2018.11.17

チームオフェンスを遂行したシーホース三河、西地区首位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズを撃破

両チーム最多25得点を挙げた金丸晃輔 [写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 比江島慎(ブリスベン・ブレッツ)、橋本竜馬琉球ゴールデンキングス)とチームを支えてきた選手が移籍し、新たなスタイルで今シーズンに臨むシーホース三河。シーズン序盤は苦しい展開を結果として強いられる中、徐々に上向きな状態になってきている。11月16日に行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの一戦では第2クォーターに相手を一気に突き放し、そのリードを保ちながら後半も戦い、87-71と最終的に逃げきった。開幕戦で連敗を喫した、好調をキープしている名古屋Dにリベンジを果たし、いよいよチームとして反撃の狼煙を上げた格好だ。

 チームの状態が良くなってきた理由を、チームでオフェンスを展開できるようになってきたと鈴木貴美一ヘッドコーチは語る。

「アーリーカップの前にチーム練習をしていて、チームケミストリーを早くできていたので、昨シーズンとは違って面白いなと思っていました。しかしシーズン序盤の強豪との対戦で、オフェンスの部分でチームではなく、個人でプレーしてしまっていて自分たちのチームらしさが見えていませんでした。昨シーズンよりもディフェンスの意識を上げていたが、それ以上にチームでオフェンスを展開することができずに苦しみました。今はそれができるようになってきた感じがしています。今日はいいディフェンスもできたし、オフェンスも良かったのでこれを続けないといけないと思っています。今日のようにベンチメンバーも含めて全員がプレーできるとゲーム展開も非常に楽になります。ベンチメンバーのがんばりがないと、ゲームの流れが悪くなって相手に流れを渡してしまう。今日のような展開が理想なので、こういう試合をできるだけ多くやっていけるように練習から努力していきたいと思います」

 チームでオフェンスを展開できたという裏付けとして、アシスト数が20個、さらにはペイントエリア以外での得点が87得点中55得点、3ポイントシュート成功率が47パーセントという数字が物語っている。

19得点9リバウンド4アシストのジェームズ・サザランド

 この日25得点の大活躍を見せた金丸晃輔もオフェンス面の良さで勝利を収めることができたとコメントした。

「今日はチーム全体でオフェンスが展開できたと思っています。特にシーズン序盤よりもフロアバランスが非常に良くなってきました。さらに今はチーム全員がボールを持ったらまずリングを見て、シュートを狙っていく姿勢が見えてきていると感じていて、その意識の変化はいいことだと思っています。シーズン序盤は若手が少し萎縮してしまっていた部分があったと、僕が見ている中で思っていました。いい場面でもシュートではなくパスをする相手を探していたような感じでしたが、今はそういう姿は見受けられずにみんな攻め気を出して、空いたら打つというスタイルになってきていると思っています。加えてディフェンスもしっかりとがんばるという部分も見えてきていて、攻守で自分たちの役割を個々がしっかりと理解もできているし、今は非常に状態だと感じています」

 ディフェンスをがんばるという部分でも、昨季よりも平均失点が4点減っており、攻守両面で自分たちのバスケットをシーズン序盤よりも少しずつできるようになってきた。このゲームで勝敗を五分に戻した三河。上向き状態のチームはここから着実に上に登っていくに違いない。三河の反撃が始まる。

文・写真=鳴神富一

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