2019.01.24

富山を思う存分堪能! Bリーグオールスター2019体験記

1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 1月22日の朝、東京駅から北陸新幹線『かがやき』に乗車して向かったのは「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019」が行われる富山県富山市。この日は非常に快晴で新幹線の中からは立山連峰が非常に綺麗に見え、それを見るだけでも最高の気分になり、少し感動を覚えたのであった。

 乗車してから2時間半弱、富山駅に到着して改札に向かうとすでにオールスターゲームのタペストリーや看板などが多く設置してあり、さらに気持ちを高ぶらせてくれた。改札を出て時間があったので外に出ると、幸運にもオールスターのビジュアルに彩られた路面電車『セントラム』を発見。「これは乗るしかない!」と思い、早速乗車して向かった先はパブリックビューイング会場でもあるグランドプラザという場所。そこはパブリックビューイング会場となっており、オフィシャルブランドである「RUN THE FLOOR」のコンテンツが多くあった。コンテンツの1つである9フープスに挑戦したが、まさかの1本成功のみという不甲斐ない結果に。もっと練習しないといけないと感じつつ、駅前に再度移動して「白えび・寒ブリ・ホタルイカ」の天ぷらが乗った富山スペシャル丼を堪能。最高に美味しかったです!

 満腹のままアリーナへつながる地下道を歩くと、今回のオールスタービジュアルがあちこちに存在していて、私を含めて多くの人たちが一枚一枚写真に収めていた。セントラムやこれらのビジュアルなど街をオールスターゲームに染めあげる手法はシティドレッシングと言われるものであるが、会場に到着するまでの道のりも全てオールスターゲームで独占されていて、ただただ感銘を受けたのを今でも覚えている。

 富山市総合体育館に到着。すでに多くのファン・ブースターが駆けつけており、サブアリーナで開催されていたグルメフェスタへの道のりは険しいほど長蛇の列をなしていた。私も行こうと思ったが、実はメディア受付も長蛇の列になっていて改めてこのオールスターゲームの関心の高さを見受けられた瞬間でもあった。アリーナではB1チーム全てのマスコットが集結、コート中央でいつものように自由気ままに遊んで(?)おり、少し気持ちがほっこりしたのであった。取材をしながら、本番のゲームの前に開かれるコンテストをしっくりと見たり、最初に行けなかったサブアリーナのグルメフェスタに移動。こちらも本番に負けないくらいの人で熱気が充満しており、いろいろなブースでたくさんの人が富山の美味しい逸品を買い求めていた。私も寒ブリと鱒の押し寿司、そしてホタルイカのスルメを購入。富山県各地から集まって来た各ブースの人たちが非常にパワフルかつ親切で、富山県はあったかいところだなと感じた。

 アリーナに戻るとオープニング直前になっていた。そしてすぐに始まった演出には度肝を抜かれた。日本のスポーツエンターテイメントでここまでのド派手な演出はなかったんじゃないだろうか。さすが総合演出のプロデューサーである加藤ミリヤさんはすごい方だと感じながら、自分自身も取材というのを忘れて見入ってしまったのである。そして、出場するプレーヤーたちが1人ずつ紹介されて登場。やはり「富山グラウジーズ」というキーワードで紹介された選手たちの歓声は他のプレーヤーとは違った。宇都直輝水戸健史大塚裕土、そして過去に在籍していた福岡の城宝匡史。特に大塚が紹介された時の声援はどの選手よりも大きかったのである。それと川崎ブレイブサンダース篠山竜青が鱒の押し寿司を食べながら、両手には富山の特産を持って登場したシーンに助演男優賞を個人的に贈呈したい。

 ゲームが始まるとタフスケジュールの中で集まったオールスタープレーヤーたちがとても楽しそうに、時には演出も加えながら笑顔でプレーしていたのが印象的だった。最初の方は少しアップの時間が無くて硬さが見られたが、そこはさすが一流プレーヤーたちの集まり。徐々に体が温まり、ド派手なダンクや華麗な3ポイントシュートなど次々と見えてくれた。特に印象的だったのはジェフ・ギブス(栃木ブレックス)のパワーダンク、そして地元出身のスターである馬場雄大アルバルク東京)のアリウープにランニングダンク、そして何といっても後半に飛びだしたMVPを受賞した大塚裕土の鮮やかな4連続3ポイントであった。40分間はあっという間に過ぎていき、B.WHITEの勝利で夢のような時間は終わったのである。

 翌日は新幹線の時間が15時だったため少し時間があった。今まで取材に行っても観光する時間があまりなかったので、あいにくの雨模様ではあったがホテルから歩いて5分ほどにある富山城を堪能して来た。江戸時代に再建された富山城の内部は富山市郷土博物館になっており、改めて富山の歴史を知ったのである。しっかりと天守閣にも登り、一瞬ではあるが10万石を頂いたのであった(笑)。その後はお城の目の前にある美術館も訪問、様々な調度品に感銘を受けながら最後はお茶を堪能。博物館と美術館のセットで入館料が310円と破格の安さなので、ぜひ富山に行ったら足を運んでほしい。あっという間に時間は過ぎ、最後は富山駅の中で富山ブラックを頂いた。パンチのあるスープは個人的には大好きです。そして、白えびせんべいを大量にお土産として買い込んで新幹線で帰路へ。

 1泊2日では時間が全く足りなかった、今回のオールスター取材を兼ねた富山旅。次回はもっとゆっくり余裕を持って来たいと感じたのであった。来シーズンのオールスターゲームは、私の生まれ故郷でもある大いなる北の大地「北海道」での開催。取材、観光、帰郷という3点セットで1週間くらい滞在する予定をすでに考えている。ぜひ、皆さんも来シーズンの北海道は長期での滞在をオススメしたい。

写真・文=鳴神富一

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