2018.03.21

「ラストチャンスにかける!」チアリーダーの最高峰NFLのオーディションに挑戦するKEIKOさんインタビュー

NFLのオーディションに挑戦するKEIKOこと、本田景子さん
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

バスケットボール日本代表オフィシャルチアリーダーズ“AKATSUKI VENUS”で活動するKEIKOこと、本田景子さんが、4月に行われるNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のチアリーダーのオーディションを受けるため、渡米を決意した。現在35歳のKEIKOさんがなぜ今、新たな挑戦を決めたのか、早速お話を聞いた。

取材・文=入江美紀雄
写真=山口剛生

初めて見た時のワクワクドキドキ感と笑顔が忘れられなくて


サンロッカーガールズでも活躍したKEIKOさん[写真提供]=サンロッカーズ渋谷

――NFLのチアリーダーのオーディションでアメリカに行かれるとうかがいました。年齢的にもラストチャンスだと思いますが、なぜ今トライしようと思ったのですか?
KEIKO 一度2010年にロサンゼルス49ersのオーディションにトライしていて、セミファイナルまで進んだのですが残念ながら落選しました。それでも夢は諦めなかったのですが、一方で自分の実力不足も感じたので、日本でもう少し磨かなければいけないなとも思っていました。そんな時に出会ったのが、サンロッカーガールズのディレクターをされていたナオ(石井尚子)さんです。ナオさんはNBAのオクラホマシティー・サンダーに所属されていたことがあり、その方から色々と学ばせていただきました。そうして、“AKASTSUKI VENUS”として日本代表にもなれたので、もう海外に挑戦するしかないと決心しました。そのままにしていても時間は過ぎてしまうので、自分にケジメをつけようとも思ったこともあります。

――チアリーダーになろうと思ったのが高校3年生の時だとか。
KEIKO 大学受験の年に大学の文化祭でチアリーダー部を見たことと、テレビでも見て影響されたのがきっかけですね。「ここで輝きたい」って決めました。ただ入った学校にチア部はあったのですが、テレビで見たイメージと違っていて。これなら大学の4年間は自分でダンススクールに通って、スキルを上げたほうがいいと思いました

――どうしてそこまで思い入れが続いたのでしょう?
KEIKO やはり最初に見た時のワクワクドキドキ感やあのキラキラした笑顔が忘れられなくて。自分もそういう気持ちを見ている人に与えられる存在になりたいなという憧れがあったのだと思いますね。

――なかなか執念深いですね(笑)
KEIKO 結構執念深い性格だと思いますが(笑)、だからこそ数々の素晴らしい経験ができましたし、結果を出してこれたのかなと思います。今はお客さんの前で踊るというワクワクドキドキもありますが、自分たちのパフォーマンスを見て、それで感動してもらえたら最高だなって思っています。チアはやっぱり“笑顔”というイメージがあると思うのですけど、私たちが最高のシンクロ性だったり高度なパフォーマンスを見せることで、見ているお客さんも笑顔になってくれたら。笑顔の連鎖があるのもチアリーダーの魅力とも思います。

――笑顔を含めて、チアリーダーに欠かせない要素、チアリーダーを目指すならこれは持っていた方がいいスキルは何ですか?
KEIKO 一番は笑顔。それに常に前向きポジティブな姿勢。元気。これが一番大事だと思いますね。また、日頃からあいさつだったり、日常生活でのマナーもとても大切だと思っています。ダンスの前に礼儀とも言えます。一番の基本です。

これまでお世話になった会社には言葉では言い尽くせないほどの感謝

13年間働いた会社には言葉に言い尽くせないほどの感謝があるという[写真]=山口剛生

――コンディショニングの維持に気を付けていることは何ですか?
KEIKO 私の場合、コンディションを整えるのは日課と言いますか、それが日常という感じです。食事を含めて、トレーニングは体に染み込ませるぐらいやっていますね。地道なトレーニングが多いので、普段も家でトレーニングをしています。

――自分のコンディションを維持するのは、自分の衰えを止めるためですか? 若いころだったら少し休めばリカバリーできていたものが、今の年齢になるとなかなかできないので、普段の生活からちゃんとしておこういうことですか?
KEIKO そういうことです。見ているお客さんには年齢のことは全く関係ありません。20歳の子たちと同じようにパフォーマンスしなければいけない。年を経ているからといってパフォーマンスを下げるわけにはいかず、若い子たちがやっていることの倍以上は努力だったり意識はしなきゃいけないと自分に言い聞かせて頑張っています。

――ただ、“魅せる”ためにはお客さんの気持ちをつかむなど、パフォーマンスだけではないスキルというか経験も必要ですね。
KEIKO それに関しては、一番経験を積めている今が一番かなと思います。いろんな世界を見てきたので、どんな時でも臨機応変に対応できますし、若い時ってどうしても元気だったり勢いに頼ることが多いと思いますが、「心は熱く頭は冷静に」ではないですけど、俯瞰で試合とお客さんを見ながら応援することができるようになってきたと思っています。

――これまでで一番印象に残っている大会や試合は何ですか?
KEIKO Xリーグ(日本社会人アメリカンフットボールリーグ)のナンバー1を決めるJAPAN X BALLです。東京ドームで行われたのですが、2万人を超える観客の中、グラウンドから見る景色は圧巻で、感動して涙が出ました。当時目標としていたことでもあったので、「夢が1つ叶った」と思いました。チアリーダーを始めた年でもあったので、印象的で今でも忘れられません。

――OLをされているとか。
KEIKO 商社で貿易事務をしています。会社にはずっと応援していただきました。会社によっては両立が難しいところもあるのですが、私の所属している会社は、新卒で入って13年目ですけどずっと応援してくれていますし、有給で休まなければいけない時も、皆さんでサポートしてもらいました。それがあったので、今まで続けられたと思います。

――仮にNFL行くようになったら会社はどうされるんですか?
KEIKO もう退職する手続きを始めました。今回は覚悟を決めて行くので退路を断ちます。本当にこの会社には感謝感謝です。

――NFLで踊る夢が叶ったら、その先はどうされるのですか?
KEIKO 合格して経験したのちは、アメリカで学んだダンスを日本に帰ってきてキッズや大人に教えたいと思っています。また、私はもともとトレーニングが好きなので、トレーナーを目指したいとも思っています。アメリカに比べると日本はまだまだというか、日本のスポーツ界を盛り上げたいなと思うので、スポーツマーケティングの仕事もしてみたいと思っています。そのためにも夢を叶えたいです。

――渡米はいつなんですか?
KEIKO 4月上旬を予定しています。オーディションは下旬になりますが、まずは時差ボケを直して、コンディション整えて、万全の準備を行いたいと思っています。

――朗報をお待ちしています。

チアリーダー引退後もその経験を活かしながら、新たな挑戦を思い描く[写真]=山口剛生

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