2018.09.20

琉球が第2戦も激しいディフェンスからリズムをつかみ勝利、準決勝進出を決める

17得点をあげて勝利に貢献した琉球の橋本[写真]=アジアリーグ
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 9月19日、2日目を迎えたテリフィック12は、第3試合に琉球ゴールデンキングスが登場、中国の新疆フライングタイガースと対戦した。新疆は当初登録されていた元NBAプレーヤーのアル・ジェファーソンがロースターから外れ、昨シーズン、チームをけん引したダライアス・アダムスもベンチスタートという状況だ。

 昨日、PBA DリーグオールスターズIECOグリーンウォリアーズに103-75と圧勝した琉球は、試合開始直後こそ新疆の高さを生かしたオフェンスに手を焼くが、次第に持ち前の激しいディフェンスが機能し出すとペースをつかんでいった。アップテンポのリズムを作り出したのが、岸本隆一並里成のガード陣。早い切り返しで新疆のディフェンスを切り裂いてイニシアティブを握っていく。

ゴール下を制圧したのは琉球のスコット[写真]=アジアリーグ


 第2クォーター、新疆はアダムスをコートに送り出し反撃を試みるも、反対に琉球がリードを広げる結果となった。オフェンスでは第1クォーターで10得点をあげたジョシュ・スコットがこのクォーターもゴール下を支配、9得点をあげた。中盤には11-0のビッグランもあり、琉球がリードを広げ、前半を40-28で折り返した。

 第3クォーターに入っても琉球のペースは落ちない。岸本の3ポイントを皮切りに、スコットがオフェンスリバウンドをねじ込み、寒竹隼人が速攻に走る。さらに橋本竜馬がドライブや3ポイントを立て続けに決めると、琉球はこの試合で最大の22点のリードを奪った。その後もトランジションの中でディフェンスを振り切り、フリーの状況を作り出した琉球だが、オープンショットが決まらず、逆にそのボールを拾われ新疆の反撃を受ける結果となった。このクォーターは20-19と点数だけでは互角の展開と言えるが、それでもペースを握っていたのは琉球だった。

 第4クォーターは互いに疲れからか得点ペースが落ちたが、最終スコアは74-59と琉球がリードをキープして勝利。琉球は23点のスコットを筆頭に、後半だけで3本の3ポイントを決めるなどして14点をゲット、試合全体で17点をあげた橋本。さらに14点の岸本と3名が2桁得点をあげて勝利に貢献した。

並里をはじめとする琉球ガード陣の切れのあるプレーが勝利を呼びこんだ[写真]=アジアリーグ


 試合後の記者会見で佐々宜央ヘッドコーチは「アダムスとジェファーソンをどう抑えるかが勝敗を分けると、その準備してきた」とコメント。試合の直前までジェファーソンの不在を知らなかったと佐々HCは語ったが、「それならインサイドはジョシュ(スコット)がやってくれると思っていた。アダムスは本調子ではなく、うちのディフェンスにいらだっていた」と試合を振り返った。そして「ディフェンスは良かったが、ワイドオープンになったシュートを外しすぎ。それでもトータルで勝てたのは大きい」と反省点を指摘しつつ、選手のパフォーマンスには満足している様子だった。

 この結果、琉球はグループCの1位が決定し、準決勝にコマを進めることになった。9月20日に行われるグループAの名古屋ダイヤモンドドルフィンズと浙江ライオンズの勝者と9月22日の現地時間17時(日本時間18時)に対戦する予定だ。

文=入江美紀雄

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