2020.09.25

新天地へと移った狩野祐介が決意を固める…「今季はリーグNo.1シューターになる」

日本サッカー協会を経て、フリーランスのスポーツライター・カメラマンに。東海地方を拠点に、サッカー、バスケットボールなど様々なスポーツの取材を行う。

 9月22日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ滋賀レイクスターズとのプレシーズンゲームを行い、84-70で勝利した。非公開の群馬クレインサンダーズ戦を含め、プレシーズン5試合を戦った名古屋Dは、初戦の宇都宮ブレックスでは敗れたものの、ファイティングイーグルス名古屋の2連戦と滋賀戦に3連勝。大型補強で注目が集まる中、順調な仕上がりぶりを見せた。

 しかし滋賀から移籍加入した狩野祐介は、開幕に向けて今一度気持ちを引き締める。

「自分たちのバスケットができた部分もありますが、もっともっと徹底したディフェンスとそこから走ることを意識しないとB1では勝ちにつながらない。そこを開幕までにしっかりと準備していきたいと思います。コミュニケーションひとつで改善できるところもあるので、移籍してきた僕たちがコミュニケーションをとって、よりいいチームをつくっていきたい」

今季の目標は「リーグNo.1シューターになること」

 昨シーズンは3ポイントシュート成功率が31.7パーセント、前年の36.4パーセントから約5パーセントも下がった名古屋D。その課題を埋める存在として、梶山信吾ヘッドコーチが白羽の矢を立てたのが、昨季リーグ5位となる3ポイントシュート成功率41パーセントを誇った狩野だった。

 Bリーグ初年度より4年間在籍したチームを離れ、新たな挑戦を決断した30歳のSGは、プレシーズンゲームでの自身のプレーを一言一言丁寧に振り返った

「自分のプレーに対しては、まだまだ探り探りなところがあります。チームの流れを意識しているので、たぶん移籍する前のチームであれば打っていただろうなというシュートを今は打っていません。

 もう数本打てる場面がありましたけど、打たずにピックを呼んでピック&ロールしたり、そういう判断に持っていきました。もちろん自分が打たないといけない場面もありますが、今は自分がバンバン打つよりもチームのバランスの方が大事だと考えています。
 
 チームメイトやヘッドコーチから『それでも打ってくれ』と言われるくらいの信頼を勝ち取って、接戦で試合を決定づけるようなシュートを決めるとか、今までいた選手ができなかったところを僕ができたらと思います」

 確かに、狩野のプレシーズン4試合の平均3ポイントアテンプトは2.8本。プレータイムの違いもあり一概に比較はできないが、昨シーズンの5.7本に比べるとかなり少ない。一方で、シュート確率は54.5パーセントと、より確実な判断をしていると感じられる。

 今シーズンの個人目標は「リーグNo.1シューターになること」と話す狩野。抜群の安定感は、新天地でも他チームの脅威になりそうだ。

狩野はプレシーズンゲームで54.5パーセントの高確率でシュートを沈めている[写真]=山田智子

「勝つためには、一人一人の意識を高めることが必要」

 滋賀ではキャプテンを務めていた狩野。名古屋Dでもそのリーダーシップを買われ、サブキャプテンに抜擢された。
「彼のリーダーシップは今までのうちにはなかったもの。練習から声を出してチームに貢献してくれています。
プロとしての姿勢もすばらしい。練習の1、2時間前に来てストレッチをしたり、コート外でのプロとしての言動が若い選手がたちにとって見本になっている。そういう部分も含めて、サブキャプテンになってもらいました」と梶山ヘッドコーチも信頼を寄せる。

 プレシーズンゲームでも、積極的にチームメイトに声をかける姿が目についた。
「やはり雰囲気は大事ですし、コミュニケーションを取って、今チームが何をしなきゃいけないかを共有し、チームで戦うことが大事だと思うので、意識的にやっています」

 目標に掲げる「チャンピオンシップ進出」に向けて、狩野はまだまだ厳しさが足りないと続ける。

「若くて、和気あいあいとしているのですが、それだけでは勝つチームにはなれません。ミスが起こっても和気あいあいとしていると流してしまう部分があるのですが、そこを流さずに厳しさを持ってやっていきたい。勝つチームはけっこうピリピリしていますし、日々の生活もちゃんとしているので、チーム一人一人の意識を高めるためにも、そういったところを自分が発信していきたいと考えています」

 リーグ屈指のシュート力とキャプテンシーで、若くて高いポテンシャルを秘めるチームを勝つ集団へと変革していく。

 写真・文=山田智子