2018.02.12

たった1人の日本人PFとしてチームを支える佐藤託矢「出るからには言い訳できない」

黒子役としてチームを支える横浜の佐藤[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 2月10日に横浜国際プールで行われた横浜ビー・コルセアーズ島根スサノオマジックの対戦は、83-70で横浜が勝利。得点力不足に悩まされてきた横浜だが、2018年に入ってからは得点が伸びる試合が多く、この日は特に2ケタ得点の日本人選手が4人を数えた。

 その中でも、3ポイント2本を含む10得点をマークした佐藤託矢の存在感は光った。ケガの影響で年明け最初の2試合を欠場し、前節も強行出場だったという佐藤。この日もコンディションはまだ完全ではなかったが、チーム唯一の日本人インサイドプレーヤーとして波多野和也と見応えのあるマッチアップを披露した。ただ、本人は決して自身の出来に納得していない。波多野が川村卓也とのマッチアップでペイントエリアを攻め立てたことを受けて佐藤がコートに立ったが、「1対1でやられた感覚はあまりない」(佐藤)ものの、最終的に波多野は13得点を挙げている。「自分の得意なディフェンスがあまりできていなくて、第1クォーターと第3クォーターの得点は負けてしまった。結果的にシュートが入ったので良かったように見えますが、自分の仕事はできなかったかなと思います」

第1戦の出来については、10得点を挙げるも悔しさをにじませた[写真]=B.LEAGUE

 どのチームにおいても、日本人インサイドプレーヤーは重要な役割を担う。佐藤自身、「他のチームには帰化選手もいる中、ビーコルは自分1人。ちょっと痛いと思っても試合には出ないといけないし、出るからには言い訳できない」と、その重要性をよく理解している。それだけに、自身がコートに立っている時も波多野に得点を許してしまったことを悔やんでいた。

 また、日本人インサイドプレーヤーは、出場機会がオンザコート1のクォーターに限られることが多い。この日のように外国籍選手にファウルトラブルが発生した場合、佐藤の出番はもっとあっても良いのだが、結局佐藤がコートに立ったのは第1、第3クォーターのみにとどまった。試合終盤の勝負どころで佐藤が果たせる役割もあるように感じられるのだが、得点よりディフェンスに意識を傾けている佐藤自身は黒子に徹する決意だ。

 「ビーコルの外国籍選手は3人ともそれぞれ特色があって、良い選手。JP(ジェフリー・パーマー)が3番ポジションに入るのは練習でもやっていないので、第4クォーターに僕が入ってしまうとうまく回らないかなと思います。僕は第1クォーターと第3クォーターに自分の仕事をして、彼らに良い流れを受け渡したいという気持ちでいます」

文=吉川哲彦

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