2019.11.13

『発掘! Bリーグ女子』〜私がバスケを好きなワケ〜 第5回 小川万里奈さんの場合

連載第5回目は普段は書道家として活動するアルバルク東京ファンの小川さん
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2016年からBリーグを取材していて気づいたことがある。開幕から4シーズン目を迎えた今、試合会場に若い女性ファンが増えたことだ。声を上げて応援する人、2階席でお酒やアリーナグルメを満喫しながら観戦する人、いい写真を撮ろうとカメラ片手に選手を追いかける人……。楽しみ方は様々だが、彼女たちはどのようなきっかけでBリーグを知り、いつから観戦に訪れているのか。そんな彼女たちを、『Bリーグ女子』と銘打ち、話を聞くことにした。

■Bリーグ女子とは——。2016年に開幕した男子のプロバスケットボールリーグ『Bリーグ』の女性ファンを意味する語。ファン歴問わずBリーグ全体、または特定の所属チームが好きな女性を指す。略してB女(ビージョ)とも呼ぶ。

連載第5回目は、小川万里奈さん。普段は書道家として活動する小川さんは、アルバルク東京のホームゲームへ頻繁に足を運ぶBリーグ女子だ。書道家としての才能を活かし自作の応援グッズ片手に声援を送るなど、独自のスタイルで試合観戦を楽しんでいるという彼女に話を聞いた。

インタビュー・写真・文=小沼克年

竹内譲次さんのスクリーンを見てほしい(笑)

――まずは、小川さんがBリーグを知ったきっかけを教えてください。
小川 親友が試合観戦に誘ってくれたのがきっかけです。たしかBリーグが開幕して2シーズン目だったと思います。

――初めて観戦に訪れた試合は覚えていますか?
小川 青学(青山学院記念館)にサンロッカーズ渋谷島根スサノオマジックの試合を観に行きました。その日は私が好きなタレントの佐野ひなこちゃんがゲストに来ていたので、それが観戦に行った理由の1つでもありました。

――初観戦した時の素直な感想を教えてください。
小川 私は中学3年間しかバスケ経験がないので「外国人選手が多いな」っていう印象でしたね。(ロバート)サクレ選手が活躍してたのを覚えてますし、ベンドラメ(礼生)選手も最初は外国人だと思ってました(笑)。今振り返ってみると、その当時印象的だった選手は辻(直人)選手ですね。

――辻選手は川崎ブレイブサンダースの選手ですよね?
小川 テレビで放送されていた日本代表の試合(2018年2月22日/日本代表vsチャイニーズ・タイペイ)を何となく見てたんですけど、その試合で辻選手がメチャクチャ活躍していました。「3ポイントをこんなにバシバシ決められる日本人がいるんだ!」と驚かさせたので印象に残っています。

――小川さんが本格的にBリーグに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?
小川 2シーズン目がもうちょっとで終わる4月くらいだったと思います。アルバルク東京のホームゲームを観に行った時、日本人選手が活躍していたことが個人的に響いて、そこからハマり出しましたね。これからたくさん観たいと思っていたら、ちょうどシーズンが終わっちゃったので「次のシーズンからはいっぱい観に行こう」と決めました。

A東京のホーム・アリーナ立川立飛までは、毎回片道2時間かけて足を運んでいる

――興味を持ち始めた頃にオフシーズンに入ってしまったとなると、3シーズン目の開幕が待ち遠しかったと思います。
小川 そうですね。でも日本代表のワールドカップ予選があったので、千葉(ポートアリーナ)までオーストラリア戦を観に行きました。オーストラリア戦は、ほんと『スラムダンク』みたいな試合で興奮しましたし、生で八村(塁/ワシントン・ウィザーズ)選手も観れたので行って良かったです。そのあとはブレックスアリーナ(宇都宮)で開催されたアーリーカップにも行ったんですよ。代表選手がいなかったのは寂しかったですけど、アルバルクが優勝してくれました!

――昨年のオフシーズンから充実していたのですね。ちなみに、A東京ではどの選手が1番好きですか?
小川 竹内譲次選手が好きです。最初の頃は(田中)大貴さんと迷いましたが、譲次さんは身長が高くてダンクもできるし、けっこう3ポイントも入るので好きになりました。あと、譲次さんはスクリーンをかける姿勢がすごくいいんですよ(笑)。背筋がピンと伸びていて綺麗なので、今度チェックしてみてください。

――わかりました(笑)。アウェイの試合にも行きますか?
小川 そうですね。たまに遠方まで行くこともあります。最近だと昨シーズンのチャンピオンシップ初戦(vs新潟アルビレックスBB)のチケットが2日間取れたので新潟まで行きましたね。アウェイに行く時は会場の座席の場所とかがわからないことがあるんですけど、新潟ファンの方が会場のことを親切に教えてくれたので、すっごく助かりました!

現地観戦そのものを楽しむ書道ガール

――ご自身の中で“観戦時のマイルール”はありますか?
小川 試合観戦の時は友達とコーディネートを合わせて応援してますね。“双子コーデ”ってやつです。

――いつ頃から双子コーデをして観戦しているのですか?
小川 昨シーズンの開幕あたりからです。アルバルカーズ(A東京のファンクラブ会員)の皆さんは、ちゃんとユニフォームを着たりメガホンを持参して応援したりと“ガチ”な方が多いので、「私もそうなりたい!」と思って友達と服装を合わせることを思いつきました。

――いつもどのようにコーディネートを決めているのですか?
小川 ただ単純に応援Tシャツを合わせるとかではなく、その他にも可愛いキャップとかバンダナも販売されているので数点合わせるようにしていますね。

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約一ヶ月ぶりのバスケ観戦📣💕 girlsdayイベントほんと楽しかった🥰 毎回写真のやってほしい✨✨✨ いつもイベント盛り沢山で毎回観戦が楽しみです😌 男子バスケ日本代表もW杯出場決定おめでとうございます㊗️ 嬉しすぎて即席のお祝いプレート作ったよん🇯🇵🏀 #アカツキファイブ #竹内譲次#田中大貴#馬場雄大 大貴さんおめでとう〜って呼んだらちゃんとプレート見てくれてにこにこしてくれたよ〜♥️ そしてボールをポイってしてくれた🤭 いつもクールなのに。 流川だ流川。 馬場ちゃんは指差ししてくれてとびきりの変顔サービスを💕 なんてかわいさ。 譲次さんは安定の落ち着き☺️ 全部うれしかったな〜 相方の真希ちゃんとお祝いできて満足です🙏💓 #alvarktokyo#girlsday#2019#赤リボン#adidas#b女子#alv#alvarkcheerleader#アルバルカーズ#あるばるきゅん

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――ちゃんとこだわりがあるのですね。その他に独自の楽しみ方などはありますか?
小川 幼い頃から書道をやっていることもあって、自分の筆で文字を書いてオリジナルの応援グッズを作ってます。半紙にラミネート加工をしたり旗に直接書いたり。

――もう少し具体的に教えてください。
小川 日本代表選手がワールドカップ出場を決めてチームに帰ってきた時に、「どうにか『ありがとう』っていう感謝の気持ちを伝えられないかな?」と思って作り始めたんですよ。『祝・W杯出場決定』とかを書いて会場でアピールすれば選手たちが反応してくれるかなと。そしたら、あのクールな大貴さんが手を振ってくれました!

自ら考案したオリジナルの応援グッズは会場でも目を引く

――それは作った甲斐がありましたね。
小川 別の試合ではスタッフさんに『令和』って書いたのを見せたら、「ぜひ使いましょう!」って言ってくれて(マスコットの)ルークが持ってくれました。その様子が会場のモニターに映ったのですごくうれしかったです。

――デザインや文字はどうやって決めているのですか?
小川 ちゃんと考えてる、という感じではなくて直感ですかね? 書く文字や言葉はなかなか思いついかないので、ネタがあったらぜひ教えて欲しいです(笑)。とりあえずは周りに迷惑をかけないよう、なるべく自分の幅に収まるようにしています。旗に書く時は乾かす時間もあるので前日から準備しますけど、半紙サイズだったら30分くらいでできちゃいます。

――ご自身の職業を活かしていて、とても素晴らしいと思います。改めて、小川さんが思うBリーグの魅力を教えてください。
小川 私は会場での選手とファンの一体感が好きです。応援するファンも1階と2階では声がズレちゃうと思うんですけど、応援リーダーの方がわかりやすく音頭をとってくれますし、そういったところに優しさみたいなものも感じます。一体感のある応援ができれば、普通以上に選手の力にもなると思うんですよ。バスケの試合は「1分1秒も無駄にできない」というか、観る側ものんびりしていたらプレーを見逃してしまうので、試合中は常に集中しなきゃいけないってことも魅力の1つだと思っています。

――反対に「もっとこうなればいいのにな」という意見はありますか??
小川 Bリーグに対してというか、もっとテレビでBリーグのニュースを取り上げて欲しいです。今年のワールドカップで代表選手たちがテレビに出てた時は観ていて面白かったですし、バスケを知らない友達からも話をされたりしました。やっぱりテレビの力って大きいと思うので、八村選手だけじゃなく国内のことも取り上げてくれたら、もっとBリーグに興味を持つ人が増えると思っています。あと、私はSNSを頻繁に見る方ではないので、各チームの公式サイトをよくチェックしているんですよ。Bリーグの情報はなるべく見逃したくないので、全チームの情報が一気に見れる“まとめサイト”ができたらいいなって思います(笑)。

――『バスケットボールキング』がそういうサイトになれるように頑張ります(笑)。今シーズン、観戦するにあたっての目標を教えてください。
小川 アルバルクのホームゲームはこれからもできる限り足を運んで応援します。あとは来年の3月にあるアルバルクと滋賀(レイクスターズ)の試合に行きたいんですよ。

――アウェイでの試合ですよね?
小川 そうです。滋賀には(A東京から)期限付き移籍中のタクミン(齋藤拓実)と(シェーファー)アヴィ(幸樹)がいるので。他のアルバルカーズも現地で観戦予定の方が多いみたいなので、チケットが取れるかすごく不安です……。両チームに好きな選手がいるので、その試合はどっちを応援すればいいか困っちゃうと思います(笑)。

――その対戦カードは今シーズンA東京のホームで組まれていないので皆さん同じ思いなのですね。最後に大好きなアルバルク東京へメッセージをお願いします。
小川 今は試合に出れる選手が少なくて大変だと思いますけど、ケガ人が戻ってくればさらに強くなるので3連覇も十分狙えると思います。今年のCSはホームで応援したいです! あと、譲次さんを筆頭に各選手のことも好きですが、ルカ(パヴィチェヴィッチヘッドコーチ)も好きなので、ルカの公式グッズを作ってほしいです。きっと人気出ると思うので、ぜひよろしくお願いします(笑)。

小川さんがA東京ファンになって以降、奇しくもチームは2連覇中だ

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