「継続する力を身につけることが大事」 川崎ブレイブサンダース、篠山竜青が語るNBAとBリーグ

1月11日に放送されたオクラホマシティ・サンダー対ミネソタ・ティンバーウルブズ戦に篠山竜青川崎ブレイブサンダース)選手がゲスト出演しました。篠山選手に、今季のNBA、B.LEAGUEのことなどについて話してもらいました。

素材提供=WOWOW

――今日、NBAの解説をしてみてどうでしたか?
篠山 反省としましては、もう少し現役選手らしいコメントをできれば良かったなと思いました。ユニバーシアード代表時代の恩師(解説の)陸川(章)さんと2人でしたのでとてもやりやすかったですし、うれしかったです。大学時代にお世話になった方と解説できるようになれたのは本当に嬉しいです。

――今日の試合はいかがでしたか?
篠山 両チームともに今季は新加入選手を獲得して“ビッグ3”と言われるようなメンバーでやっていますが、今日のゲームでは明暗が分かれました。ティンバーウルブズはチームとしてうまくまとまっていて、1人1人の良さが出ていると感じました。サンダーも一人一人の良さはあるのですが、チームケミストリーの部分で苦しんでいるな、という印象を受けました。ティンバーウルブズの方は、ボールが良く回っていたのかなと思います。逆にサンダーは、ビッグ3が前にいく3人なので、彼らなりに考えながらやっているとは思いますが、そこの部分でまだ噛み合っていないな、と思います。

ウルブズのジミー・バトラーは、この試合で26得点7リバウンド8アシスト4スティールと大活躍[写真]=Getty Images

――NBAの面白さ、魅力を教えてください。
篠山 華やかなプレーがNBAでは一番だと思います。ダンクや身長が大きい人がすごく俊敏に動くなど人間離れしたプレイがある中で、身長が低い選手がボールハンドリングや3ポイントシュートを武器に活躍しています。そういったプレーを見るのは楽しいですね。個人的にはセットプレーの形やポイントガードとしての戦術的なことを最近は注目しています。

――今季のNBAで注目しているチームや選手は?
篠山 色々ありますが、1チーム挙げるとしたらボストン・セルティックスですね。カイリー・アービングがいて、わき役もかなり良い選手がいますし、ヘッドコーチ(ブラッド・スティーブンズ)の戦術も引き出しが多く、面白いバスケットをしている印象があります。プレーオフでクリーブランド・キャバリアーズに挑戦できるのか注目しています。現時点においてプレーオフで戦った場合、キャバリアーズが勝つとは思いますが…。でも、これからチームとして成熟していけば、チャンスがあるかなと思います。もしこのカードになれば、僕はセルティックスを応援します(笑)
 選手では、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がどれだけ出世するのか注目しています。新しい顔として今季どれだけの位置に登りつめていくのか楽しみにしています。

――自分が参考にしている選手はいますか?
篠山 色々な選手のたくさんの部分を参考にしていますが、強いて言うならばマイク・コンリー(メンフィス・グリズリーズ)です。左利きであることに共通点がありますし、左利きの良いところをどういうふうに生かしていくかというのはコンリーを参考にしています。小さい頃はアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)を真似して、跳びながらドリブルしたりしていました。

――B.LEAGUEについてお聞かせください。今シーズンここまで振り返ってみていかがですか?
篠山 序盤は苦しみました。東地区でなかなか勝ち星が伸びず、他地区の下位チームに取りこぼしもありました。その中で、チームとしてどのように戦わなければいけないかを学んで、コツコツと積み重ねてこられたものもあると思います。12月に入ってからは失点もかなり抑えることができて、東地区の上位チームにも勝てるようになりました。チームの成長はすごく感じています。天皇杯は三河に負けてしまいましたけど、まだまだいい時もあれば悪い時もあるので、そういう部分をもう少し良くしていかなければいけないと感じましたし、伸びしろがあるとも感じています。天皇杯を勝てなかったのは悔しいですけど、後半戦につながる試合だったと思います。オールスター明けから後半戦が始まりますが、優勝を狙えるチームであるという手ごたえを感じています。

――ご自身、またチームの目標を教えてください。
篠山 B.LEAGUE優勝を目標に頑張っていきたいです。

――2シーズン目を迎えるB.LEAGUEですが、盛り上がりなど昨年と違うと感じることなどありますか?
篠山 お客さんの数という意味では、全体的に少しずつ伸びているのは感じています。でも、1年目のほうがメディアの露出があり、2年目は落ち着いてきたなと感じることもあります。各チームが演出などを工夫し、会場の雰囲気はどんどんレベルアップしていると思うので、B.LEAGUEの盛り上がりを感じていますが、B.LEAGUEを知らない人に伝えていくのが大事だと思っています。

――会場まで見に来てくれるファンの方に自分のどんなところ(プレー)を見てほしいですか?
篠山 見に来た人は選手の大きさに驚きますが、その中で背が小さい自分が、小さくても攻守で頑張っているところを見てもらえればと思います。

――オールスターへの意気込みを教えてください。
篠山 サービス精神を持って、気の利いたことをやります! コート内外でファンにクスクスしてもらえるようなことをやりたいですね(笑)。

――2017年の日本代表を振り返ってください。
篠山 ワールドカップ予選のレギュレーションがホーム&アウェーに変わって、非常にタフなスケジュールの中で予選2試合を戦いましたが、結果が求められている中でいずれも負けてしまいました。色々と反省点は出てきています。試合のことはもちろんですが、試合までの準備期間のコンディショニングの持っていき方や戦術の理解などです。そういったところがあの2試合で出たのは次に向けて良い材料になったと思います。個人的には、代表にしっかりと選ばれて試合に出場できたのは良かったと思いますが、出ても勝利に貢献できていないのが現状なので責任はあります。もっともっと上達しないといけないということを、代表チームとしても個人としても感じさせられた1年でした。

――日本代表での今後の目標を教えてください。
篠山 ポイントガードとして選出されて、常に対比として選ばれているのは富樫(勇樹/千葉ジェッツ)選手なので、バランスを取るうえでも富樫は得点力があるポイントガードですし、長くボールを保持して得点を決めてくるのが彼の武器だと思います。僕は、富樫にないものと考えたときに、ディフェンスを武器にしないといけないと思っています。チームのペースをコントロールしたり、かじ取りの部分ではリーグで1番にならないと代表に定着できないと思っているので、そういう部分をしっかりと身につけて、誰からも代表に必要だと認められるのが目標です。

――最後にファンへメッセージをお願いします。
篠山 B.LEAGUEになって試合の迫力はもちろんですが、試合以外での演出なども含めて1つのイベントとしてすごく盛り上がっています。試合を見に行くというよりも、イベントに参加する気持ちで会場に足を運んでいただければと思います。バスケットボールのルールが分からなくても楽しめますので、ぜひ気軽な気持ちでアリーナに来てください。

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