2020.03.17

「自分たちができる最善をコート上で表現するだけ」…SR渋谷のセバスチャン・サイズが示すプロ意識

両チーム合わせて最も長い時間コートに立っていたサイズ[写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 Bリーグが3月14日から無観客試合という形で再開した。B1に関してはFIBAアジアカップ2021予選での中断も含めると、約1カ月の中断期間となった。再開をしたものの普段アリーナにいるファン・ブースターがいない中でのゲーム開催、選手やコーチたちは率直に何を感じたのであろうか。3月15日に青山学院記念館で行われた、サンロッカーズ渋谷秋田ノーザンハピネッツのチャンピオンシップ出場を争うライバル同士の対戦後に話を聞いた。

「ファンの声援が自分たちのエナジーに変わると確信している」

 今シーズンから日本にやってきてセンセーショナルな活躍を続けているサンロッカーズ渋谷セバスチャン・サイズ。先日行われたFIBA EuroBasket 2021予選でもスペイン代表として活躍するなど、キャリアとして今シーズンは順調な形を歩んでいる。その中で起こった今回の情勢に対して、不安定な状況を考慮しつつ、冷静なコメントを残してくれた。

「これは自分たちの問題だけではなくて、世界的に拡大している問題です。その中で、感染しないようにしなくてはいけない。それと同時に自分たちは自分たちの仕事をし続けなければいけないという状況にありますが、それは自分たちだけではなく、世界中のみなさんも同じような状況だと思うので……。その中で自分たちができる最大最善のことというのは、仕事だけではなくて普段の生活でもやっていかないといけないと感じています。世界中でスポーツが中止や延期にはなっている中でBリーグは無観客試合を決断しましたが、その中でも自分たちができる最善のことを、プロとしてしっかりとコートの上で表現するだけだと感じています」

 キャリア初体験となった無観客での公式試合。ファン・ブースターの存在の大きさをあらためて実感したという。

「今までのキャリアの中で初めての経験になると思います。プレシーズン時にしっかりクローズの状態でスクリメージはしたことありますが、公式試合では初めてですね。やっぱりお客さんが居ない中でのホームゲームは、アドバンテージはないと考えています。ファンが居るかどうかというのは、自分たちがプレーする上で重要かつ大きな要素の一つなので。やっぱり自分たちがプレーをしていて力を貰うのはファンからの大きな声援を聞いた時、それが自分たちのエナジーに変わると確信しています。それはバスケットボールに限らず、他のプロフェッショナルなスポーツを仕事にしているアスリートであれば同じように感じることですよね」

 そしてあらためて、大好きなバスケットボールができる喜びも合わせて実感することができた2日間だったと振り返る。

「こういう状況の中で今回は試合をすることができましたけど、この状況の中では来週を含めて、これからがどうなるのかは分かりません。その中で、自分が情熱を傾けている大好きなバスケットボールをプレーすることができて、すごくうれしかったです。また今後どのようになるか予想できませんが、生まれ育った故郷の人たちも自分のプレーを見て、喜んでくれたんじゃないかなと思います」

取材・文・写真=鳴神富一

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