2019.01.26

ディフェンスから流れをつかむ本来の姿を取り戻したアルバルク東京が大阪エヴェッサに逆転勝ち

積極的なプレーでチームに流れを呼びこんだ馬場 [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 バスケットボールは40分間のスポーツと言われている。つまり、いくらリードをしていても、試合終了のブザーが鳴った時に相手チームよりも多く点数を取っていたチームが勝利するからだ。1月26日、アリーナ立川立飛で行われたアルバルク東京大阪エヴェッサの試合は、まさにその典型だった。

 前半、大阪はジョシュ・ハレルソンが3ポイント4本を含む21得点と爆発。A東京のディフェンス陣が外角まで上がってこれないところを見越して、ほぼフリーの状況からシュートを放った。さらにハレルソンとともにチームを引っ張ったのがトレバー・ムバクウェだ。フィールドゴールの成功率は実に80パーセント(10分の8)と高確率にシュートを決めてチームを後押し。前半は45-36で大阪がリードした。

 しかし、後半に入ると試合の流れは一変する。ハーフタイム、A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「ディフェンスがカギを握る。自分たちらしくハードに守ろう。(リードはされているが)1つずつプレーを積み上げていこう」と指示。それに呼応するかのように、後半に入るとA東京はディフェンスのギアを1段上げた。

 第3クォーターの序盤は互角の攻防を見せていたものの、前半に回っていたパスがボールマンへのプレッシャーで次第に鈍くなっていった。すると、しっかりとシュートを打って終わっていた大阪のオフェンスが、無理な体勢からのシュートを強いられるようになっていく。そしてそこを見逃さなかったA東京は馬場雄大から安藤誓哉へのパスが通り、この試合2本目の速攻に成功。大阪ベンチはリードしている状況ながらすかさずタイムアウトを請求した。

 試合後の会見で、大阪の穂坂健祐ヘッドコーチがその場面を振り返る。「走られると会場が大いに沸いて雰囲気が変わってしまう。うちはそうなると今の状況ではなかなか立ち直れないので早めにタイムアウトを取った」。だが、A東京に傾いた流れは大阪を飲み込んでいく。畳みかけるように馬場雄大が2本の速攻を決めてA東京は逆転に成功。大阪は熊谷尚也の3ポイントで食らいつき、望みを第4クォーターにつないだかに見えた。

「前半は攻防とも自分たちのリズムで進められたが、40分間は続かない。その難しさを露呈してしまった。それに対してA東京は40分、タフにできる。それは見習わないと」と、穂坂HCは悔しがった。

 第4クォーターはA東京の独壇場となる。馬場が6連続ポイントをあげれば、田中大貴が1対1からジャンプシュートを沈めてリードを広げ、勝利をほぼ確実なものとした。

 ルカHCは記者会見で、「(竹内)譲次が出られない状況という危険なゲームだったが、選手たちが最後まであきらめずに頑張ってくれた」と、選手たちの奮闘を称えた。

馬場に指示を出すルカHC [写真]=B.LEAGUE

「ポイントは第3クォーターのディフェンス。あそこで主導権を握ったことでペースをつかめたと思う。アグレッシブなディフェンスで自分たちの流れをつかんだ」

 前節、千葉ジェッツに悔しい逆転負けを喫したA東京。しかし、ディフェンスからリズムを作る本来のスタイルをこの勝利で取り戻すことができたか。その答えは明日の第2戦ではっきりするはずだ。

文=入江美紀雄

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