2018.12.25

JBAやBリーグなど4団体をつなぐ新会社設立へ、スポーツ界にとっての新たなチャレンジが始動

会見に出席したJBAの三屋裕子会長ら
バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)。学生バスケをテーマにしたCM制作に携わったのがバスケに関する初仕事。広告宣伝・マーケティング業務のキャリアが一番長いが、スポーツを仕事にして15年。バスケどころの福岡県出身。

 12月25日、都内でBリーグの理事会が開催。公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)、B.MARKETIG(Bマーケティング)株式会社、一般社団法人ジャパン・バスケットボールリーグ(B3リーグ)の4団体の相互をつなぐ「ハブ」会社として、2019年1月1日付でバスケットボール・コーポレーション株式会社(通称Bコーポ)が設立されると発表された。Bコーポはステークホルダーの異なる各団体を1つにまとめることで、各団体に所属する職員の一体化による組織力強化、人材育成などに取り組む。

 会見に臨んだJBAの三屋裕子会長は、ガバナンスの強化や競技力の向上を評価した一方、「足元を見た時に、人に仕事が張りついていないかが気になっていた。『BREAK THE BORDER』と言っているわりに、JBAはBリーグが何をやっているのか知っているのかなど、それぞれの団体が本当に『BREAK THE BORDER』できているのか……。みんながそれぞれの仕事を理解しないと“オールバスケットボール”というものが作れないのではないかという懸念があった」と口にした。

 続けて「今まではコストベースでものを語りがちだったが、プロフィットベース(収益ベース)でようやくものが語れるようになった」と、新たなステージへ進んだバスケットボール界への期待を表した。

 また、Bコーポの代表取締役に就任するJBAの田中博道事務総長は、現時点では参加が決まっていない一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(Wリーグ)や一般社団法人日本社会人バスケットボール連盟(JSB)の参画にも意欲を示した。

「Bコーポの設立はスポーツ界にとって新しいチャレンジ。今はサッカー、バレーボール、ハンドボールなどそれぞれに中央競技団体とリーグがあり、それぞれが別々に活動している。バスケットボール界ではBコーポをハブの会社として、“オールバスケットボール”で活動していきたいと考えている。人材の流動化、将来的にはWリーグやJSBなども全部入れていきたい」

 Bコーポ設立の目的やメリットがわかりにくいかもしれないが、新しい座組が実現することにより、学生バスケやBリーグ、代表活動の日程などバスケットボールカレンダーが整備されることにも期待できる。また、これまではリーグ、JBAなどそれぞれの法人内での人事異動にとどまっていたが、人材の交流を図り、団体の垣根を越えることで、より多くの経験を積む仕組みが立ちあがることになる。これからバスケットボール界で働いてみたいという人や、もっとバスケットボール界を良くしたいという思いを持っている人にとって、その窓口が一本化されることは喜ばしいニュースと言ってもいいだろう。

2016年9月に誕生したBリーグ。早くも3シーズンに突入している [写真]=B.LEAGUE

 なお、今後のスケジュールは、2019年1月にBコーポの設立、総務・人事部門の移管。同時にJBAとBリーグは公益事業に特化される。同年7月に全職員がBコーポに転籍し、いよいよ本格稼働となる。Bコーポが単に各団体の総務・人事・経理代行の会社となるかどうかは、今後の動き次第。スポーツ界にとっての新たなチャレンジは、日本スポーツ界にとってのモデルケースとなり得るかどうか、今後の活動に注目しよう。

文=村上成

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