9月29日に2017-18シーズンの開幕戦を迎えるBリーグ。シーズンを占う上で欠かせないポイントは、やはりメンバー構成とヘッドコーチの采配だ。昨季チャンピオンシップ出場チームの地力に疑問を差し挟む余地はないが、それぞれに変化があっただけに勢力図が一変することも大いに考えられる。
強豪ぞろいの激戦区と言われる東地区も、多くのチームが体制を一新したことを忘れてはならない。昨季王者の栃木ブレックスは計6人が退団し、指揮官も交代した。中地区から移った川崎ブレイブサンダースとサンロッカーズ渋谷も主力を失い、レバンガ北海道も得点源がチームを去った。
その中で、アルバルク東京は補強に成功したと言える。日本人選手の層が大きく厚みを増し、大きな弱点は見当たらない。ルカ・パヴィチェヴィッチ新HCの戦略がカギになりそうだ。
上記5チームと対照的に、昨季の体制をほぼ維持しているのが千葉ジェッツふなばし。その高い完成度で昨季以上の快進撃が期待できる。
中地区には、昨季西地区を制覇したシーホース三河が移動。A東京同様に有力な日本人選手を獲得し、戦力的には中地区でも突出している感がある。ともに大幅な戦力の入れ替えがなかった三遠ネオフェニックスと名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、成熟度を高めて三河を脅かしたいところ。経験豊富な選手がそろった新潟アルビレックスBBも、新外国籍選手の出来次第では上位争いに割って入るだろう。
昨季の残留プレーオフに回った富山グラウジーズと横浜ビー・コルセアーズはともに新HCを迎えて巻き返しを図る。現有戦力と新戦力をどのように融合させるか、その手腕が試される。
戦力補強に最も積極的だったのが西地区の2チームだ。琉球ゴールデンキングスは大補強を敢行し、昨季以上に充実した戦力を整えた。B2から昇格した島根スサノオマジックも昨季51勝のチームをほぼ完全に解体する大改革に踏みきり、台風の目となる可能性を秘めたチームに生まれ変わっている。
同じ昇格組でも西宮ストークスはB2優勝メンバーがほぼ不変。サイズの不利をカバーするには、連係のさらなる強化が必要だ。もちろん、その他の関西3チームからも目が離せない。選手の入れ替えが多かった京都ハンナリーズと大阪エヴェッサに対し、滋賀レイクスターズが強い結束力を発揮すれば、西地区は大混戦の様相を呈するだろう。
チーム改造が功を奏するのか、路線継続が吉と出るのか。いずれにしても、大混戦になればなるほど面白くなるということだけは確か。昨季の下位チームの飛躍が、リーグを盛りあげる最大の要素だ。
文=吉川哲彦