2019.11.22

3x3とBリーグ…両輪で高いモチベーションを維持する小林大祐「どちらもプロフェッショナルに」

まだ3x3の経験こそ浅いが、不可欠な存在となりつつある小林[写真]=兼子慎一郎
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

「『なぜ選ばれたんだ』という声があるのは知っていました」

 これは、9月に行われた3x3PREMIER.EXEのファイナル終了直後に発せられた言葉だ。言葉の主は小林大祐。この時点で小林の3x3のキャリアはまだ約半年にすぎなかった。

 11月18日から20日まで行われた3x3男子日本代表第3次強化合宿。小林は2月に初めて3x3の代表候補に名を連ね、10人に絞られた今回の強化合宿まで代表候補に生き残っている。初めて参戦した3x3PREMIER.EXEではUTSUNOMIYA BREX.EXEをリーグ優勝に導き、自身もファイナルMVPに輝くなど、小林は未知の世界だった3x3に急速にフィットしてみせた。

 その実績だけを考えても、小林の名が代表候補に残り続けていることは必然の結果だ。海外の名だたる強豪チームとも試合経験を重ね、チームとしても個人としても成長の跡を見せてきた小林は、今回の強化合宿では落合知也と小松昌弘に次ぐ経験値を持った選手として、自身の役割の重要性をよく認識していた。

「この1年近く海外でも試合をしてきて、どうすれば日本が世界で勝てるのかということは結構わかったつもりでいるので、その経験をどうやってチームに落としこむかということが今回のテーマでした。7月のオリンピック本番まで時間がない中で、他の選手に自分の経験を落としこめるかどうかだと思います」

 その成果は、今回の3日間という短い合宿期間でも得ることができたようだ。それはやはり、自身の経験を基に小林がより広い視野を持ってこの強化合宿に臨んだからこそ得られたものだ。そして、その成果がチームとしての代表候補をまとめあげることにも結びつき、小林の存在価値を証明していると言っていいだろう。

「今回の合宿では、1ガード3ビッグという布陣でどうやって3ビッグを気持ちよくプレーさせるかということを常に考えてました。特に昨日は自分のシュートを控えめにして、ずっとコントロールする側に回って、それが上手くいきました。逆に今日はあえて自分のシュートを増やしたら、案の定上手くいかなかった。自分は勝負どころで決めればいい、そういう考え方にフォーカスしたほうが良いという気がしました。そういうところは自分の今までの経験が活きてると思いますし、これまでの合宿を経て彼らに対する信頼を築けたことも大きいので、チームケミストリーは上がってきていると思います」

小林はB2の茨城ロボッツでも主力として活躍。10月には1試合30得点をマークした[写真]=兼子慎一郎

 小林は現在、B2の茨城ロボッツでプレーする現役Bリーガーでもある。同じくB2に所属する越谷アルファーズでプレーする落合と同様に、Bリーグのシーズン真っ只中の今も3x3の活動をチームに全面的に認められ、力を注ぐことができている。4月には再び世界と戦う機会も巡ってくるが、ちょうどその頃はBリーグもシーズン最終盤の最も大事な時期。小林は基本的に3x3を優先する意向ではあるが、Bリーグのシーズンを犠牲にするつもりもない。

「もちろんチーム状況にもよると思いますが、僕は契約の時点で『3x3をやりたい。オリンピックでメダルを獲るチャンスがある』ということを第一にして、当然『NO』というチームもあった中で茨城と契約したので、優先は3x3です。茨城でも主力で、チームとしても抜けられると困るところはあると思うので、難しい状況ではあります。ただ、僕は5人制をおろそかにすることはしたくないし、どちらでもプロフェッショナルになりたい」

 前述した3x3PREMIER.EXEファイナルで、小林は「茨城からはB2優勝とB1昇格の原動力になってほしいと言われてますし、BREXが世界で名を轟かせるその原動力にもなりたい」とも話していた。その高いモチベーションで、メダル獲得を目指す日本代表の躍進にも貢献してくれるに違いない。

文=吉川哲彦