9月7日に豊橋市総合体育館にて「B.LEAGUE EARLY CUP 2018 TOKAI」が開幕。名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、1回戦でアースフレンズ東京Zと準決勝進出を懸けて対戦した。

　試合は序盤から名古屋Dが足を使った激しいディフェンスで相手を圧倒していく。相手のミスを素早い展開であっという間にスコアにつなげていき、時間が経つにつれてリードが広がっていった。ベンチ入りの9人の選手たちをタイムシェアでコートに出場させながらも勢いが止まらず、B1としての意地を保ったようにも見えるゲーム展開に。最終的には97－77と相手を圧勝し、準決勝で地元・三遠ネオフェニックスと戦う権利を得たのである。

　名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは非常に満足した形で記者会見に臨んだ。「このアーリーカップは自分たちがやるべき事を徹底しようと伝えて臨んでいる中で、相手の最後まで諦めないディフェンスに関しては尊敬の意に値するし、自分たちにとってもすごく良いゲームになった。次のゲームではB1のチームと戦うわけだが、今日と同じように戦うだけ。今シーズンは昨シーズンよりも進化した形を見せたいという想いの中で、シーズン始まってからチーム一丸となって日々過ごしている。Bリーグで一番早くて相手に脅威になるようなカラーを見せていきたい所で昨シーズンの課題であった失点の多さを克服するために、前からプレッシャーをかけ続ける形も行なっている。その中で新加入した選手が活躍したのが非常に良かった点であり、全員が生き生きしながらプレーしている姿には満足している」と笑顔が非常に絶えなかった。

　新加入の選手の中でこのゲームでは22得点と大暴れ、風貌もワイルドになった満田丈太郎は「前半は良かったが、後半に入ってディフェンスの強度が少し落ちてしまったのを改善していかないといけない。シーズンを考えた中でもっと強い相手を想定した際に、ディフェンスの強度をいつでも落とさない事が大切だと思う。実は今まで練習試合で調子が良くなくて、今日はなんとか結果を残せたけど、これを続ける事が大事になってくると思う。同時に強い相手にも同じようにできるのが大切だとも感じている。そういう意味では次の2日間が非常に重要なゲームになってくる。ヒゲに関しては伸ばしてみたら、周りから意外と似合うねと言われたので自然とそのままにしている感じです」と現状に満足せず、常に前を向いている印象を持った。

　なかなかペースをつかめず、苦しんだゲームとなってしまった東京Zの古田悟HCは「今までディフェンスを鍵にチームを作りあげてきたが、相手の早い展開に乗っかってしまい、常にペースを握られてしまったゲームだった。でも戦えた部分もあったし、大きな経験や自信を得たゲームだったと思う。オフェンス面では今シーズン初めて外国籍選手を同時に2人出場させて、スコアもそこで取れたし、もっと精度を上げていけば日本人選手のアウトサイドも活きてくるというのも分かった。それでもディフェンスで自信を持ってやってきた事がB1のチーム相手だと、まだまだ甘さはあるし、改善しないといけない部分もたくさんあると実感した。次のゲームでは今日みたいな展開にならないように準備して、今日以上のディフェンスを見せていきたい」と手応えと反省の両方を感じた様子だった。

　日本人の得点源として期待が寄せられているシューターの西山達哉は「正直、今シーズンは外国籍選手の合流が8月末でチームのメンバーがそろうのが遅くて、まだまだ完成度としては低かったと思う。先週プレシーズンマッチをして、徐々にいい形になって来た中でやはりB1相手だとできる部分はあったけど、できない部分が多くあった。そういう意味でまだまだかなという印象。でも、ここから時間を経過すると共に伸びていくし、詰めていく部分も多いというのはポジティブに捉えて良いと思う。今日のゲームを戦って、より練習でやらないといけない事が明確になった。次のゲームは大事になると思っていて、負けられないし、自分たちの意地を見せて勝ちに行きたい。」と前向きな表情を見せていた。

文＝鳴神富一