3x3日本選手権大会、女子はREXAKTが初優勝…MVPの矢野良子「これからも3x3の力になりたい」

計4試合中3試合でノックアウト勝利を飾ったREXAKT[写真]=Basketball King

 2月23日、大森ベルポートにて「Yahoo! JAPAN 第5回3x3 日本選手権大会」の男女準決勝、決勝戦が行われ、女子はREXAKT(山梨県)が優勝を飾った。

 22日の1、2回戦をともにノックアウト勝利で勝ち進んできたREXAKTは、準決勝でQUEEN BEE(千葉県)と対戦した。試合は中盤まで競り合うも、名木洋子のバスケットカウントをきっかけに差を広げることに成功。1分20秒を残して21点に到達し、3戦連続の快勝を収めた。

 決勝の相手は、湘南サンズ(茨城県)との準決勝を15-13で制して勝ち上がってきたSIMON(神奈川県)。REXAKTの矢野良子によると、SIMONとは「普段から仲良くさせてもらっている」関係であり、互いに切磋琢磨しているという。

 初優勝が懸かるREXAKTは、「2点(5人制でいう3ポイント)だけはやられないように。身長ではこっちが勝っているので、1点でやられても1点返せばいい」(矢野)という共通意識を持って決勝戦に臨んだ。

 立ち上がりから高確率でシュートが決まったREXAKTは、リバウンドでも主導権を握り先行する。矢野の2ポイントも決まって11-3と突き放すと、最後まで余裕を持ったまま試合を進めた。一方、序盤で引き離されたSIMONは早川優生、齊藤桃子がスピードを活かして意地を見せる。しかし、REXAKTの作戦通り1点、1点を挙げるにとどまり点差を縮められず。最終スコア20-11でREXAKTが女子の頂点に立った。

決勝で敗れたSIMON(左)だが、試合後は笑顔を見せた[写真]=Basketball King

 大会MVPに輝いたのは、REXAKTの矢野。その矢野は優勝を成し遂げ、「このチームで3人制に関わり始めて2年経ちましたが、日本選手権に出たのは今回が初だったので、いい形で終われて嬉しく思っています」と安堵。女子優勝チームには、男子のように国際大会の出場権は与えられないが、「私たちは試合で勝つことを目標にやっているので、結果が出たのは良かった」と喜びを噛み締めた。

 5人制のWリーグで20年間プレーし、2004年アテネオリンピックにも出場した矢野は、2017年から3×3へ転向して以降、精力的に3x3の普及活動を行っている。2018年には『3W(トリプルダブル)』という女子カテゴリにおける国内最高峰のツアーを立ち上げた。「女子には頑張ってオリンピックに出てもらいたい」と矢野が言うように、2020年東京オリンピックから正式採用された3x3の開催国枠は男子に適用され、女子は予選を経て本戦出場を目指す。

「自分たちも3x3が人気競技になれるように、これからも力になっていければいいなと思う」と今後を見据えたが、3x3の現状を知る矢野に言わせれば、人気種目になるまでは「まだまだ」だという。

矢野は安定感のあるプレーで優勝に貢献[写真]=Basketball King

「(オリンピックの)新競技の中で一番遅れを取っていると思うので、もっともっと結果を残していくこともそうですし、選手たちが自ら発信してメディアに取り上げてもらえるように現場が頑張っていかないといけないなと思います」

「女子に関しては、まだまだ環境だったりチーム数も少ないです。こういう大会をきっかけにこれからどんどん
増えていけばいいなと思っていますし、全員で盛り上げていきたいです」

 今大会の会場となった大森ベルポートは、2日間ともに観客席に座れず立ち見が出るほどの盛り上がりを見せた。3x3は女子であってもスピーディーかつ激しい体のぶつけ合いが繰り広げられ、ファンと選手との距離も近いため間近で“熱気”を感じることができる。MVPインタビューの最後に矢野は、ファンへ向けメッセージを送った。

「ぜひ3x3に注目して、皆さんにも会場に来ていただけたらと思います」

文=小沼克年

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