Bリーグ、WJBL、社会人、大学、高校とオールカテゴリーのトップが日本一の座を争う第92回天皇杯・第83回皇后杯(オールジャパン2017)。アマチュアプレーヤーにとって、この大会は自身の実力を知る絶好の機会であり、Bリーグにとっては隠れた逸材を発見できるショーウィンドー的位置付けの大会でもある。
■馬場雄大(筑波大学)
筑波大学の3年生、馬場雄大のプレーを初めて間近で見た印象は「次元が違う」だった。スピード感や跳躍力など身体能力だけではなく、彼の周りにある空気自体がどこか周りのそれとは違っているように思えるくらい、独特の動きと間がそこにあった。
試合中に撮影した写真を見返して改めて気になったのは彼の横の動きだ。微妙な間合いでディフェンスをすっとかわす横の動き、そこに彼の独特の空気感が生まれているのかもしれない。
さらに彼はプレー中、ほとんど表情を変えない。周りにどういう選手がいて、どういうプレーをしようとも、自分のリズムがずれることなくプレーを続けている。それは一見激しいプレーに見えるタンクシュートの時でさえ。「性格」と言ってしまえばそれまでだが、感情をコントロールし、冷静に状況判断ができていることの現れとも言えるかもしれない。
「次元が違う」プレーは見ている人をワクワクさせる。彼がボールを持つと、何かをやってくれると期待してしまう。そういう選手は多くないだろう。まだ大学3年生。これからまだまだ伸びしろがある馬場にとって、日本のトップクラスのチームと対戦できる可能性のあるオールジャパンは最高の舞台となる。
文=渡辺美香