2017.01.04

オールジャパンからの飛躍に期待③、中野高紳(リンタツ)~リズムを生みだすシューター~

急成長を遂げるリンタツで活躍する中野高紳 [写真]=渡辺美香
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 Bリーグ、WJBL、社会人、大学、高校とオールカテゴリーのトップが日本一の座を争う第92回天皇杯・第83回皇后杯(オールジャパン2017)。アマチュアプレーヤーにとって、この大会は自身の実力を知る絶好の機会であり、Bリーグにとっては隠れた逸材を発見できるショーウィンドー的位置付けの大会でもある。

■中野高紳(リンタツ)

 リンタツは1年目から5年目までの選手で構成される、実業団では異例の若いチームだ。3年前東海地区から全国へと頭角を現したが、昨年度まではまだ「そのうち強くなるチーム」という評価だった。それが、今年度は全日本実業団競技大会で3位、さらに全日本社会人選手権では初出場で初優勝と一気にトップに上がってきた。1試合とおしてチームとして崩れることなくゲームを進め、個々の選手がやるべきことをやりきれるチームになったことが大きい。その崩れない要因の一つに中野のプレーがある。

 どんなにいいチームでも微妙にリズムが悪くなる時がある。ましてや若い選手ばかりのチームでは一度リズムが悪くなると立て直すのが難しくなる。そういう時、中野は積極的にどんどんシュートを打っていく。中野が流れを止めずシュートに行くことで、大きく崩れることなくチームとしてのリズムを取り戻す。さらにシュートが決まればチームに勢いが出る。これは決してやみくもに打っているのではなく、中野自身が「調子のいい時はどんどんいきます」と言うように、試合の中で冷静に自分とチームの状態を見ながら必要なプレーを選択している結果でもある。

「うちはトップでやっていた選手はいないけど、その分やってやろうという意識は強い」と松原達也ヘッドコーチは語る。このチームにとって、そして中野自身にとって、高いレベルのバスケットができる試合はそのまま大きな成長につながる。オールジャパンでは初戦となる2回戦の四国電力戦に勝利すればBリーグの栃木ブレックスと対戦できる。その経験は中野とチームをより高い位置に導いてくれるに違いない。

文=渡辺美香

■プロフィール
中野高紳(なかの・こうしん)
リンタツ 背番号19
シューティングガード 185cm
高知中央高校-日本体育大学

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