハーフタイムという時間なので、いかにお客さんを立ち止まらせるか。一人でも、少しでもいいから、私たちの熱が伝わってほしいなという思いがあったので、新潟から改めてエンジンを掛けてやっていました。
Nono 「みなさんこんにちは、J☆Dee’Zです!」の言い方を変えたり、「J☆Dee’Zです!」の部分にアクセントをつけて言ったり。
ami あと、新潟のアリーナは声が出ていたから、私たちのパフォーマンスの時も「手拍子お願いします」じゃなくて、「声出して!」ってお願いしたら、その分声を出してくれたよね。
 

秋田ノーザンハピネッツvs栃木ブレックス@秋田県立体育館

――4つ目の会場は秋田でした。
MOMOKA 秋田は一言で言うと「一体感」。選手入場の時、名前がアナウンスされた後にみんなで「オー!」って言うんですけど、全部地声でアリーナ全体が一体になっていました。
Nono 本当に、みんなが一つの声になるくらい合体した感じがすごかった。いつもみんなで声出しているんだろうなって感じだよね。
ami お客さんだけじゃなくて、チーム自体の一体感もすごいから、その雰囲気につられて応援している人にも一体感が生まれているのかなって思いましたね。
MOMOKA あと私たち、秋田ではゴールの下で試合を見させてもらったんです。「こんなにすごい場所で見せてもらっていいの!?」っていうようなところで。それすら人生初だったし、本当に「目に焼き付けなきゃ!」と思ってめっちゃ見ました。
ami 場所によって見え方がずいぶん違っていたよね。

――秋田ノーザンハピネッツの中で気に入った選手は誰でしたでしょう?
MOMOKA 17番の中山(拓哉)選手。
ami 私も!
MOMOKA だよね! 中山選手の信頼感はすごいよね。
Nono チームの選手みんなが頼っているというか、そういう感じが見えたよね。
MOMOKA アップの時のシュート練習からすごくて、入りまくるんですよ。その時から「あの17番の選手すごいな」って思っていたんですけど、試合になったらさらにすごくて。途中から入ってきた時にはみんなが中山選手にパス渡すし。
ami 中山選手はエースっていう感じがすごいからね。「この人にボールを託せば何とかなる!」っていう感じがすごく格好いいよね。
Nono 私は秋田のチームワークが気に入りました。だから「この選手!」っていうのではなくて、チームの雰囲気が一番好きになりましたね。

ami


 

栃木ブレックスvs千葉ジェッツ@ブレックスアリーナ宇都宮

――最後の会場は栃木で、相手は千葉ジェッツでした。
Nono 千葉、めっちゃ強かったよね。
MOMOKA あれはやばかった。
ami 決戦だよね。やっぱり千葉との試合って思い入れもあっただろうし、一番熱気があった気がする。
MOMOKA 地区優勝が決まるタイミングだったしね。私の印象として、栃木は「静かな熱」というか、みんなで声を出し合って応援するというよりは、静かに真剣に試合を見ているっていうのがすごく印象的。
ami 「静かな熱」だからこそ何か空気が違うというか。これまでいろいろと見てきたけど、「ワー!」って盛りあがっている時だけが熱気じゃないんだなって思ったよ。
Nono あと一つ驚いたのが、タイムアウトの時に応援団の方が声を掛けて、別に音楽が流れているわけじゃないにみんなで栃木の歌を合唱し出したんですよ。すごくチーム感があったし、地域によって熱のあり方が違うんだろうなって思いましたね。

――栃木ブレックスで最も目に付いた選手は誰でした?
ami 栃木では古川(孝敏/現琉球ゴールデンキングス)選手が私は好きです。あのパワーが。
Nono 私は田臥(勇太)選手と、ヘッドコーチのトーマス(ウィスマン)さん。トーマスさんはすごく優しくて素敵なんですよ。試合中、どう采配しようかコート上をウロウロしていたんですけど、その時に私たちと目があった瞬間、「ニコッ!」って笑ってくれて!(笑)
MOMOKA 私は須田(侑太郎/現琉球)選手。スリーポイントがすごかった。須田選手のスリーポイントでだいぶ点が変わったはずですよ。
Nono たくさんの試合を見て、チームの中で一人ひとりがなくてはならない存在というか、一人ひとりの存在が大きいからこそ、みんなが助け合ったり尊重し合って、バスケットボールってすごく素敵だなと思いましたね。
ami チームプレーでありながら個人プレーでもあるところが格好いいし、バスケットボールの魅力だなと思いますね。
MOMOKA 私も同感。それに、自分がこんなにハマると思っていませんでした。私はダンスしかやってこなかった人だからスポーツも運動神経もダメなので、こんなにハマるとは……って感じです。

――競技とリーグの発展のためにも、みなさんの同世代に対してももっとバスケットボールとBリーグを広めていきたいのですが、そのためにはどうすればいいと思いますか?
ami 私たちもハマったきっかけは生の試合なので、とにかく生で試合を観戦してほしい。一度見てもらえれば絶対に好きになる魅力がバスケットボールにはたくさんあるから。私も初心者だし全然プレーできるわけじゃないけど、見れば見るほど会場やチームの色の違いが分かってきて本当に楽しいから。まずは生で試合を見てほしいです。
Nono 私も同じ意見なんですけど、その案として、学校の校外学習とかでBリーグの観戦に行くのはどうかなって。単純に自分が見に行きたいだけなんですけど(笑)。
ami 行きたい、行きたい!
Nono それだったら、最初はバスケットボールに興味がない子でも、「ワー!」って盛り上がると思う。
MOMOKA 私も一緒です。私、本当に運動神経が悪くって、自分がプレーするのはあまり気持ち良くない……(苦笑)。だけど、Bリーグは見ているだけで気持ちが良かったり、選手同士の励まし合いとかを見ているとこっちも元気をもらったりする。映像だと限られた一部分しか見られないけど、やっぱり生観戦では見たいところが見られるし、会場の雰囲気も伝わるし、自分の目で見て耳で聞くその空気がとても素敵。
Nono すごいもんね、シュートが入るたびにみんなが「オー!」ってなるし。
MOMOKA バスケがこんなに熱いスポーツだとは生で見るまで思っていなかったよね。この楽しさは生で見ることで初めて知ることができたので、すごく「B Live Tour」には感謝していますし、ぜひ皆さんにも生で観戦してもらいたいと思います!

 

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