Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
初のレギュラーシーズンMVPを獲得した田中大貴(アルバルク東京)は授賞式で「フロント、スタッフ、コーチ陣、そしてチームメートに感謝したいです」と喜びを隠さなかった。後日、その田中に改めて今シーズンを振り返ってもらった。インタビューではチームメートやスタッフのこと、MVP受賞の意味、そしてどんな思いを持って今シーズンに臨んでいたかなどをたっぷりと語っている。
取材=入江美紀雄
――レギュラーシーズンMVP受賞おめでとうございます。まず今シーズンを振り返ってほしいのですが、3連覇を目指すシーズンの開幕直後はケガ人が出たこともあり、なかなかベストメンバーが組めない苦しい状況でした。そのころを振り返ってください。
田中 自分としては(馬場)雄大(テキサス・レジェンズ)がチームから離れると開幕前に分かった時、自分たちにとってかなりダメージがあるだろうと覚悟はしていました。昨シーズンのようにうまくいかないこともあるのではないかと。でも雄大がいなくなったから成績が落ちたと言われるのは本意ではないですし、「自分たちだけでも戦えるぞ」ということをアピールしたかったのでモチベーションにもなりました。
――逆にやってやろうという感じですか?
田中 仮にそうなってしまったらチームを離れた雄大も申し訳なく思うでしょうし。だったら「いなくても大丈夫」というくらいの成績を残してやろうと思ってました。
――その中で長い期間離脱することもなくシーズン過ごせたのは久々ではありませんか?
田中 今シーズンは2試合休んだだけでしたが、これまでのシーズンと違って自分がいないことが周りの選手の負担になるとも思っていました。事実、(小島)元基が離脱した時、安藤(誓哉)が見ていてかなり負担になっていたように感じました。今まで見たことのないような疲れ具合だったので、自分もケガして抜けるのはまずいという思っていました。ですから今シーズンは全試合に出るつもりでいたので、普段以上にコンディショニングに気をつけてましたね。
――2連覇中のアルバルク東京に対して、各チームが様々な策を打ってきたとも言えます。
田中 今シーズンは(サンロッカーズ)渋谷や秋田(ノーザンハピネッツ)が良い例で、動けるビックマンが激しいディフェンスを仕掛けて来る傾向にありました。宇都宮もそうですね。自分たちもそれに対してどうやってアジャストするのかを練習でもずっとやってました。
――アルバルクではフィニッシャーでもありながらボールハンドラーの役割も持っています。ボール運びをしてピックの起点になったり、最後にシュートを放ったりと仕事は多いと言えます。アレックス・カークとの連携も年々良くなっていると思いますが、”ゲームを作る”ということに関する成長度はどう感じていますか?
田中 年々良くなっていると思います。練習も試合も重ねてますし、長くやればやるほど成熟していくものではないでしょうか。ルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチが就任した当初よりは良くなってなきゃいけないというものはあります。
――手応えを感じますか。
田中 はい。でももっと完璧にこなしたいとも思っています。試合だけではなく普段の練習から完璧にできるようにしたくて。それは自分の中でルカHCに教えてもらっていることがモチベーションにもなっていることにもつながっていて、彼に認められたいという思いもありますから。今まで世界のいろんな国でいろんな選手を指導して見ているので、彼が求めるレベルに一緒にやっている間になるべく近づけるようになりたい。どこかで認めてもらいたいなという思いがあるので、普段から彼にアピールしていて。それがモチベーションの1つになっています。
(後編に続く)