2019.04.21

嗚呼、北海道の春はいつ? レバンガついにB1記録更新の21連敗…

バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)。学生バスケをテーマにしたCM制作に携わったのがバスケに関する初仕事。広告宣伝・マーケティング業務のキャリアが一番長いが、スポーツを仕事にして15年。バスケどころの福岡県出身。

 Bリーグ2018-19シーズンも、ついに最終節。ワイルドカード1位で「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」への出場を確定させているアルバルク東京に挑むのは、連敗脱出が遠いレバンガ北海道。前節の秋田ノーザンハピネッツ戦も、第3クォーターまでの粘りが最後に途切れ初戦を落とすと、続く2戦目も大敗。今節連敗すれば21連敗のB1記録を更新することになる。「B1 残留プレーオフ 2018-19」への出場も決定している北海道だが、なんとか悪い流れを断ち切り、B1残留の熾烈なトーナメントに臨みたいところ。

 北海道は今シーズン、ブラジルの名将ホゼ・ネト新ヘッドコーチを迎え、東地区の台風の目として大きな期待を背負っていた。ネトHCはCRフラメンゴを指揮した2012年から4年連続でブラジルトップリーグを制し、ブラジル代表のスタッフとしても活躍。豊富な国際経験もあり、2017-2018シーズン善戦しつつも、CS進出を逃した北海道に足りない経験と戦術的な抽斗を与えてくれる存在と期待されていた。

 ところがケガ人が続出し、チームの構築に遅滞が生じると徐々にチームのベクトルはバラバラとなり、シーズン開始から19試合を戦って4勝15敗で東地区最下位と低迷。ネトHCは成績不振の責任を取り、クラブと双方合意の上で、無念の契約解除となった。あとを託された内海知秀ヘッドコーチも瓦解したチームの立て直しに四苦八苦。最終節の第1戦で負けると、リーグの連敗記録を更新するところまで追い詰められた。

 最終節の第1戦。CS出場に向けて気を引き締めて臨むA東京と、なんとか連敗を止めたい北海道の意地と意地がぶつかりあう激しい点の取り合いとなった。激しいダンクやタフショットを沈める北海道だが、冷静にノーマークから高確率でシュートを決め続けるA東京にジワリジワリと点差を明けられ、「良いゲームだったのになあ…」という感想は残るものの、84‐96と敗戦。北海道は39得点、14リバウンドを挙げたバイロン・ミュレンズの奮闘むなしく、ついにB1リーグ記録を更新する21連敗。不名誉な記録をリーグの歴史に残すこととなった。

 北海道は今シーズン、1試合あたりの平均観客数(19年4月4日時点)において、千葉ジェッツの5182人に次ぐ2位3726人と大躍進。昨シーズンの7位(2796人)から著しい成長を見せた。連敗中もアリーナへと足を運ぶレバンガのファン、ブースターに対し内海HCは「レバンガのファン、沢山のファンが応援してくれている。先日のホーム最終戦にも、連敗の中でも足を運んでくれています。今日もアウェイまで駆けつけて、大きな声援をくれている。」と苦境の中でもサポートを続けるファンに向けて謝辞を述べると、「我々は、なんとしてもレバンガらしいバスケットをして、最後まで懸命にプレイを続けなければなりません」と決意を口にした。

 勝ち負けだけが集客につながるわけではないことを示し、熱心なファンに支えられて2018‐19シーズンを送った北海道。しかし、チーム・クラブとして、その気持ちに甘えることなく、次のシーズンにつながる戦いや、プロと姿勢をしめすことが長く愛されるクラブとなるには必要になる。温かいファン、ブースターに育まれたメンバーだからこそ、それこそが最大限の”恩返し”になることは十分に分かっているはずだ。

文=村上成

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