2020.03.10

【B1各クラブ現状チェック】ベテラン勢の奮起で巻き返しに期待〜京都ハンナリーズ

昨季と比べ、チームスタイルは大きく変わらない京都 [写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第9回は京都ハンナリーズ。巻き返しを狙う終盤戦に向けて、ここまでの戦いを振り返る。

文=吉川哲彦

最高の滑り出しから一転…

京都の攻撃をけん引するマブンガ [写真]=B.LEAGUE


 今季のB1で最高のスタートダッシュを披露したのは京都ハンナリーズだった。オフ中に手術した岡田優介の連続スターター出場は途切れたが、代わってスターターに名を連ねた松井啓十郎が持ち前のシュート力を発揮。ジュリアン・マブンガデイヴィッド・サイモンの活躍は言うに及ばず、懸念されたポイントガードのポジションも現役大学生の中村太地がそつなく務め、開幕6連勝という上々の出足だった。

 しかし、その後3連敗を喫すると、2勝を挟んで13連敗と急降下。大量失点に加え、オフェンスも個々の役割を明確化しすぎたことで攻め手を読まれ、大差での敗戦が続いた。それでも12月末にようやくトンネルを抜け出すと、そこから7連勝。現在の成績は19勝20敗と1つの負け越しで西地区4位につけている。

 メンバーの入れ替えはあったが、チームとしてのスタイルは昨季と変わらず、今季も要所でマブンガがオフェンスをコントロール。トリプルダブル級のスタッツを残す一方で、ターンオーバーを乱発する試合が増えている。また、サイモンとともにほぼフル出場する試合が多い点も変わっていない。リバウンドが少ないというチームの弱点も昨季のままで、ディフェンダーと呼ぶべき選手が見当たらないのも失点増に直結している。

求められる新たな得点源

ルーキーながら主力として躍動する寺嶋[写真]=B.LEAGUE


 前述の通り選手個々の役割分担は昨季以上にはっきりと分かれ、松井とマブンガ、サイモンの3人がチーム総得点の約65パーセントを占める。ここに割って入る選手が現れなければならないが、その点で期待が高まるのがルーキーの寺嶋良。年末にデビューを果たすと、年明けからは主力の扱いを受けて2ケタ得点を連発。中断直前の試合では3ポイント3本を含む20得点を挙げた。寺嶋がチームの新たなスパイスとなれるかという点は要注目。そして、岡田を筆頭に存在感が薄くなっているベテラン勢の奮起にも期待したい。

 地区2位の大阪エヴェッサとは星の差5つ。その大阪と首位の琉球ゴールデンキングスとは直接対決が2試合ずつしか残っていないが、裏を返せば下位との対戦が多く、これは有利な材料と受け止めたい。今季は連勝と連敗を繰り返す傾向があり、ひとたび波に乗れば両者をとらえることも可能だろう。過密日程の中では、他チームに比べて遠征の負担が少ないこともアドバンテージだ。

 昨季はシーズン最終盤に負けが込み、手の届くところにあったチャンピオンシップの切符を逃した。今季はシーズン終盤の巻き返しで、昨季の雪辱を果たせるか。

岡田をはじめとするベテラン勢の奮起が期待される[写真]=B.LEAGUE

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