2021.03.10

ともに決勝で雪辱を果たしたい川崎と三河の一戦は双方のディフェンスに要注目/天皇杯準決勝PV

[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

■第96回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会セミファイナル
川崎ブレイブサンダースvsシーホース三河(@さいたまスーパーアリーナ)

 3月12日に行われる第96回天皇杯全日本バスケットボール選手権ファイナルラウンドの準決勝第2試合は、川崎ブレイブサンダースシーホース三河の顔合わせ。Bリーグ以降の天皇杯の成績をひもとくと、川崎が2度、三河が1度準優勝。川崎は前回大会であと一歩及ばず敗れているだけに、今大会に賭ける思いは一層強いはずだ。対する三河は、西地区から今大会唯一のファイナルラウンド進出とあって、西地区代表の気概を見せたい。

 今シーズンの川崎は、リーグ戦開幕から外国籍選手を中心に故障者が頻発したこともあり、昨シーズンリーグ最高勝率をマークした圧倒的な強さはやや影を潜めていた。しかし、ジョーダン・ヒースマティアス・カルファニが復帰し、そのパフォーマンスが向上するとともにチームの成績も上向いてきた。1月13日の3次ラウンドでは第4クォータ―に千葉ジェッツをわずか7点に封じて勝利。リーグ戦も一時期は東地区6位だった順位を3位まで上げている。今回はカルファニが再び故障して出場できず、直前のリーグ戦で負傷した熊谷尚也の状態も気がかりだが、直近の10試合で9勝1敗と確実にギアは上がっている。

 逆に三河はこのところ白星のペースが落ちている。開幕から快調に西地区首位を走り、3次ラウンドでも琉球ゴールデンキングスを前半21点に抑えこみ、最終的に25点差の快勝だった。しかし、2月は2勝5敗と勢いが止まり、琉球に地区首位の座を奪われただけでなく、星の差はあっという間に5つまで広がった。自慢の得点力は下がっておらず、昨シーズンと比べて改善されつつあったディフェンスがここにきて再び崩れかけているのが気になるところだ。

 今シーズンの両者は別地区ながら4度対戦があり、川崎が3勝1敗と優位。その1試合平均得点は90点を超え、特に第20節の対戦ではアシストが2戦とも30以上を数えた。一方でターンオーバーが18個にのぼった試合もあり、4試合で計47個と決して少なくない。三河はディフェンスの強度を上げ、その数をもう少し増やしたい。また、軒並みリーグトップクラスの数字を残しているオフェンス面は川崎相手にも通用しており、特に個人ランキングトップ3を独占している3ポイントシュートの脅威は40分間与え続けたいところ。当然ながら、川崎としてもディフェンスの重点は金丸晃輔を筆頭とするシューター陣に置きたい。4度の対戦はハイスコアの展開が多かっただけに、双方のディフェンスに要注目だ。

 文=吉川哲彦

・川崎(ヘッドコーチ:佐藤賢次)
藤井祐眞
米須玲音 ※特別指定
青木保憲
篠山竜青
増田啓介
辻直人
マティアス・カルファニ
ニック・ファジーカス
大塚裕土
熊谷尚也
長谷川技
パブロ・アギラール
ジョーダン・ヒース

・三河(ヘッドコーチ:鈴木貴美一)
川村卓也
柏木真介
カイル・コリンズワース
長野誠史
高橋耕陽
熊谷航
金丸晃輔
根來新之助
シェーン・ウィティングトン
加藤寿一
シェーファーアヴィ幸樹
ダバンテ・ガードナー

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