2019.04.12

Bリーガーの技を子どもたちに 元レバンガ北海道の貝沼雄介さん 郷里・船橋で指導者として本格始動

バスケが盛んな故郷・千葉県船橋市で、バスケットボールスクールを指導させた元レバンガの貝沼雄介さん
北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 豊富な運動量と熱いプレーで2016-17シーズン、きたえーるのアリーナを沸かせた元レバンガ北海道のシューティングガード、貝沼雄介さん(26)。レバンガを退団後、東京都江東区を本拠地とする3人制プロチーム「江東フェニック」を経て、2019年1月から郷里の千葉県・船橋市で小中学生対象のバスケットボールスクールを始動させました。4月からは明治学院大学(関東リーグ3部)のスキルコーチにも就任し、指導者として第2のキャリアをスタート。「プロの世界を子どもたちに体感してもらい、バスケの楽しさを知ってほしい」といいます。スクールを開いている船橋アリーナに貝沼さんを訪ねました。

■プロのスピードとパワーを感じてもらう
 午後7時を回った船橋アリーナのサブアリーナ。「レイアップは決めるシュート。外す練習しちゃダメだよ」「大きく動こう。小さく動いてミスしても意味ないよ」。貝沼さんのアドバイスが飛びます。普段の柔和で優しい雰囲気から一転、指導が始まると、時に厳しい声が飛び、アリーナに緊張感が広がります。

どんな練習もまず、お手本を見せてから

 小学校低学年の小さな子から、大人顔負けの体格をした中学生まで、およそ20人。多彩なドリブルやレイアップと、現役時代と変わらぬキレを見せる貝沼さんのお手本に、子どもたちは「すごい!」と真剣な眼差しを向け、お手本を真似ようとプレーし始めます。「まだ引退して間もないですから、一緒にプレーして教えられる。スピードやパワーを体感してくれると、子供たちも素直に聞いて頑張ってくれるんです」

練習を重ねて、できないことかできるようになる。「そんな過程を大事にしたい」

■できるようになる喜びを
「プロになる子供がいれば、それはもちろんうれしいです。でも、できなかったことが練習を重ねてできるようになる楽しさや喜びを学んでほしい。バスケはチームスポーツだから選手にはいろいろな役割があり、派手なプレーだけではだめ。スクールを通して違う学校の友達とつながって、将来に役立ってくれれば」とスクールの狙いを話します。

上手くなった子を褒めるとさらに伸ひる

■レバンガでは12試合に出場
 貝沼さんは市立船橋高校時代、ウィンターカップ4位、千葉県年間最優秀選手賞を受賞。大東文化大学(関東大学連盟1部)時代にはインカレで4位に入りました。TKbjリーグの高松(現在B2香川ファイブアローズ)を経て2016年11月、当時、けが人が続出していたレバンガ北海道とアマチュア契約しました。高い身体能力とスピード、なにより豊富な運動量が持ち味で、12試合に出場し6得点、2リバンドをあげました。

子どものレベルに合わせて厳しく楽しく指導

「それほど試合に出られない選手だったので、エネルギーだけは役に立とうと、技術うんぬんよりとにかく一番、元気よくやろうと心がけていました。子供のころ憧れて見ていた折茂武彦さんと一緒にプレーでき、選手として一番、成長できた1年だった」と言います。

 17年5月にレバンガを退団し(https://basketballking.jp/news/japan/20170516/13602.html)、郷里の船橋へ。18年4月からは3人制のプロチーム、江東フェニックスで1年間プレー。Bリーグでのプレーを模索しましたが、叶いませんでした。「まだ体は動くし、B1の試合を見ても「まだできる」という感覚はある。折茂さんや桜井(良太)さん、みんな、シーズン中にもかかわらず気にかけてくれて、相談にのってくれたりもした。戻れるなら戻りたい気持ち、プロにしがみつきたい気持ちもあった」と振り返ります。

千葉ジェッツのホームタウン船橋で
 しかし、レバンガ時代に北海道内で行ったクリニック(教室)、また船橋に戻り子ども向け教室でのコーチを通じ、バスケの指導と普及にやりがいを覚えます。「プレイヤーとして自分のバスケは終わった」とプロへの未練を断ち切り、転身を決意、スクールを本格始動しました。4月からは明治学院大学のスキルコーチにも就任。「プロのレベルを体感してもらい、上を目指す一助になりたい。まだ、大学生にも負けませんよ」と笑顔を見せます。

FABバスケットボールスクールに来る子の多くの目標がプロ選手

 船橋はB1千葉ジェッツのホームタウン。千葉ジェッツは2019年に天皇杯を3連覇し、観客動員数1位を誇るバスケ熱の高い地域です。それだけに「スクールに来る子の多くの目標がプロ選手」といいます。

 貝沼さんが「オッケー、オッケー。上手くなったなー」と、小学生に声を掛けていました。貝沼さんの指導でバスケの技術を学び、バスケの楽しさを知った子どもたちの中から、未来のBリーガーが誕生する日も近いのかもしれません。

<FABバスケットボールスクール>
 貝沼さんが2019年1月から開いているFABバスケットボールスクール。平日の夜、船橋のほか千葉、成田、東金、佐倉の県内5カ所で小中学生を指導しています。プロが行う練習も取り入れ、各地で平日に週一回、部活動プラスの練習として個人のスキルアップを目指す子供が集まります。https://fab42.tokyo/

文・写真 田中徹(北海道新聞)