2021.04.02

名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15…質の高い練習を積み重ねてつかんだ日本一

選手、スタッフが一体となってつかんだ優勝だった[写真]=B.LEAGUE
取材歴17年目でミニバス、中学、高校、大学、トップリーグに日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 3月28日~30日の期間で開催された「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2021」にて初優勝を達成した名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15。

 大会では激しいディフェンスに加え、攻めては的確な状況判断の元にパスやドライブ、そこからの合わせのプレーなどを披露した。

「走りながら考える練習をたくさんしているので、負荷は結構高いと思います。だからこそ、しっかり休む時は休む、やる時はやるようにしています」と日頃の練習を語るのは指揮を執る末広朋也ヘッドコーチ。

 普段は、名古屋ダイヤモンドドルフィンズと隣接する三菱電機コアラーズ(Wリーグ)の体育館を併用しており、通常であれば平日は3日、加えて土日と週5日の活動している。だが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により練習日程は変則的に。それでも、練習ができる日には、内容の濃い、質の高い練習で研鑽を磨いてきた。

「(チームの軸は)大きな枠で言うとディフェンスからのファストブレイク。特に(大会の)3日目ともなると、どのチームも体力的に難しくなると思いますが、僕たちにとっては、逆にすごくアドバンテージになりました。

 日本一キツいけれど、その中に駆け引きを生んだ練習をしている、そこを追求しながらやってきました。大会を通して見ても、後半に強いなど、そういったところは練習でやってきたことが出たと思いますし、自立して勝負を楽しんでいることが成果に繋がったと感じています」と末広HC。

 選手が考え、自らの意思でプレーする。試合に際し、末広HCは「チャンピオンを目指すとみんなが目標を立てている以上、(試合の中で)チームで決めたことを徹底できていない時は、もちろんタイムアウトや選手交代の時に指摘はします。私の役割はチームが行きたい方向に進んでいる時、人間なので緩んでしまったり、弱気になってしまったりしていたら、それを気づかせてあげたり、整えてあげること。選手の成長を妨げるようなゲーム運びをしないというのは私自身の大きなテーマでした」と言う。

 決勝戦、試合は1点を争う競った展開のまま第4クォーターへと突入した。その時、末広HCは「3年生で第4クォーター行くよ。自分たちでゲーム作ってね」と、声をかけたという。キャプテンでありポイントガードを務める永里叶多をはじめ、3年間一緒に練習を重ねてきた選手らがいる3年生たちに勝負を託したのだ。

 そして試合では終盤にも慌てることなく、『誰で攻めるのか』『どういったプレーをするべきか』という共通理解の元、選手たちは思い切りよくプレー。しっかりと声も掛け合い、ラストの攻撃では、永里自らが勝負を手繰り寄せた。

「3年生が自立してプレーを選んだり、ここで攻めようと決めたりしたのが第4クォーター。第3クォーターを終えた時に、これが私自身も一番後悔しない方法、これで選手が成功したとしても失敗したとしても彼らの財産として残ると思ったのでその選択をしました」と、指揮官は試合後にその思いを語ってくれた。

 加えて、「残り3分の攻防は永里に考えていたことを聞いてもらえれば面白いかなと思います」(末広HC)という言葉が、選手とスタッフとがいかに同じベクトルに向いて進んできたかということや信頼関係の深さを感じさせた。

練習の成果をいかんなく発揮した名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15 の選手たち[写真]=伊藤 大允

 チームには、一人で40点、50点取るような突出した選手はいない。それでも、選手個々の成長、自主自立に重きを置いた練習を重ね、名古屋U15は日本一にたどり着いた。

『練習は裏切らない』

「“ファイナル”という舞台で彼らが自信を持って勝ち抜いたというのは本当にすごいことだと思いますし、この後にも受け継げる良いモデルケースになったかなと思います」と末広HCは笑顔で会場を後にした。

文=田島早苗

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