2019.09.26

<素顔の朝飛>① コートの外で… レバンガ北海道・多嶋朝飛コラム

シュート練習に励む多嶋
北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 レバンガ北海道多嶋朝飛です。9月から月に一度、コラムを連載することになりました。Bリーグ開幕、北海きたえーるでの初戦も10月6日に迫っています。今シーズンも精いっぱいプレーしますので応援よろしくお願いします。このコラムでは、コートの外で僕がどんなことを考えているのか、知ってもらえる場になればうれしいです。

 さて、皆さんの目に僕はどんな風に映っているのでしょうか。強豪の北陸高校(福井県)を出て東海大学に進み、プロ選手になったバスケットボールエリートでしょうか。経歴だけを見ればそうなのかもしれませんが、僕の中ではちょっと違う。高校、大学、そしてプロ選手になった今も、何度となく壁にぶつかって、そのたびにひとつひとつ乗り越えてきました。

■楽しくて楽しくて
 バスケを始めたのは小3の時。両親が地元帯広のクラブチームでプレーをしていました。全く記憶はないのですが、赤ちゃんの時から両親の練習に連れて行かれていたそうです。幼稚園に入るころには、既にバスケ雑誌を眺めたり、ビデオを見たり。「バスケをやるぞ!」と考えたことはなく、始めた時は「バスケをすることが決まっていた」という感覚でした。

 小学校と中学校はバスケが楽しくて楽しくて。「好きだ」と実感しながらプレーをしていました。中3で北海道選抜に選ばれ、ぼんやりと「帯広を離れるんだろうな」と思っていたところ、北陸高校から声を掛けてもらい、進学を決めました。道外は未知の世界。最初は出ていく勇気を持てずにいましたが、父の「いずれ地元を離れるなら、今、福井に行ってもいいのでは」という言葉に背中を押されたのを覚えています。

プレシーズンゲームの川崎戦でプレーする多嶋[写真]=大島拓人(北海道新聞)、9月7日、北海きたえーる

 ところが北陸高校に入ってみると、最初は死ぬほど後悔しました。バスケのレベルは高いし、慣れない環境にも戸惑いの連続。まともにバスケができない時間が1年半ほど続きました。でも、自分で福井に行くと決めた以上、北海道に戻るなんて悔しい。

 そんなつらさに耐える中、同級生の竜青(B1川崎ブレイブサンダース篠山竜青)の存在は大きかった。同じポイントガードなのに、自分は当時スタメンだった竜青の練習相手。ここで活躍しないと試合に出られない、同じ事をしていてはいけない…。竜青のプレーを見ながら、常に「自分ならこうする」と考えるようになりました。

 転機はチームが国体に出た2年の秋。最後まで試合に出られず、そこで吹っ切れたんです。「自分が決めるんだ。誰にどう思われてもいいんだ」と。

 すると、続く全国大会ウインターカップの準々決勝で、30分ぐらいプレータイムをもらえた。そこから全国大会で主力としてプレーする時間も増え、高3のインターハイでは優勝することができました。竜青と一緒にプレーができて楽しかったし、いい経験ができました。彼がいなければ、プロになり、レバンガ北海道でプレーしていることもなかったと思います。

■関東リーグで優秀選手賞とMIP賞
 いつもそうなのですが、土壇場で目の前に道が現れ、次につながるのが僕のパターン。高校も最後に全国レベルの結果を残すことができて、東海大学から声を掛けてもらいました。

 ですが、大学でも簡単にはいきません。1年からAチーム(1軍)にいながら、いつも尻に火がついたような状況が続きました。先発に定着したのは3年になってから。高校でコーチの要求を理解し、プレーで体現する力をつけてきたのが生きました。試合に出られるようになり、4年の関東リーグでは優秀選手賞とMIP賞を受賞。卒業ギリギリのタイミングで、何とかプロチームのリンク栃木ブレックスに誘ってもらうことができました。

 実業団で仕事をしながらプレーすることがしっくりこなかった僕にとって、この話はとてもありがたかった。育成契約ではありましたが、何とかプロの舞台にたどり着くことができました。

練習の途中で水分補給する多嶋(中央)

 高校、大学では、試合に出られないつらい時期も経験し、簡単に「プロになるぞ」とは考えられなかった。むしろ小さな目標を積み上げて、ここまで来たのだと思います。折れなかったのは、どこかに野心があったからかもしれません。
 少し長くなりましたが、プレー以外の僕の一面を知ってもらえましたか。今月はここまで。来月のコラムも楽しみにしていてください。

<略歴>多嶋朝飛(たじま・あさひ) 帯広市出身のポイントガード。帯広大空中から北陸高(福井県)に進学。東海大を経て、2011年にリンク栃木ブレックスに育成選手として入団した。13年にレバンガ北海道に加入し、16~17年シーズンから3季の間キャプテンを務めた。30歳。
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