2019.10.18

手応えつかんだ富山グラウジーズ、“オンザコート3”の大阪エヴェッサにどう立ち向かうか

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

富山グラウジーズvs大阪エヴェッサ(@富山市総合体育館)
第1戦:10月19日18時5分、第2戦:10月20日13時5分

 オフェンスの中軸を担うジョシュア・スミスの戦線離脱によって暗雲が立ちこめたかに見えた富山グラウジーズが、開幕から4連勝中だった川崎ブレイブサンダースをアウェーという不利な状況で見事に破ってみせた。ジョシュ・ペッパーズはベンチ登録されながらも1秒もコートに立たず、レオ・ライオンズによるオンザコート1の状況が40分続いた中、菅澤紀行の3本の3ポイントがチームを奮い立たせ、しびれるような接戦をものにした。高さのある川崎を相手にリバウンドで11本上回ったことと、フリースローを確実に決めたことも勝利につながった。この白星は、スミス抜きで戦う今後の多くの試合に向けて大きな手応えになったに違いない。

 一方の大阪エヴェッサは、前々節に琉球ゴールデンキングスを破った勢いが消え、京都ハンナリーズを相手に攻守とも全くいいところなく31点差をつけられる大敗を喫した。スタッツは軒並み京都を下回り、選手個々の出来を見ても15得点の合田怜が光る程度。得点が60点を切ったのは秋田ノーザンハピネッツに敗れた開幕戦に続いて早くも2試合目。オフェンスの好不調の振幅の大きさが明確になり、特にトランジションオフェンスを展開できない場合に課題が多く見つかっている状況だ。

 富山はオンザコート1で価値ある1勝をつかんだとはいえ、外国籍選手2人に加えてアイラ・ブラウンもスターターに名を連ねる大阪は決して容易な相手ではない。オフェンスが売りの富山も今節はディフェンスマインドを強く持ち、まずはブラウンやリチャード・ヘンドリックスが積極的に速攻に参加する大阪のオフェンスをスローダウンさせたい。ハーフコートでは大阪の3ポイントシューター不足につけ込み、ペイントエリアに意識を傾けて相手に攻め手を失わせたいところだ。元来はディフェンスに重点を置くタイプのドナルド・ベックヘッドコーチがどのようなディフェンスを敷くかという点は非常に興味深い。

文=吉川哲彦

■ロースター
・富山(ヘッドコーチ:ドナルド・ベック)
レオ・ライオンズ
山口祐希
松山駿
船生誠也
阿部友和
山田大治
水戸健史
菅澤紀行
宇都直輝
前田悟
葛原大智
ジョシュ・ペッパーズ
ジョシュア・スミス※インジュアリーリスト
ダニエル・オルトン

・大阪(ヘッドコーチ:天日謙作)
今野翔太
伊藤達哉
藤髙宗一郎
リチャード・ヘンドリックス
長谷川智也
橋本拓哉
合田怜
小阪彰久
畠山俊樹
アイラ・ブラウン
ショーン・オマラ
ジョシュ・ハレルソン

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