2020.09.13

【 #B飛躍の5年目へ 】信州ブレイブウォリアーズ・勝久マイケルHC「日本一を目指して日々成長することが目標」

信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケルヘッドコーチ[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 10月2日から開幕するBリーグ。B1に所属するクラブは昨シーズンの18から2つ増えて20となり、それにともなって東西2地区制へと変更となった。また、ベンチ入りできる外国籍選手が2選手から3選手になるというルール変更が行われたため、開幕5年目を迎えるBリーグでの戦い方は、大きく変化すると想定される。そこで、バスケットボールキングでは、B1全20チームのヘッドコーチにインタビューを行い、今シーズンの戦い方や目標などを聞いた。

 第2回は、2年連続でB2最高勝率を記録し、悲願のB1昇格を果たした信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケルヘッドコーチ。B2で1試合平均63.1失点と堅い守備を誇ったチームは、今シーズンB1でどのように戦い抜くのか。

インタビュー・文=吉川哲彦
取材日=2020年8月13日

――信州で3シーズン目を迎えますが、今シーズンは舞台がB1ということで今まで以上の覚悟や決意はありますか?
勝久 もともと日本一を目指すということで就任しています。B1の舞台に立つということは一歩近づいたということであり、日本一を目指すことに変わりはないので、B1だろうとB2だろうと同じ思いです。

――3シーズン目にB1に挑むというのは、ここまで順調にきている証とも言えますか?
勝久 2年連続でB2の1位なので順調だと思いますが、満足はしていないですし、もっと成長できるという部分ばかりが目につきます。成長を目指す姿勢がなくなったら終わりだと思います。

――昨シーズンを振り返ってみて、どんなシーズンでしたか? また、それを受けてどのような補強をしたのでしょうか?
勝久 もし最後まで試合があったらもちろん自信はありましたが、勝負事は保証もないですし、何よりああいう形で終わってしまったことは心残りです。一昨シーズンにブースターの皆さんとコートで一緒に喜べたことは本当に特別な経験で、昨シーズンの昇格も信州のみんなで喜びたかったです。

 今シーズンは良い選手が残ってくれて、彼らはB1でも通用すると思っています。とはいえ、時には壁にも当たる可能性もあるので、そういう時にB1で結果を残してきた選手が、その自信がチームにポジティブな影響を与えることも必要だと思います。必要なスキルセットだけでなく、そういう意味でも小野龍猛選手の加入は大きいと思います。増子匠山本エドワードも大きな武器になりますし、ジョシュ・ホーキンソンは我々のシステムにフィットする選手です。ヤン・ジェミンはとてもハングリーでバーサタイル(万能)な選手です。そして、我々の一番の強みは大黒柱のアンソニー・マクヘンリーウェイン・マーシャルですし、この信州でルーキーから育ってきた若手たちにもとても期待しています。

“Play The Right Way”、正しい方法でプレーする

――その既存の選手と新加入の選手を融合させることも含め、どういうチーム作りを考えていますか?
勝久 これまでディフェンス、エナジー、コミュニケーション、遂行力といったコントロールできることを徹底することで、良いチームを作ってきたと思っています。それを継続することが大事。新しい選手には我々のカルチャーにフィットしてもらい、システムを理解してもらって、その上で彼らの良さを引き出したい。コアの部分は変わらないので、これからもビルドし続けたいと思います。

――そのコアの部分はご自身のコーチング哲学からきているかと思います。これまで大事にしてきた信念とはどういったものでしょうか?
勝久 “Play The Right Way”、訳すと「正しい方法でプレーしろ」ということですが、1つの方法しかないということではなく、チームで戦うこと、全力でプレーすること、スタッツではなく勝利のためにやること、ゲームに対するリスペクトが“Play The Right Way”。そういったバスケットに対する価値を大事にしてきました。

――それでは、今シーズンの目標をお聞かせください。
勝久 今までと変わらず、日本一を目指して日々成長することが目標です。何勝したい、何位を目指すと言っても、チームが毎日成長するかどうかでそれを達成できるかどうかも変わります。優勝した年も「優勝を目指す」とは1回も言ったことがないんです。常に同じ目標を持ち、プロセスにフォーカスし、毎日その内容を見て、それを良くしていく。そうすれば結果はついてきます。

――最後に、ブースターの方々へメッセージをお願いします。
勝久 大きなチャレンジが待ち構えています。我々は今までと同じ目標を持って、今まで以上に一つひとつの試合が最後かのように戦います。今は安全に、健康に過ごしていただいて、昨シーズンの分まで喜びを分かち合える日を楽しみにしています。

「常に同じ目標を持ち、プロセスにフォーカスする」と話す勝久マイケルHC[写真]=B.LEAGUE

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