2020.03.14

【B1各クラブ現状チェック】佐藤HC新体制で悲願のリーグ制覇へ~川崎ブレイブサンダース

川崎ブレイブサンダースは30勝9敗で中地区1位 [写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第17回は川崎ブレイブサンダース。終盤戦を勝ち抜き1位シードでCSへ乗り込みたい。

文=吉川哲彦

チーム転換期を経て、中地区首位を独走

辻直人はポイントガードとしてもチームに貢献 [写真]=B.LEAGUE


 昨季地区王者の新潟アルビレックスBBが大不振に陥り、大補強に動いたシーホース三河も大きく出遅れた。勝率5割以下であえぐ5チームを尻目に、川崎ブレイブサンダースは中地区で一人旅を続けている。

 佐藤賢次ヘッドコーチ就任や、今までは消極的だった他チームからの選手獲得など、転換期を迎えた今季の川崎。開幕節で宇都宮ブレックスを連破すると、第4節には千葉ジェッツも連破。島根スサノオマジックに敗れる取りこぼしもあったが、翌日には34点差でリベンジした。宇都宮と歩調を合わせたかのように15連勝も記録。天皇杯ファイナルラウンドではサンロッカーズ渋谷の勢いに屈し、横浜ビー・コルセアーズに21度目の対戦で初めて黒星を喫するなど、年明け以降はやや陰りも見られるものの、30勝9敗は宇都宮やA東京と並び、直接対決の優位でリーグ全体の首位に君臨している。

 チーム状況をつぶさに見ると、必ずしも順風満帆なシーズンではない。ワールドカップで負傷した篠山竜青は奇跡的に開幕に間に合ったが、辻直人は故障で出遅れた。シーズン中盤にはマティアス・カルファニに加えて篠山が再び大ケガ。天皇杯ファイナルラウンドでは、準々決勝で大活躍した藤井祐眞がインフルエンザで準決勝と決勝を欠場するアクシデントもあった。それでもチームが大崩れしなかったのは、補強が奏功した結果だ。大塚裕土熊谷尚也は期待された役割を遂行し、急きょ契約したジャマール・ソープも献身的な働きを披露。藤井の離脱の際に辻が代役ポイントガードとして見事なゲームコントロールを見せたことも忘れてはならない。

CSを見据えた終盤戦がスタート

ケガ人続出の中チームを支えた藤井祐眞 [写真]=B.LEAGUE


 中断期間中にはスペイン代表のパブロ・アギラールを獲得。ニック・ファジーカスジョーダン・ヒースとのコンビネーションが合えば相当な威力を発揮するだろう。増田啓介もプロの水に慣れてきた様子がうかがえ、ここに篠山が復帰すれば隙のない布陣になるはずだ。

 3シーズン前にはリーグ全体の首位でレギュラーシーズンを終え、ファイナルまでコマを進めている。他の追随を許さなかった当時と同じく、今季も地区優勝はほぼ確実な情勢。このまま宇都宮とA東京を抑え、1位シードの扱いでチャンピオンシップ(CS)に乗りこみたいところだ。その上で現在の順位をあてはめると、CSは順当にいけばファイナルまでの3カードすべてで東地区と対戦する見込みが高い。レギュラーシーズンの残り21試合のうち、第29節に再び相まみえるA東京戦は前哨戦として重要な試金石になる。

移籍の熊谷尚也はチームにフィト [写真]=B.LEAGUE

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