2020.12.04

宇都宮ブレックスの田臥勇太&比江島慎がシーズン序盤戦を語る。「チーム全員が役割と責任を果たしている」

インタビューにこたえてくれた田臥勇太(右)と比江島慎の両選手 [写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

ブレイク期間が開けて再開したBリーグ。12月4日現在、B1リーグ全体で勝率1位(14勝2敗)で首位を走っているのが宇都宮ブレックスだ。チームリーダーの田臥勇太は11月14日の広島ドラゴンフライズ戦で370日ぶりにコートに復帰。エースの比江島慎はブレイク期間に日本代表の合宿に参加し、オリンピックを見据えながらのシーズンを送っている。ブレックスを支える主軸2人に、ここまでの戦いぶりと5年目を迎えたBリーグの成長について語ってもらった。(写真は2人が11月上旬に参加した、三井不動産レジデンシャル × ナイキによる新時代のスポーツパーク“初”のスポーツ教室、「TOKYO SPORT PLAYGROUNDキッズクリニック」より)

取材・写真=小永吉陽子

5年目のBリーグを田臥は「年々レベルが上がっている」と評価

田臥にはチームのこと、5年目を迎えたBリーグについて聞いた [写真]=小永吉陽子

――田臥選手、お帰りなさい。2019年11月以来、370日ぶりにコートに立った感想は。

田臥 何よりチームのみんなとプレーできることがうれしかったし、ファンの方々の拍手が温かくて本当にうれしかったです。たくさんの方の協力のおかげでコートに戻ってくることができました。こういう大変な状況の中でバスケットができることに感謝の気持ちでいっぱいです。

――外からチームメートの活躍を見ていたときはどのように感じていましたか?

田臥 外から見ていて強く感じたのは、一人一人が役割と責任を果たそうと強い自覚を持って戦っていたことです。チームのみんなが「試合ごとに成長しなければ」という同じ気持ちを持って戦っていましたね。こうやって戦っていけば、長いシーズンを通して成長していけると感じています。

――比江島選手は、ここまでチームと個人の出来について、手応えをどう感じていますか?

比江島 僕自身は開幕節に膝を痛めてしまったのですが、今は良くなってきていますし、チームとしては、新しい外国籍選手のLJ・ピークも、ジョシュ・スコットもブレックスに合っていて、連携ができている手応えはあります。僕らが目指しているチームディフェンスをやり通すことができれば優勝できると思っているので、引き続き、このまま戦っていきたいです。個人的には今年でブレックス3年目なので、今年にかける思いはものすごく強いです。ブレックスはタイムシェアするチームですけど、僕が出た時は120%でやろうという意気込みでやっています。

――今年はBリーグ5年目。リーグの進化と変化をどのように感じていますか?

田臥 年々、競争が激しくなっていますね。どのチームも外国籍選手と日本人選手の補強に力を入れていることを強く感じますし、毎試合ディフェンスの強度が激しくなっているので、レベルが高くなっていますね。今はコロナの影響でアリーナに入場制限がかかっていますが、それでもファンの方々が増えていることを実感しますし、年々注目度が上がっていくことを感じます。

比江島 Bリーグが発展していることはもちろん感じています。とくに外国籍選手のレベルが高くなっていますし、今年は帰化選手も多くなっているのでリーグのレベルが上がっていますね。リーグ全体的としてもディフェンスの強度が高くなっていることを感じます。

――比江島選手自身はワールドカップで出た課題をどう踏まえてリーグに臨んでいるのでしょうか?

比江島 ワールドカップでは、もっとプレーの強度を高めなければ、という反省が出ました。日本代表選手から強度を高めていけば日本全体のレベルが上がると思うので、Bリーグではその意識を持ってやっています。個人的には、去年のワールドカップでは自分の持ち味を出せませんでした。その反省をBリーグで克服していきたいです。自分の持ち味はドライブを中心に得点することであって、パスをすることではありません。でも去年のワールドカップでは、もっと点を取れる人がいるのでは、という思いからパスをしてしまい、そこに迷いがありました。

 僕はオリンピックがあると信じて今シーズンを戦っていますし、オリンピックがある前提で準備しながら戦っているので、シーズン中の戦いがものすごく大事な時間になります。ブレックスでの役割は大事なところで得点を取ることなので、リーグを戦いながらプレーの質とレベルを上げていきたいです。

田臥の復帰に比江島は「田臥さんとプレーするために移籍してきた」

「コロナ禍の中でプレーするという特別なシーズンを送っている」と比江島 [写真]=小永吉陽子

――田臥選手は今年の10月5日で40歳になりました。今もこうして第一線でプレーできる原動力は?

田臥 「バスケットが好き」という思いだけですね。毎日の練習でチームメートとバスケができることが楽しいですし、チームメートやファンの皆さんと勝利を分かち合えることがうれしくて、ここまでやってこれました。チームメートやファンと一緒になって戦う喜びというのは、年を重ねれば重ねるほどわかりますし、年々そのありがたみが増しているのでそれが原動力ですね。ケガからの復帰に関していえば、膝をケガしたのははじめてのことで、今後はこのケガとどう付き合いながらプレーしていくか、どう準備や調整をしていくかを考えながらやっていくことになります。そうしたことも、これから長くプレーを続けていくための新たな勉強であり、チャレンジになると思います。

比江島 僕がブレックスに来たのは田臥さんとプレーがしたかったことが理由だったので、この2年、ずっと一緒にバスケがしたくてたまらなかったです。

――現在、ブレックスは14勝1敗でリーグ全体の首位にいます。今シーズンにかける思いを聞かせてください。

比江島 今シーズンはコロナ禍の中で戦う特別なシーズン。もちろん優勝を目指すという目標は変わりませんが、シーズンを通して僕たち選手がファンの方たちに勇気を与えることを意識しながら、優勝を目指したいです。

田臥 マコ(比江島)が言った通りです。今シーズンは選手だけでなく、チームに関わる人や、ファンの皆さん全員が経験したことのないシーズンを送っているので、今シーズン優勝できれば、特別な喜びを分かち合えると思います。目標を達成できるようにチーム全員で頑張ります。

――ところで、11月の上旬には2人揃って、東京新豊洲に新しくできたナイキがデザインしたスポーツパーク「TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ART」で子どもたちにレッスンをしました。子どもたちとバスケットボールをした感想は?

比江島 東京では誰もが気軽にバスケをしたり、体を動かしたりできる環境があまりないと思うので、あのようなカラフルなバスケットコートは貴重ですね。子どもたちと触れ合ってみて僕も楽しめたし、新たなモチベーションになりました。

田臥 素晴らしいコートで子どもたちとバスケットができて楽しかったです。子どもたちが楽しそうだったので、僕も一緒に楽しむことができました。またあのような素敵なコートで子どもたちと触れ合いながらバスケをしたいですね。今はコロナで大変な状況ですけど、子どもたちには「バスケを楽しむことがいちばん大事だよ」と伝えたいですね。

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