2021.06.02

東京五輪への扉を開けたラストプレーに馬瓜ステファニーは「神様が助けてくれたシュート」

3x3女子日本代表のムードメーカーでもある馬瓜ステファニー[写真]=fiba.com
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「この勢いのままいけば勝てると思います」
 
 国内合宿中から東京オリンピック出場を懸けた「FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選」(以下OQT)に自信をのぞかせていたのが馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)だ。

 大会ではインサイドプレーやアウトサイドシュートなどオールラウンドな動きから得点を奪うだけでなく、ブロックショットなどディフェンスでも大きく貢献。MVPを獲得するほどの活躍を見せた。

 上位3チームに出場権が与えられるOQT。日本は予選の初戦でバスケット強豪国のオーストリアと対戦。これまで一度も勝利したことのない相手だったが、機動力を生かしたバスケットで競り勝つと、その後も白星を重ねて予選1位通過。準々決勝でもスイスを破り、準決勝へと駒を進めた。だが、準決勝ではフランスに惜敗。残り1枠を懸けてスペインと対戦した。

 スペインとの3位決定戦は、文字通り死闘に。残り1分を切って2点のリードを許した日本だったが、そこから山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)、そして残り6秒には篠崎澪(富士通レッドウェーブ)のドライブからのシュートで同点に追いつき、勝負は延長へともつれた。

 2点を先取した方が勝ちとなる延長戦。山本がドライブからのシュートで得たフリースローで1点を挙げる。すると最後は、カットインから山本のパスに合わせた馬瓜ステファニーがシュートを沈めて勝負あり。劇的な勝利を挙げた。

 帰国後、オンライン取材に対応した馬瓜は、この最後のプレーについてこのように振り返った。
「2ポイントを取る必要がない状態だったので、自分たちのスピード生かしてやっていこうというところでした。山本選手がミスマッチになったのですが、攻められなかった。そこで『自分がやってやる』という思いがそこまであったわけではなかったのですが(笑)、自然と練習した動き、パスカットなどの動きは練習してきたので、それがいいところで出たと思います」

 加えて、「最後は倒れながらではあったのですが、あれは神様が助けてくれたシュートではあるかなと。転びながらリングを見て、(シュートが)入ったのも見て『あー、終わったー』って(笑)。本当にうれしかったですね」と笑顔を見せた。

「日本のバスケットを表現できれば勝てると感じました。7週間で出来ることは限られていますが、それぞれが一生懸命やればオリンピックまでにもっと成長できるし、違うチームになれると思っています。一日一日を大切にして、成長した姿をお見せできるように最終的にメダルを獲れるように頑張りたいです」

  迫る本番に向けて抱負を語った馬瓜。その言葉からはたくましささえ感じさせた。

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