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「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21」セミファイナル、琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツの初戦が5月22日に沖縄アリーナで行われ、短期決戦で重要視されている初戦を千葉が96−85で勝利した。
この試合でラッキーボーイ的存在となったのが千葉のコー・フリッピンだ。今シーズン平均3.0得点、出場時間が9分23秒だった男が、この試合では15分59秒のプレータイムで11得点をマーク。しかもフィールドゴールは5本中5本成功と100パーセントのスタッツを叩き出した。
しかし、フリッピンの貢献はむしろディフェンス面にあったと言えるだろう。持ち前の機動力を生かしたカバーディフェンスで、琉球のオフェンスチャンスの芽を摘んでいった。「コーナーの3ポイントをケアするために、足のあるフリッピンを送り出した」という大野篤史ヘッドコーチの起用に十分こたえた。
シーホース三河とのクォーターファイナルでフリッピンの出番はほとんどなかった。2試合のうちコートに立てたのは1試合のみで、しかも出場時間は1分33秒のみ。それでも「自分のパフォーマンスが出せれば」と活躍のチャンスをうかがっていた。
「プレーできないことでフラストレーションが貯まることもありますが、チャンピオンではそこで気を取られてしまっては、次のパフォーマンスに支障をきたすこともある。気にせずに次の準備に取り掛かっていました」
試合後のメディア対応でフリッピンはフォア・ザ・チームを強調。母の出身が沖縄だったこともあり、「小さいころ、バスケを真剣に取り組み始めたころ、夏はほとんど沖縄で時間を過ごしていたので、沖縄でプレーするのは変な感じがします」とはにかんだ笑顔を見せた。
沖縄に住む祖母や親戚に見守られフリッピンは思い切りのいいパフォーマンスを披露する。今日の第2戦も注目だ。
文=入江美紀雄