2019.04.02

レバンガ北海道・内田旦人がホーム初スリーポイント 渋谷戦の好プレーを図解 4/3の栃木戦に向けて

ホーム戦で初のスリーポイントを決めた内田旦人[写真]=B.LEAGUE
北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 前節、函館で行われたサンロッカーズ渋谷との2連戦、レバンガ北海道がリードする時間帯もあったが、勝ちを手にすることができなかった。結果だけ見ると、未だゴールが見えないトンネルの中を彷徨っているように感じる。しかし、その内容はHCが交代してから模索を続けてきた成果が確実に見えてきて、今シーズンの中では完成度の高い、人とボールが連動して動くバスケットボールが展開されていた。

野口大介スタメン、折茂武彦のブザービーター
 3月31日(日)の試合では、野口大介がスタメンで起用され、第1クォーターは北海道のペースで試合が展開される時間が長かった。最後には折茂武彦が北海道の想いを乗せるようなブザービーター(※注1)を決め、アリーナの雰囲気は最高潮となった。

 内田旦人が投入された第2クォーターでは、横浜戦(3/16、17)で手ごたえのあったオフェンス(攻撃)の形が繰り返し使われた(※参考 https://bit.ly/2U694bD)。

 これは恐らく中野司内田旦人が加入してから繰り返し取り組んできたオフェンスの形の1つなのだと思う。苦しい状況の中でもこの先を見据え、トライしていることが形になり始めたと同時に、2月に加入したばかりの中野司内田旦人もチームの戦力として多くを求められていることを感じさせた。

 ここまで何度か図を使い、その試合で使われたオフェンスやディフェンス(守備)の形を紹介してきた。渋谷戦ではそれらがしっかりと共有され、選手それぞれの役割も明確になり、北海道のバスケットボールは確実に良い方向に進んでいる。

 渋谷戦では、2人、3人が連動し、自然発生的に出てくる素晴らしいプレーもたくさんあった。今回もそのうちの1つを図で紹介したい。

■三角形の素早いパス交換でゴール下を制圧
 今回は3月30日(土)、第3クォーター残り7分50秒の北海道のオフェンスをピックアップする。流れの中でマーク・トラソリーニ(15)とデイビッド・ドブラス(13)がピックプレーを仕掛け、渋谷のディフェンスの反応を見て、多嶋朝飛(8)と三角形の素早いパス交換でゴール下を制圧した素晴らしいプレーだった。

<図>
・緑色の数字は北海道の選手。イメージしやすいように背番号を入れている。
・黒字の数字は相手チームの選手。こちらも背番号を入れている。
・緑の矢印(→)は北海道の選手の動き
・黒の矢印(→)は渋谷の選手の動き
・茶の矢印(→)はボールの動き
(バスケ北海道さんから「イメージしやすいように」とのリクエストで、オリジナル画像を作成しました)

【1】流れの中で、図のような形になり、桜井良太(11)にボールが渡った。

【2】桜井良太(11)がマーク・トラソリーニ(15)にパスをする。そのタイミングでデイビッド・ドブラス(13)がハイポスト(※注2)に移動する。

【3】ボールを持つマーク・トラソリーニ(15)とデイビッド・ドブラス(13)がピックプレー(※注3)を仕掛ける。

【4】デイビッド・ドブラス(13)のマークマンであるロバート・サクレ(6)が、マーク・トラソリーニ(15)にシュートを打たれることを警戒し、少しマーク・トラソリーニ(15)に引っ張られる。それと同時にデイビッド・ドブラス(13)がゴールに向かってダイブ(※注4)する。多嶋朝飛(8)のマークマンであるベンドラメ礼生(9)が、デイビッド・ドブラス(13)へのパスを警戒し、デイビッド・ドブラス(13)に引っ張られる。

【5】マーク・トラソリーニ(15)からウイング(※注5)の多嶋朝飛(8)へパスをする。それと同時にデイビッド・ドブラス(13)がロバート・サクレ(6)に体をぶつけ、ゴール下の良いポジションを取る。

【6】多嶋朝飛(8)からデイビッド・ドブラス(13)にパスする。

【7】ロバート・サクレ(6)は守ることができず、ゴール下のデイビッド・ドブラス(13)のシュートが決まる。

■3人が絡むシュート、何度も
 このような3人が絡むプレーはシュートの成功不成功に関わらず、この2試合で何度も見られた。31日の試合では第1クォーター5分30秒からのオフェンスで、多嶋朝飛(8)→野口大介(23)→デイビッド・ドブラス(13)でゴール下を制圧した場面も印象的だった。

 代表期間が明けてからの12試合で、対戦相手ごとに効果的と考えられるオフェンスの形を繰り返し使う中で、自然発生的なオフェンスも良くなってきていることを感じるシーンがたくさんあった。

 負けが続いているが、内容は確実に進歩していることを僕らはしっかりと感じ取り、ブーストしていくことも、これからを戦っていく上で大切なことになるだろう。

■栃木戦は適応力と我慢で
 次節戦う栃木は、強固なディフェンスとどこからでも得点が取れる様々な得点パターンを持っている。栃木を相手に北海道に必要とされるものは何だろうか。

 それは適応力と我慢だと思う。

 基本的には栃木ペースで試合が展開される時間が長くなることが予想される。その中で北海道はどれだけ栃木についていけるかが大切になってくる。

 連敗は続いているが北海道はその中で、相手のバスケットボールに適応し、我慢する力がついていることも事実だと思う。

 ここ数試合、川邉亮平がコートの中でオフェンスの指示を出す場面が頻繁に見られる。

 また、前節の渋谷戦では折茂武彦が2試合とも2ケタ得点を記録し、野口大介は身長差がありながらも外国籍選手に立ち向かい続けた。

 選手間同士のコミュニケーションも頻繁に行われ、40分間ベンチから戦う上野経雄アシスタントコーチの姿も印象的だった。

 バスケットボールにはポジションがあり、それぞれに求められる役割がある。北海道は時に年齢の高さを揶揄されることもある。しかし、コートに入れば、ポジションや年齢は関係ない。それぞれがチームのためにできることを全力でプレーする。北海道にはそんな強さや魅力がある。

 栃木というBリーグ最高峰のチームを相手に、北海道の今の力を全力でぶつけてほしい。

 そして、この連敗の経験を僕らは必ずこれからに活かして、前に進んでいく覚悟をチームと共に示して行こう。

※注1 ブザービーター
クォーターや試合の終了直前に放ったシュートが決まることを指す。手からボールが離れた後に時間が0となり、まるでゴールによってブザーが鳴らされたように感じられることから、この呼名がある。

※注2 ハイポスト
3秒制限ルールが適用される長方形のフリースロー近辺を指す。(図8参照)

※注3 ピックプレー
攻撃の戦術の1つで、ボールマンのディフェンスにスクリーンを仕掛けるプレー(ピック)のこと。その後の展開として、スクリーンをかけた選手(スクリナー)がゴール方向に飛び込むプレー (ロールorダイブ) と、外に開くプレー(ポップ) という選択肢がある。

※スクリーンとは攻撃のときに使われ、味方をマークしているディフェンスに対して、進路にポジションを取ることによって動きを遅らせ、味方の選手をフリーにさせる、または有利な状況を作り出すプレー

※注4 ダイブ
ゴールに向かって飛び込む動きで、そこにパスが入ればゴール近辺のシュートに直結する。ダイブの動きに対して、別の選手をマークしていたディフェンスが反応すると、その別の選手をノーマークにすることができる。ピックプレーなどで使い、スクリーンをかけてゴールに飛び込むことを、ピックアンドダイブという。

※注5 ウイング
スリーポイントとフリースローラインが交わる場所を指す。(図8参照)

文・宮本將廣(87Basketball Lab代表)

■関連リンク
レバンガ北海道、シューター中野司に期待 3/30、31の渋谷戦に向けて 【87Labのがんばれレバンガ】
https://basketballking.jp/news/japan/20190329/148740.html

・3/27のアルバルク東京戦に向けて…【87Labのがんばれレバンガ】
https://basketballking.jp/news/japan/20190326/147577.html

・3/23、24の川崎戦に向けて…【87Labのがんばれレバンガ】
https://basketballking.jp/news/japan/20190322/146426.html

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