2020.03.11

【B1各クラブ現状チェック】取り戻した本来の姿、見据えるは悲願のリーグ制覇〜千葉ジェッツ

序盤戦の低迷から立ち直った千葉[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第12回は千葉ジェッツ。今季こそ悲願のリーグ制覇なるか。

文=吉川哲彦

中盤戦以降の勝率はリーグトップクラス

フリッピンの台頭が千葉復調の一翼を担った[写真]=B.LEAGUE


 開幕当初のつまずきをものともせず、現時点の勝敗は28勝11敗。千葉ジェッツは、気がつけば東地区首位の背中をとらえようとしている。

 昨季のスターター2人を移籍で失って迎えた今季、開幕からの7試合で2勝5敗。相手はサンロッカーズ渋谷宇都宮ブレックス川崎ブレイブサンダースと、現在の勝率を考えると納得のいく顔ぶれではあるが、それでも2シーズン連続準優勝、天皇杯3連覇中のチームとしてはまさかの不振だった。11月にはBリーグで1度も負けていなかったレバンガ北海道戦の連勝が21でストップし、その直後には天皇杯2次ラウンドで再び北海道に屈し、ファイナルラウンドに進むことなく4連覇の夢が潰えた。昨季まで順調に地力を増していただけに、今季の戦いぶりはどこか歯車がかみ合わない印象が強かった。

 しかし、シーズン序盤は出場機会を勝ち取れなかったコー・フリッピンが徐々に頭角を現し、ガード陣の故障でチャンスをつかんだ藤永佳昭が持ち味のディフェンス力を発揮すると、チームも本来のトランジションバスケットが出るようになった。宿敵アルバルク東京戦の連勝で波に乗った1月は8戦全勝。2月8日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦を2点差で落としていなければ、現在15連勝中となっているところだった。開幕8試合以降の成績は26勝6敗で、最初の7試合であと2つ勝っていれば川崎や宇都宮、A東京と同勝率で並走していたことになる。

目指すのは昨季を上回る結果

絶対的な存在感を放つ富樫[写真]=B.LEAGUE


 ここまで盛り返してきたのは前述の2人に加え、田口成浩原修太に安定感が出てきたことも要因。だが、千葉はやはり富樫勇樹を抜きに語ることはできない。昨季に比べると3ポイント成功率は少し下がっているものの、勝負どころでの決定力はむしろ増した感がある。周囲を活かすプレーも磨きがかかり、昨季を上回る1試合平均6.5アシストで現在ランキングトップ。ケガで昨夏のワールドカップ出場を断念せざるを得なかった悔しさは、少なからずその原動力になっているだろう。

 もちろん、2シーズン続けてリーグの頂点に立てなかった無念を晴らしたい想いも、富樫に限らずチーム全体で持っているはずだ。上位を射程圏にとらえ、ここからは宇都宮戦が4試合、A東京戦が3試合。直接対決を制して一気に抜き去る算段だろう。試合を重ねて着実に穴を埋めてきたディフェンスの完成度をさらに高め、52勝8敗でリーグ最高勝率を更新した昨季を上回る結果、リーグ制覇を成し遂げることはできるか。

安定感が増す副キャプテン田口[写真]=B.LEAGUE

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