2019.04.15

現役を引退したダーク・ノビツキーへ、元同僚のニック・ファジーカスがメッセージ

川崎ブレイブサンダースの大黒柱ファジーカスがノビツキーについて語ってくれた[写真]=B.LEAGUE
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歴代有数のレジェンドとしてNBAキャリアを終えたノビツキー

 4月11日(現地時間10日)に訪れた2018-19レギュラーシーズンの最終日。ダーク・ノビツキーは21年間に及んだ長いNBAキャリアに終止符を打った。

 1998-99シーズンからダラス・マーベリックス一筋でプレーし、同一チームに史上最長となる21シーズン在籍したノビツキーは、10日(同9日)に行われたフェニックス・サンズとのホーム最終戦で30得点、サンアントニオ・スパーズとのキャリアラストゲームでは20得点10リバウンドのダブルダブルをマークし、選手やコーチ、そして会場に集まった大勢のファンから盛大な拍手を送られ、コートをあとにした。

サンズとのホーム最終戦。会場に集まった2万人を超えるファンの前で引退を表明したノビツキー[写真]=Getty Images

 ドイツ出身のノビツキーは、NBA歴代6位の通算3万1,560得点をはじめ、通算出場試合数(1,522試合)、通算出場時間(5万1,368分)で歴代3位、フィールドゴール成功数(1万1,169本)で歴代8位、3ポイント成功数(1,982本)で歴代11位、フリースロー成功数(7,240本)では歴代6位、ディフェンシブ・リバウンド数(1万21本)で歴代5位という申し分ない成績をマーク。

 また、2007年にはヨーロッパ出身選手として史上初のシーズンMVP、11年にはマブスをフランチャイズ史上初の優勝へと導き、自らはファイナルMVPを獲得。そのほか、オールスターには14度、オールNBAチームには12度選ばれるなど、将来のバスケットボール殿堂入り間違いなしの功績を残してきた。

 213センチのビッグマンながらガードのようなプレースタイルで3ポイントまで軽々と沈めるノビツキーは、現在NBAでプレーする選手たちにも多大な影響を与えてきた。特に、相手ディフェンダーとの間に右足の膝を突き出してスペースを作り出し、片足で跳び上がってから繰り出す“One-Foot Jumper”(片足ジャンパー)は絶大な威力を持ち、ノビツキーへ多くの得点をもたらした。

「夜遅くにダークと一緒にワークアウトもしました」と明かしたファジーカス

 そこで今回は、ノビツキーと共にプレーした経験を持つBリーグの選手に話を聞いてみた。昨年、日本国籍を取得し、日本代表のトップスコアラーとして「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)の予選突破に絶大な影響をもたらしたニック・ファジーカス川崎ブレイブサンダース)である。

 ファジーカスは今年2月に永久欠番となったネバダ大学リノ校で4年間プレーし、平均18.8得点9.6リバウンド1.3アシスト1.5ブロックをマーク。2007年のNBAドラフト2巡目全体34位でマブスに指名され、07-08シーズンにマブスで4試合、ロサンゼルス・クリッパーズで22試合に出場。通算26試合で平均10.3分4.1得点3.4リバウンドを残した。

マブスとクリッパーズでプレーしたファジーカス[写真]=Getty Images

 マブスでノビツキーと共にプレーした期間は決して長くはなかったものの、ファジーカスへ大きな影響を与えたことは確かなようだ。4月13日の新潟アルビレックスBB戦終了後、ファジーカスに聞いてみると「(チーム練習で)彼と何度かマッチアップしました」と答えてくれた。そしてノビツキーとのエピソードを教えてくれた。

「彼とは練習が終わった後、夜遅くとかに一緒に練習場へ戻って、一緒にワークアウトとかもしました。彼の一番目立つことは、フットワークの練習やショットを放つ角度など、細かい部分を一生懸命練習することです。彼はすべてを把握していました。普通の選手はそこまで細かい部分を気にしないと思うんです。でも彼はそういった細かい部分も気にしていました。だからこそ、ここまでの選手になったんだと思います」。

ノビツキーのシグニチャームーブとなったワンフットジャンパー[写真]=Getty Images

 BリーグやW杯予選で、ファジーカスは絶妙なシュートタッチと巧みなテクニックを武器に得点とリバウンドを量産。210センチの高さを活かし、リング下ではフックショットやフローター、フェイドアウェイジャンパーなど多彩なフィニッシュで得点し、ミドルレンジやロングレンジ、3ポイントラインからも鮮やかなショットをリングに沈める。相手ディフェンダーとの間合いを把握し、ファウルを誘発してフリースローを獲得するテクニックは芸術的でさえある。

 そんなファジーカスも、時折ノビツキーのようなワンフットジャンパーを放つことがある。ノビツキーの影響があったかどうか聞いてみると「そうですね。彼はワンフットのフェイドアウェイジャンパーをマスターしていました。自分はそれを見て、たまに打っています。ただ、あまりファンには分からないかもしれませんが、ダークはものすごい練習時間を費やして、このショットをマスターしました。だからこそ、今の彼になったんだと思います」と教えてくれた。

「一緒に過ごした時間はとても楽しいものでした」とノビツキーへメッセージ

 ファジーカス擁する川崎は、新潟との2連戦に敗れてしまったことで、4月25日に幕を開ける「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP」では栃木ブレックスと対戦する可能性が高い。「今シーズン、栃木とは4回戦って4回とも負けています。敵地に乗り込んでプレーすることはいつもハードなので、一生懸命戦うしかないです」と、今後の意気込みを述べている。

川崎の絶対的な得点源としてチャンピオンシップを控えるファジーカス[写真]=B.LEAGUE

 Bリーグはレギュラーシーズン終盤で、チャンピオンシップが控える重要な時期なのだが、引退したノビツキーについて、ファジーカスからメッセージをもらうことができたので紹介したい。

「まずはすばらしいキャリアに対して、おめでとうございます。そしてお疲れ様です、と言いたいですね。僕は少ししか一緒に過ごしていないんですけど、とても楽しい時間でした。今後、殿堂入りした時に、彼のスピーチを楽しみにしています」。

 ヨーロッパ出身選手として、史上最高の選手という評価を得ているノビツキー。NBA史上有数のレジェンドとなったノビツキーは、近い将来に殿堂入りすることは確実。ファジーカスが語ってくれたように、ノビツキーが殿堂入りする際のスピーチを楽しみに待ちたい。

世界中のスポーツファンへ幾度も感動をもたらしたノビツキー。近い将来、殿堂入り式典でどんな言葉を発するのか楽しみだ[写真]=Getty Images

取材・文=秋山裕之