2018.01.05

あらゆることが「勉強」、新潟アルビレックスBB期待の“地元っ子”今村佳太が大舞台で感じた課題

先発起用された新潟のルーキー、今村佳太 [写真]=山口剛生
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 1月4日、「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド(男女準々決勝~決勝)がさいたまスーパーアリーナで開幕。男子準々決勝第3試合は、シーホース三河新潟アルビレックスBBに96-72で勝利。2017年11月に、新潟に加入したルーキーの今村佳太はスタメン起用され、7得点3リバウンドを記録した。

 現在21歳の今村は、新潟のホームアリーナ「アオーレ長岡」が所在する新潟県長岡市の出身。高校までを同市内で過ごし、新潟経営大学4年次には、11月に行われた第69回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)で準優勝した筑波大学を相手に29得点の活躍を見せた。小菅学代表取締役が大学1年の頃からラブコールを送ってきたという、チーム待望の生粋の“地元っ子”だ。

 チームに帯同したのは12月2日から。12月16、17日のB1リーグ第12節三河戦の出場時間はほとんどなかったが、天皇杯準々決勝ではスタメンとして23分のプレータイムを得て、比江島慎金丸晃輔とのマッチアップを経験した。「金丸選手はオフボールのスクリーンの使い方、比江島選手はピック&ロールがうまかった。マッチアップのディフェンスだけでなく、他のディフェンスにまで視野を広げる意識はまだ自分にないところなので、すごいなと感じた」と、日本屈指の好プレーヤーから大いに学んだようだ。

比江島とのマッチアップも見られた [写真]=山口剛生

 オフェンスではアグレッシブなドライブでゴールに攻め続けた。「ルーキーなので果敢にいろいろチャレンジして、最初から最後までアグレッシブにやっていこうと思っていた」と振り返りつつ、「レイアップをブロックされることもあった。まだまだ外国籍選手に対するフィニッシュが足りないと思った」と課題を口にした。

 バスケットボールを始めた小学生の頃から、幾度となく生で試合を観戦してきた新潟アルビレックスBB。bjリーグからBリーグにリーグが変わり、2季目を迎える今季のレギュラーシーズンでは苦しい試合が続いている。それでも「ブースターの皆さんが本当に熱心に応援してくださるのは変わらないし、むしろあの頃以上にお客さんが増えて、地元に愛されていることを感じる」とコメント。また、さいたまスーパーアリーナという日本最大級のアリーナで行われた天皇杯を経験できたことは大きかったと、目を輝かせながら話した。

「学生の時には味わえないようなステージだった。自分の中でも勉強になるし、いろんなブースターの皆さんが見に来ている中でプレーできることがありがたい。これからのキャリアにつなげていければと思う」

 取材中、何度となく「勉強」という言葉を繰り返した今村。少年時代に心を躍らせたという、「ブレイクが決まった時の会場の盛りあがり」を自身の手で多く実現するためにも、この舞台で学んだことを大いに活かしてほしい。

文=青木美帆

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