レバンガ北海道との連戦は、川崎ブレイブサンダースからすればまさかの結果だったと言えるだろう。初戦に敗れただけでなく、2試合目も延長戦にもつれ込む接戦となった。さらに土曜、日曜ではなく、日曜、月曜と平日にかかった開催に加え、日本代表候補は地元に戻る前に合宿に参加、さらにさらに次節のホーム開催が金曜、土曜開催と、強行日程により余波も川崎を襲ったことも事実だ。
「疲労としてはさすがに厳しいものがあるなというのは正直なところですけど、その中でもしっかりと今日勝利できて個人的にはホッとしています」。10月20日、サンロッカーズ渋谷戦も最後までもつれ込む熱戦となったが、自身の決勝点で振りきった後のメディア対応で、篠山竜青は安堵の表情を見せた。
「(80点以上の失点など)まだまだディフェンスの部分で突き詰めなければいけないところはあります。最後の所は(ベンドラメ)礼生のミスではありますけど、ウチとしては良いヘルプとローテーションができていたからのスティールだったので、しっかり勝負どころで連動したディフェンスができたというのは1つ上に進めたと思う。もっともっと今日よりも明日これができればっていうところですよね」
チームは翌21日も篠山の決勝点でSR渋谷に勝利して、何とか連勝で第4節を乗りきった。同節終了時点で6勝2敗(得失点差で東地区4位)としているが、昨シーズンの準優勝チームは対戦相手のアタックに苦しんでいる印象はぬぐえない。それは一方的な勝利がなく、毎試合といっても過言ではないぐらい接戦が続いている。
「なかなか波に乗り切れない部分はやっぱりあります。シュートタッチの部分ではどちらかといえば苦しんでる選手の方が多いと思いますし、コンディショニングにしてもどこかが痛かったりとか。今年の北海道さんは良いなと印象を受けました。外国籍選手もそろってますし、水野(宏太)ヘッドコーチが就任してから、かなりディフェンスをハードにやってくるので、本当に力のあるチームだと思っています。ウチはコアメンバーは変わってないと言われますけど、(昨シーズンまでのジュフ)磨々道のところがイニシアチブを取れなくなってきて、去年のような楽なシーズンにはできないというのを北海道戦で皆んなが学びました。だからこそ、一人ひとりがもっともっと自分の仕事を徹底しなければいけないと感じた2試合だったと思います」
シーズンは確かにまだ始まったばかり。各チームとも戦力状況を手探り状態の中、ケミストリーの構築に腐心している部分もある。篠山は自チーム、そしてリーグの現状を語ってくれた。
「僕の印象では千葉が一番うまくいっているチームだとは思いますが、とにかくやってみなければわからない。ただ自分たちのバスケットができれば優勝争いに絡めるという自信は持ってますし、そこは揺るぎません。ここまでの試合を接戦にしてしまっているのは自分たちが原因のゲームもありますし、もう少し離せるところで離しておかなければいけないゲームももちろんあります。ただ、東地区になって相手のレベルが上がっているので、大差でスッキリ勝てないということがもどかしさにはつながっていません。東地区で戦うというのはこういうことなんだなと思ってますし、その中でもっとレベルの高い、精度の高いプレーをして2点、4点を争うゲームを今後は8点、10点とウチがリードする展開にしていければいいなと」
「(代表活動を含めたハードなスケジュールは)これまでなかったことなので、体力的にも精神的にもタフさを求められているのは間違いない。これからはこれがスタンダードになっていくと思うので、自分もアジャストしていかなければいけない。良いルーティーンを作って、良いパフォーマンスが継続して出せるようにすればいいと思います」
“超”がつくくらいポジティブな篠山は、やっぱり前向きだ。
文・取材=入江美紀雄