2019.10.01

王座奪還へ、宇都宮ブレックスの遠藤祐亮「東地区を制することで優勝も見えてくる」

Bリーグ4シーズン目に向けて意気込みを語った遠藤 [写真]=B.LEAGUE
国内外のバスケ情報をお届け!

リンク栃木ブレックスから宇都宮ブレックスに名称を代え、新たな気持ちで王座奪還を目指すBリーグ初代王者。田臥勇太を筆頭に比江島慎竹内公輔など豪華メンバーがロースターに名を連ねるチームにおいて、“努力人”遠藤祐亮の貢献度は計り知れない。昨シーズンはキャリアハイの1試合平均11.7得点2.4アシストを挙げ、リーグ2位となる44.7パーセントの確率で3ポイントシュートを成功。オフェンス面だけでなく、“エースキラー”として自身2度目のベストディフェンダー賞を獲得した。下部組織のTGI・Dライズからはい上がり、今やチームの主力として活躍する遠藤に話をうかがった。

インタビュー=酒井伸
写真=Bリーグ

毎年最高のシーズンだったと思えるようなシーズンを送れている

――東地区で2位、チャンピオンシップでベスト4に入った昨シーズンを振り返ってください。
遠藤 ケガ人などで少ない人数でのスタートの中、いい形でシーズンに入ることができました。様々な困難を乗り越えて、選手一人ひとりがレベルアップでき、チームの結果もついてきて。地区優勝はできませんでしたが、一昨シーズンに全敗だったアルバルク東京から3勝して、チーム、個人としてもステップアップできたシーズンだったと思います

――遠藤選手はキャリアハイとなる1試合平均11.7得点をマークしました。
遠藤 できた試合とできなかった試合があって。常にチームのために何ができるかを考えてプレーしたいですし、バラツキもなくしていきたいと思います。

――3ポイントシュートも成功率44.7パーセントの数字を残しました。
遠藤 3ポイントは今までも自信を持っていて、自分の打つべきシュートを毎シーズン打っていましたが、それが数字につながらなくて。昨シーズンはこれまでよりも自信を持って打てるようになったことで結果につながり、自信にもなりました。

――ベスト5やベストディフェンダー賞も受賞し、キャリアの中でも最高のシーズンを過ごすことができたと思います。
遠藤 毎年ステップアップできているので、毎年最高のシーズンだったと思えるようなシーズンを送れていると思います。個人賞に関しては自分のやるべきことやチームに求められていることをやっていたら、周りにも評価されるんだなと思えましたし、それが自分の評価にもつながってくるのかなと。

――今シーズンは大きなメンバー変更がありませんでした。チームのスタイルに変化はありますか?
遠藤 ブレックスらしいスタイルは変わらず、昨シーズン良くなかったスペーシングや1対1で打開することをオフシーズンに練習してきました。プレシーズンでは出せている試合と出せていない試合があったので、開幕に向けてもっと詰めていかなければいけません。

――個人的に取り組んでいることはありますか?
遠藤 1対1からでも得点していくことです。昨シーズンはスポットで3ポイントを多く打っていたので点が伸びていたのかなと。1人で打開できるようなプレーを練習で意識して、プレシーズンでも試せる場面がありました。

1on1でのオフェンスに力を入れている [写真]=B.LEAGUE

今シーズンの方が成長していると思われるようなプレーを

――「B.LEAGUE EARLY CUP 2019 KANTO」、「The Terrific 12(テリフィック12)」での手応えを聞かせてください。
遠藤 シチュエーションが少ないのもありますが、まだ3ポイントに頼ってしまう部分が多いです。1対1のシチュエーションになった時、絶対に点を取れるようにしていかなければいけません。

――1対1のオフェンスで足りない部分はどこですか?
遠藤 ディフェンスに対応された時、どのプレーを選ぶかの判断があまり良くないです。判断が良くなればもう少し余裕を持ってプレーできるかなと。スピードだけで打開しようとしてしまうので、相手を見ながらプレーすることが自分には足りないと思っています。

――チームの状態はいかがですか?
遠藤 アーリーカップまでは日本代表選手が不在だったため、5対5の練習ができず4対4しかできませんでした。スペーシングを良くすることを掲げているのに、いまいち感じがつかめないままアーリーカップに出場しました。しかし、試合をこなすごとに良くなっていき、今は新しいものを積みあげている段階です。今後はよりレベルを上げていき、誰が出ても意思疎通できるようにプレーしたいと思っています。

――「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」の感想を聞かせてください。
遠藤 世界の強豪チームはブレックスがやりたい1対1の強さだったり、スペーシングの良さだったりが見られて、即席チームなのに何年も一緒にやっているような連動性がありました。判断もすごく良く、基本的なことをしっかりとこなしていた印象があります。

――印象に残った選手はいますか?
遠藤 どのチームもガードの選手が積極的に攻めていて、逆に日本はガードがクリエイトしていたと思います。特にアルゼンチンのガードは印象に残っていて、ガンガン攻めることで周りの選手が空いて、いい形でシュートまで持ちこめていたのかなと。

――最後に今シーズンの抱負、ファンへのメッセージを聞かせてください。
遠藤 優勝はもちろんですが、東地区を勝ち進んで、東地区を優勝するのがすごく意味のあることだと思っています。東地区を制することでチャンピオンシップ優勝も見えてくるはずです。個人的には昨シーズンだけと言われるのはすごく悔しいので、今シーズンの方が成長していると思われるようなプレーをしたいと思います。開幕戦はアウェーですが、皆さんの応援を背にがんばっていきます。

頂点を目指す戦いが始まる [写真]=B.LEAGUE

BASKETBALLKING VIDEO