2019.02.03

新たな秋田ノーザンハピネッツの顔へ…中山拓哉「もっとチームを引っ張っていきたい」

今季の秋田をけん引している24歳の中山[写真]=B.LEAGUE
国内外のバスケ情報をお届け!

 61-69で迎えた第4クォーター残り3分7秒、秋田ノーザンハピネッツ中山拓哉がファウルを受けてフリースローを獲得し、6点差に詰め寄るチャンス。しかしこれを2本とも外してしまうと、そこから連続得点を浴びて最後までサンロッカーズ渋谷をつかまえることができなかった。

「別に緊張もしていなかったですし……、まあ実力なので。何なんでしょうね……」と、試合後にその時の心境を振り返った中山。歯切れが良くなかったが、「どんな状況でも決めなければいけなかった。勝ちにつながるチャンスだった」と自分を責めた。もっとも、敗因は中山だけでなはない。ジョゼップ・クラロス・カナルスヘッドコーチも口をそろえた「第2クォーター」にあった。秋田は同クォーター開始3分50秒の時点でチームファウルが5つに達すると、この10分間だけで計16本ものフリースローを与えてしまい、17点ビハインドで試合を折り返す結果となってしまった。

「あそこでファイトできなかったのが今日の敗因かなと。結局僕たちがファウルばかりしてしまい、そういう展開にしてしまったらダメだと思います。まだ明日戦うことができるので、そこは改善していきたいと思います」

この試合では6得点7リバウンド7アシストをマークした[写真]=B.LEAGUE

 182センチながら82キロという屈強な体を兼ねそろえる中山は、長身選手にも当たり負けしないフィジカルを活かしてドライブやリバウンドにも飛びこみ、さらには現在1試合平均5.9アシストでB1アシストランキング3位、スティールランクでは同2.3スティールで1位に位置しているオールラウンダー。東海大学では2年次から先発を担うなど、相手の隙きを突いて攻守で存在感を示す“敵にすると厄介な選手”だ。今シーズンはここまでチーム最多となる1試合平均31分38秒のプレータイムを獲得しており、指揮官からの信頼も厚い。その起用にもしっかりと応え、昨年末には日本人としてはBリーグ史上2人目の“トリプルダブル”を達成した。

 自身の持ち味であり、HCからも求められている「オフェンスでもディフェンスでもアグレッシブにプレーすること」は、今季の活躍ぶりを見ても体現できていると言えるだろう。だが、「プレータイムをもらっている中で、期待されている以上のことをやらないと勝てない」と中山が言うように、現在チームは37試合中13勝にとどまっている。この試合では、「意識していた」東海大時代の先輩・ベンドラメ礼生に先制の3ポイントを許した場面を、冒頭で触れたフリースローよりも悔やんだ。「ゲームの入りからやられてしまった。ディフェンスでペップ(HC)から一番信頼されている中で、僕がやられるのは本当に良くない」。

 大学4年次に特別指定選手として入団した2016-17シーズンを含めれば、秋田在籍3シーズン目を送っている中山。今シーズンはこれまでチームの顔であった田口成浩千葉ジェッツへの移籍を決断、ペップHC体制2年目とチームとしても変革の最中にある。

「在籍年数が長くなってきていますしプレータイムも一番もらっているので、そういった中でもっとチームを引っ張っていきたい。『最後は中山』とHC、チームメート、ブースターからも信頼されるようなプレーヤーになりたいです」

 そう意気込む24歳の若き司令塔が今後さらなる信頼を勝ち取るには、まず2月3日の節分、SR渋谷という“鬼”を退治しなければならない。

文=小沼克年

この試合の他の記事