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5月22日、沖縄リーナで「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21」のセミファイナルがスタート。初戦はアウェーの千葉ジェッツがホームの琉球ゴールデンキングスを96−85で破り、ファイナル進出へ王手をかけた。
第1クォーターは互いに様子をうかがうような展開、試合が動いたのが第2クォーターだ。冒頭、琉球が2−3のゾーンディフェンスを敷くと、千葉のギャビン・エドワーズが最初の攻撃でバスカンを決めると、シャノン・ショーターもリングにアタックして再びバスカン。一気に流れを引き込んだかに見えた。
それでも粘る琉球はドウェイン・エバンスのドライブや岸本隆一の3ポイントシュートで食らいついていく。千葉がリードを広げれば、琉球がその差を詰める展開は終盤まで続いたが、最終的に勝敗を分けたのは千葉の高さだ。リバウンド総数は千葉の49本に対して琉球は32本、ペイント内での得点が千葉の50に対して琉球は38、セカンドチャンスの得点が千葉の23に対して琉球は13本と、勝敗に如実に反映されたと言えるだろう。
試合後の記者会見で試合を振り返った琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは何度も「もう少し」という表現を用いた。「選手たちはファイトしてくれたと思います。ハードワークをしてくれましたが、この結果でした。明日、もう一度準備してきたもの、やってきたものを全力で、もう少し頑張らないといけない。その“もう少し”を一丸となってできるように」と振り返った。
「これだけリバウンドを取られてインサイドを制圧されましたが、最後に勝つチャンスもあったので、そこはポジティブにとらえたい。もう少しでも頑張って、キングスらしくファイトして試合を進めたいと思います」
そのためにもリバウンドが勝利のために重要なファクターとなる。琉球と言えばリバウンドが武器ではあり、今シーズンはリーグで2位のスタッツを残したが、1位に位置するのが千葉でもある
「千葉は外国籍選手が今日はフィニッシュ力の高さを含め素晴らしいプレーをしたと思う。それでも勝機はあると思います。頑張らないと。インサイド、リバウンドを中心にリズムを作られるのを少しでもなくせればその相手のランを少しでも止めることができ、自分たちのプレーができると思います」と力を込めた。
藤田HCが言う「もう少し」は手応えとも言い換えることができるだろう。選手たちも下を向いていない。その差が大きいものなのか、自身の手で縮めることができるのか。琉球が逆王手を目指す戦いは23日16時5分ティップオフだ。
文=入江美紀雄