2018.10.21

33歳の今もなお成長を続ける竹内譲次「日本代表、その後に続くオリンピックのために」

20日の川崎戦で、18得点12リバウンドの活躍を見せた竹内[写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)。学生バスケをテーマにしたCM制作に携わったのがバスケに関する初仕事。広告宣伝・マーケティング業務のキャリアが一番長いが、スポーツを仕事にして15年。バスケどころの福岡県出身。

 10月20日、Bリーグ第4節が行われ、東地区2位のアルバルク東京はホーム、アリーナ立川立飛に中地区2位に位置する川崎ブレイブサンダースを迎えた。開幕から5試合を終え、互いにここまで4勝1敗と、今シーズンも順調に勝ち星を挙げているA東京と川崎。A東京は前節の栃木ブレックスに続き、リーグ屈指の難敵との対戦となった。“アルバルクハロWEィン”と題したこの日、赤と白のボーダー柄を身にまとい、そろって『ウォーリーをさがせ!』のキャラクターに仮装した大勢のファンへ勝利を届けたいところだ。

赤と白のボーダー柄を身にまとったファン[写真]=B.LEAGUE

 試合はリーグを代表する強豪チーム同士の対戦らしく一進一退の攻防が続くも、第3クォーターに抜けだしたA東京が89-67と川崎を撃破。試合後の会見でルカ・パビチェビッチヘッドコーチが「今日は強い川崎相手に自分たちらしさが出た戦いができ、ディフェンスでリズムをつくり、高いインテンシティ(プレーの強度、高い集中力)で40分戦うことができた」と語ったとおり、激しい守備で川崎にプレッシャーをかけ続けたA東京が22点差をつけ、見事な勝利を収めた。

 前節の栃木戦で18本のオフェンスリバウンドを奪われたA東京は、その反省を活かし、インサイド陣が奮起。川崎のオフェンスリバウンドをわずか6本に抑えたことも勝因の1つとなった。このインサイドの中心になったのが、日本代表にも名を連ねるベテランの竹内譲次だ。竹内はゲームハイの18得点に加え、12リバウンドをマークして“ダブルダブル”を達成。守備面でも川崎のバーノン・マクリンシェーン・エドワーズに対し、体を張った素晴らしいディフェンスを披露した。

 試合後の取材に応じた竹内は「水曜日に(栃木との試合で)負けた後の試合だったので、連敗してはいけないという多少のプレッシャーはありました」と述べつつ、「ルカHCから良いアドバイスをもらっていて、ディフェンスから流れをもていくことが自分のやるべきことだと思っていた」と自身の役割について明らかにした。その言葉どおり、屈強な外国籍選手にも当たり負けしないフィジカルと、的確なポジショニングで、守備の要としてチームの勝利に貢献。ルカHCに「竹内はディフェンスでもオフェンスでも高いレベルでプレーできる能力を持っている選手」と言わしめる大活躍を見せた。

外国籍選手に対抗できる竹内の存在は、A東京にとって大きなアドバンテージと言える[写真]=B.LEAGUE

 ベテランの域に差し掛かる竹内だが、昨シーズンのリーグ優勝への貢献はもちろんのこと、日本代表でも八村塁(ゴンザガ大学)、渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)ら若い戦力の台頭に刺激を受け、33歳になった現在もアグレッシブなプレーを続ける様子は、キャリアの後半と言うのをはばかられる勢いを感じさせる。まだまだ成長を続ける竹内にモチベーションの維持について問うと「Bリーグだけではなく、日本代表、その後の東京オリンピックにもつながってくると思いますし、リーグで成長したことを日本代表に還元したい」と明確なビジョンを持ってリーグ戦に臨む姿勢を見せると、「オンザコートルールが変更になり、外国籍選手とマッチアップする選手も格段に増えて、その中でレベルアップできるのではないかと思っています」と続け、「様々な外国籍選手とのマッチアップして競い合えるという環境は非常に良いものだと思います」と語る。竹内は新ルールによる新たな環境を、自身の成長にとって前向きに捉えているようだ。

 Bリーグの外国籍選手と唯一対等に渡り合える日本人ビッグマンである竹内の存在が、A東京の大きなアドバンテージであることは言うまでもない。厳しくも温かい指揮官の元、チャンピオンチームで成長を続ける姿は、ベテランの域に達しても選手としてレベルアップを重ねることが可能であることを証明した。

 八村、渡邊らの招集が難しいと予想される11月30日、12月3日の日本代表アジア地区2次予選では、竹内がコンディションを崩さず、リーグ戦の中で、さらなる成長を続けることが、勝利を左右する重要な要素になりそうだ。

文=村上成

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