2021.06.03

川崎の篠山竜青が今季を振り返り「苦しみながらも成長できたシーズンだった」

川崎ブレイブサンダースのキャプテンを務める篠山竜青[写真]=B.LEAGUE
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 川崎ブレイブサンダース篠山竜青が3日、シーズン終了に伴ってオンライン会見に応じた。

 川崎はレギュラーシーズンを43勝16敗の東地区3位で終え、チャンピオンシップではクォーターファイナルで大阪エヴェッサを撃破した。セミファイナルで宇都宮ブレックスと対戦したが、2連敗を喫して敗退。篠山は「序盤は本当に苦しみました。ケガ人が多かったし、なかなかビッグラインナップも機能しなかったし、外角のシュート確率も上がらなかった」と苦悩を明かした。だが、苦しい状況だったからこその成長も見られたという。

 「そういう状況の中でもコーチングスタッフや選手が課題に向き合って、乗り越えられた。前半苦しみ抜いたからこそ、ビッグラインナップがあそこまで機能したと思うし、天皇杯も優勝できた。苦しみながら成長したという意味ではすごく充実していた」

 また、今なお猛威を奮っている新型コロナウイルスについても言及し、「これだけ都心から距離が近い川崎というクラブで、一人も陽性者が出ずにシーズンを戦い抜けたのは素晴らしいことだと思う」とコメントした。

 川崎は今シーズン、日本国籍を持つニック・ファジーカスに加え、マティアス・カルファニパブロ・アギラールジョーダン・ヒースと高さのある外国籍選手をそろえ、ビッグラインナップを形成。高さを生かしたバスケットで相手に脅威を与え、Bリーグ発足後初となる天皇杯制覇を果たした。だが、優勝を期して望んだCSセミファイナル、宇都宮は川崎と同様にビッグラインナップで対抗。レギュラーシーズンの対戦時にはなかった戦法で対応され、敗れた。

 「自分たちがビッグラインナップを組んで、相手がそれ以上のビッグラインナップを組んで対抗してきた時に、どうやって守ればいいのか、どうやって攻めればいいのか、頭で考えすぎてしまった。考えてしまうようなマインドになってしまったことが、リバウンドやルーズボールへの最初の一歩に影響し、通常のラインナップに戻した時の切り替えがうまくできなかった」

 チームとしても、個人としても思考を巡らせ過ぎてしまったと振り返る篠山。「今まで相手がやってこなかったことに対してどう跳ね返すのか、40分間で対応できなかったのは反省点だし、CSでは短い時間で対応する力が必要になる」と今後の課題を話した。

 

「来季はコートの中でチームを救える存在にもう一度なりたい」

 篠山は今シーズン、1試合平均20分1秒5.9得点4.7アシストをマーク。33試合の先発を含む全59試合に出場した。昨シーズンは左ひじの関節脱臼で約3カ月の戦線離脱を余儀なくされていたため、今シーズンは「まずは健康第一を目標に掲げた」。それを実現するために「自分の体と対話する時間が増えた。痛みが出る前には何かしらサインが出るはずで、それを見落とさないようにケアやストレッチに時間を掛けるようにした」という。その甲斐もあり、2シーズンぶりとなる全試合出場を果たすことができた。

 健康第一という目標をクリアし、天皇杯制覇とタイトルも獲得するなど実りのあるシーズンだったが、個人としての出来については「全く満足できていない。自分自身が苦しんだシーズンだったし、チームを助けられなかったという思いが強いです」とコメント。苦しみながら過ごしたシーズンだったが、「来シーズンはコートの中でチームを救える存在にもう一度なりたい」と決意を新たにした。

 また、今シーズン限りでチームを離れ広島ドラゴンフライズへ移籍することが決まった辻直人についても言及し、「9年間も一緒にやってきた人が転校したら寂しい」とコメント。「僕自身寂しいけれど、それは辻の判断なので尊重したい。最終章でまた一緒にやれたらいいなと思いを持ちながら、送り出したい」と惜別した。
 

篠山がオンラインで会見に応じた

 
 

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