「コロナ禍で大会が中止となった中学生のために」。サンロッカーズ渋谷、BリーグパートナーでSR渋谷のパートナーも務める大塚製薬、渋谷区の3者は3月11日、渋谷区立中学校のバスケットボール部員を対象としたオンラインイベントを開催した。サンロッカーズ渋谷からベンドラメ礼生、石井講祐の2選手が参加。「プロアスリートに聞く体づくり」をテーマに交流を図った。
同イベントは中学生が対象ということもあり、自身の中学生時代の話を振られた両選手。ベンドラメは「絵を描くのが好きだったので、バスケの強豪校から声が掛からなかったら芸術系の学校に行きたいと思っていた」、石井は「ただバスケットを楽しんでいたころだった。キツい練習をああだこうだ言いながら乗り越えていた」と振り返った。2選手とも中学生のころにプロ選手になれると思っていなかったと話し、「強い高校に入ってからプロを意識しはじめた」(ベンドラメ)、「プロを目指したのは大学を卒業してから」(石井)と回顧した。
その後、大塚製薬の担当者による講義が行われた。タンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルという五大栄養素をバランス良く摂ることが重要で、運動する中学生の男子は2900~3150キロカロリー、女子は2550~2700キロカロリー摂取する必要があるとアドバイス。両選手とも中学生のころは「おなかいっぱい食べていた」と振り返ったが、現在は栄養士の管理のもとバランスの良い食事を心がけているといい、石井は4年前に食生活を見直した結果、「体調やパフォーマンスがガラッと変わり、食事は大事なんだと実感した」と語った。
イベントの最後には中学生から選手への質疑応答が行われた。「何を食べたら大きくなりますか?」との質問にベンドラメは「大きくなる、強くなると信じて白米をたくさん食べていました」、石井は「食事をバランス良く摂って、きちんと寝ること。夜更かしをしない」と答えた。「筋肉をつけるために食べているものは」と問われると、「鶏の胸肉や魚を食べているけど、それを食べたからといってつくわけではない。バランス良く摂って、適度な筋トレをする必要がある」(石井)、「間食でサラダチキンを買って食べている。それを食べるのが大事」とコメント。さらに、シューターとして活躍している石井に質問があるという中学生が「スランプやシュートが入らない時はどうやって乗り越えていますか」と質問し、「シュートを打つことを怖がらないこと。打ちに行く姿勢を大事にして、大切な場面でシュートを打つことを目標にするなど、少しハードルを下げることも大事」とアドバイスを送った。
新型コロナウイルス感染拡大で直接触れ合うイベントが制限されている中、双方にとって貴重な時間となったようで、「僕たちの経験がみんなの役にたてばうれしい」(石井)、「プロを目指している人がいるなら今日聞いた話を続けて『あの時話をきいてここまで来た』と言ってもらいたい。いつかプロの舞台で一緒にプレーしよう」と締めくくった。