2019.04.10

強い気持ちが求められるライジングゼファー福岡、今こそ戦う意識が必要

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

ライジングゼファー福岡vs大阪エヴェッサ(@照葉積水ハウスアリーナ)
4月10日19時5分

 レギュラーシーズン5試合を残したこの段階で、ライジングゼファー福岡はB1ライセンス不交付という残酷な現実を突きつけられることとなった。場合によっては一気にB3まで降格する可能性もあり、選手のモチベーションへの影響は免れないだろう。

 前節の滋賀レイクスターズ戦で喫した連敗で、福岡は本来の残留プレーオフ圏内だったリーグ全体15位以下がすでに確定していた。1戦目は34失点、2戦目は29失点といずれも第1クォーターに猛攻を受け、失点は連日の90点台。ここにきて滋賀の3ポイントの精度が上がっていたとはいえ、2戦計27本も浴びてしまっては勝機を見出すのは難しかった。

 その福岡と今節対戦する大阪エヴェッサは、前節を終えた時点では残留プレーオフ出場の可能性が消えていない状況だった。しかし、福岡のB2以下への自動降格決定によって残留プレーオフ出場枠が2つに減ったため、リーグ全体15位以上が確定している大阪はB1残留となった。ただ、前節はチャンピオンシップ進出がかかる名古屋ダイヤモンドドルフィンズの気迫に圧され、1戦目は第2クォーターを除く3つのクォーターで計28得点と沈黙。最終的には今季3度目の40点台に終わった。翻って2戦目は立ちあがりからエグゼビア・ギブソンジョシュ・ハレルソンが得点力を発揮し、第3クォーターまでに12点をリード。残り1分4秒の時点でも8点差をつけていたが、そこからフリースローミスやターンオーバーでまさかの逆転を許す痛恨の黒星となった。

 思いがけず目標を見失った福岡と、不本意ながら目標をクリアした大阪。どちらもモチベーションの維持が難しい状況だが、より強い気持ちが求められるのはホームで戦う福岡のほうだ。最後までボールを追う姿勢をブースターに見せ、来季への希望を見出さなければならない。過去にチーム存続の危機も経験している波多野和也加納誠也は、今こそ戦う意識が必要であることをわかっているはずだ。

文=吉川哲彦

■ロースター
・福岡(ヘッドコーチ:ボブ・ナッシュ)
遥天翼
山下泰弘
小林大祐
薦田拓也
波多野和也
エリック・ジェイコブセン
津山尚大
青木ブレイク
石谷聡
城宝匡史
加納誠也
ベンジャミン・ローソン
マーカス・ブレイクリー
鈴木龍雄

・大阪(ヘッドコーチ:穂坂健祐)
今野翔太
長野誠史
藤高宗一郎
ファイ・パプ月瑠
根来新之助
木下博之
合田怜
エグゼビア・ギブソン
熊谷尚也
畠山俊樹
ジョシュ・ハレルソン
トレバー・ムバクウェ

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