2018.01.14

熊本会場の熱気に負けない臨場感を体験! 次世代型ライブビューイング『B.LIVE in TOKYO』開催

Bリーグと富士通がチャレンジした次世代型ライブビューイング『B.LIVE in TOKYO』 [写真]=山口剛生
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 1月14日、『B.LEAUGE ALL-STAR GAME 2018』の開催に合わせて、恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール(東京都渋谷区)において、『B.LIVE in TOKYO』が行われた。メイン会場とは別のところで現場の雰囲気を楽しんだり、ひいきのチームを応援するパブリックビューイングはこれまでも行われてきたが、今回行われたB.LIVE in TOKYOは富士通の最先端ICTテクノロジーを活用した“世界初”のスポーツエンターテイメントだ。

 では何が世界初なのか? 5つの項目で新たな挑戦が行われたとのことだが、特に印象的だったのが、まるで目の前で試合が繰り広げられているかのような音と振動、そして映像の再現だろう。

 音に関しては、コートサイドと天井に設置されたマイクにより、熊本会場の声援を間近に感じられることができた。さらに床下の集音マイクと連動させることで、バスケ独特のドリブルやバッシュの音も再現されたという。

 また、バスケ独特と言えばドリブルなどで起きるコートの振動も重要なファクターだろう。これに関しては、攻守の切り替えに応じて振動が移動し、選手が近づいてきたり遠ざかっていく感覚が体験できた。

 そして、大型スクリーンに映し出されたクリアな映像にも驚かされた。これは4K映像と音声が高速配信することにより再現されているという。富士通独自のアルゴリズムにより高品質なリアルタイム映像伝送が可能になり、シーンに合わせて画質重視、スピード重視を選択し、まるで目の前で試合が繰り広げられているかのような映像を楽しめた。

まるで熊本の会場にいるような臨場感を味わえた『B.LIVE in TOKYO』[写真]=山口剛生

 以上の3点に加え、さらにエフェクト効果による魅力的な画像表現やスマートフォンのアプリを使った盛り上げによって、500人ものファンが駆け付けた会場は熱気に包まれた。

 さらにイベントを盛り上げたのがバスケイベントには欠かせないMC MAMUSHI、ゲストの中村昌也氏、サンロッカーズ渋谷から山内盛久ベンドラメ礼生の両選手にチアチームの“Sunrocker Grils”、マスコットのサンディ、これにDJ KENTARO、DJ HIFANA、DJ KIREEKの3氏のDJプレーも会場を大いに盛り上げ、改めてバスケットボールと音楽の親和性の高さを示すものになった。

バスケと音楽の親和性の高さを証明できたイベントとも言える[写真]=山口剛生

イベントを盛り上げた写真左からMC MAMUSHI、ベンドラメ礼生山内盛久、中村昌也[写真]=山口剛生

 イベント終了後、メディアの取材に応じたBリーグ常務理事・事務局長の葦原一正氏は「とにかく終わってホッとしている」と、安堵の表情を浮かべた。さらに「旧来型のパブリックビューイングから突き抜けて新しいことをやってみたいという想いの中、こういうやり方もあるんだよというのは提言できたと思う。最初は初めてのことなのでお客様もどぎまぎしている感じも正直あったかと思ったが、雰囲気も途中からほぐれてきて、新しいチャレンジをお伝えすることはできたと感じた」と、手ごたえを感じたようだ。

 また今回のイベントを技術面で支えた富士通のビジネス企画・推進統括部長の小山英樹氏は「システム面に関しては問題なくオペレーションができ、大きなトラブルもなかった」と、事故なくイベントが終了したことを一番にあげた。加えて、「ライブビューイングということで、音楽をメインにしたい方と、バスケを本格的に見たいんだという方も両方いらっしゃる想定で、クォーターごとに演出に強弱をつけることは当初の企画どおり。どっちがいい悪いのではなく、バリエーションをつけて良かったと思っている」と満足気な表情を浮かべた。

 現在、各クラブはアウェーゲームで収益化ができていない。今回試された次世代型ライブビューイングが、新たな利益を生む可能性があることを示せたイベントだったと言えるだろう。来年のオールスターが富山市で行われることも決定しており、Bリーグがまた何か面白いことに新しいことにチャレンジするかもしれない、と十分思わせてくれる1日となった。

文=入江美紀雄

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